通常、成人にはエメダスチンフマル酸塩として1回1〜2mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
高齢者では、副作用の発現に注意し、1回1mgから投与するなどの配慮をすること。[
9.8参照]
8.1 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。更に、日常生活に支障がみられる場合があるので、本剤投与に際してはこのことを患者に十分説明しておくこと。
8.2 4mg/日投与は、2mg/日投与に比して高度の眠気を惹起する可能性が高いので留意すること。
8.3 本剤を季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 長期ステロイド療法を受けている患者
本剤投与によりステロイドの減量を図る場合には十分な管理下で徐々に行うこと。
9.3 肝機能障害患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラットにおいて胎児中への移行が認められている
1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。授乳期ラットにおいて乳汁中への移行が認められている
1)。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
本剤はアレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する前は本剤を投与しないこと。
14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤は徐放性製剤であるため、薬剤をかみ砕かないで服用させること。
14.1.2 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
18.1 作用機序
ヒスタミンH1受容体遮断作用と共に、抗原抗体反応に伴って起こる肥満細胞からのヒスタミンやロイコトリエンC4等のケミカルメディエーターの遊離を抑制することにより、アレルギー症状を緩和する。
18.2 抗アレルギー作用
モルモットでのアナフィラキシーショック及びモルモットやラットでのpassive cutaneous anaphylaxisを経口投与で抑制した
13)14)。ラットでの実験的アレルギー性鼻炎を経口投与で抑制した
15)。
18.3 抗ヒスタミン作用
ヒスタミンによるモルモット摘出回腸収縮反応を抑制した(
in vitro)。モルモットでのヒスタミン致死及び血管透過性亢進に対して抑制作用を示した
16)。
18.4 抗原抗体反応によるケミカルメディエーター遊離抑制作用
抗原抗体反応によるラット腹腔肥満細胞からのヒスタミン遊離反応
13)、並びにヒト末梢白血球及び肺組織からのヒスタミン及びロイコトリエンC
4遊離を濃度依存的に抑制した
17)(
in vitro)。モルモットpassive peritoneal anaphylaxisによるヒスタミン遊離に対して抑制作用を示した
18)。
18.5 サブスタンスPによるヒスタミン遊離に対する抑制作用
サブスタンスPによるラット腹腔肥満細胞からのヒスタミン遊離を低濃度から抑制した(
in vitro)。このヒスタミン遊離抑制作用は、細胞内Ca貯蔵部位からのCa
2+放出抑制作用及び細胞内へのCa
2+の流入抑制作用による
18)。
18.6 好酸球遊走阻止及び浸潤抑制作用
PAFによるモルモットの好酸球遊走を10
−9M以上で濃度依存的に抑制した
19)(
in vitro)。PAF、ロイコトリエンB
4によるヒトの好酸球遊走を10
−8M以上で濃度依存的に抑制した
20)(
in vitro)。モルモット鼻アレルギーモデルにおいて、鼻粘膜への好酸球浸潤を経口投与で抑制した
21)。