医療用医薬品 : 当帰芍薬散

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医薬品情報


総称名 当帰芍薬散
一般名 当帰芍薬散
薬効分類名 漢方製剤
薬効分類番号 5200
KEGG DRUG
D07021 当帰芍薬散エキス
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2023年12月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用) ツムラ 5200111D1076 14.9円/g

4. 効能または効果

筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの次の諸症
貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、月経不順、月経困難、不妊症、動悸、慢性腎炎、妊娠中の諸病(浮腫、習慣性流産、痔、腹痛)、脚気、半身不随、心臓弁膜症

6. 用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
8.2 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 著しく胃腸の虚弱な患者
食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢等があらわれることがある。
9.1.2 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者
これらの症状が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹、そう痒等
肝臓肝機能異常(AST、ALT等の上昇)
消化器食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢等

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 ホルモンに対する作用
(1)ヒト顆粒膜細胞において、エストラジオール及びプロゲステロン分泌を促進した1)in vitro)。
(2)ラット下垂体培養細胞において、LH及びFSHの分泌を促進した2)in vitro)。
18.1.2 フリーラジカル消去作用
(1)脂溶性ラジカル、スーパーオキシドラジカル、ヒドロキシラジカルを消去し、アスコルビン酸-塩化第一鉄により発生するカーボンセンターラジカル及び脂質の過酸化を抑制した3)in vitro)。
(2)妊娠マウスに飲水投与したところ、スーパーオキシド消去酵素阻害剤であるジエチルジチオカルバメートにより減少した妊娠率を改善した4)
18.1.3 サイトカインに対する作用
ヒト末梢血単核球において、TNF-α、IFN-γ(Th1サイトカイン)濃度を増加させ、IL-4(Th2サイトカイン)濃度には影響しなかった5)in vitro)。
また、ヒト脱落膜単核球において、TNF-α濃度を増加させ、IFN-γ、IL-4濃度には影響しなかった6)in vitro)。
18.1.4 更年期障害に対する作用
卵巣摘出マウスに経口投与したところ、ストレス負荷による視床下部ノルアドレナリン代謝回転亢進が抑制された7)
18.2 ホルモンに対する作用
雌幼若ラットに飲水投与したところ、子宮重量及び子宮のエストロジェンレセプター数が増加した。この作用は卵巣摘出モデルにおいては認められなかった8)
18.3 排卵誘発作用
雌幼若ラットに飲水投与し、ヒト閉経期尿性ゴナドトロピン(hMG)を投与したところ、hMG単独投与に比べ排卵率が増加した8)
18.4 妊娠ラットに対する作用
妊娠した高血圧自然発症ラットに飲水投与したところ、胎盤血流及び胎児体重の低下が抑制された9)
18.5 更年期障害に対する作用
卵巣摘出マウスに経口投与したところ、ストレス負荷によるペントバルビタールナトリウム誘発睡眠時間短縮が抑制された7)
18.6 子宮に対する作用
ラット摘出子宮筋において、PGF誘発収縮強度を抑制した10)in vitro)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 当帰芍薬散

一般的名称 当帰芍薬散
KEGG DRUG D07021

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。
20.2 開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。
20.3 本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。

22. 包装

500g[ボトル]
5kg(500g×10)[パウチ]
2.5g×42包[分包]
2.5g×189包[分包]

23. 主要文献

  1. 田中俊誠ほか, ホルモンと臨床, 38 (9), 935-939, (1990)
  2. 青野敏博ほか, 産婦人科漢方研究のあゆみ, (12), 52-57, (1995), (診断と治療社)
  3. Ueda,Y.et al., Neurochem.Res., 21 (8), 909-914, (1996) »PubMed
  4. Ota,H.et al., Reprod.Fertil.Dev., 11, 451-455, (1999) »PubMed
  5. Fujii,T.et al., Am.J.Reprod.Immunol., 44, 342-346, (2000) »PubMed
  6. Fujii,T.et al., Am.J.Reprod.Immunol., 46, 369-372, (2001) »PubMed
  7. Iizuka,S.et al., Meth.Find.Exp.Clin.Pharmacol., 20 (1), 39-46, (1998) »PubMed
  8. 小山嵩夫ほか, 産婦人科漢方研究のあゆみ, (6), 76-82, (1989), (診断と治療社)
  9. Watanabe,K.et al., Acta Med.Biol., 37 (2), 91-95, (1989)
  10. 櫛引美代子ほか, 和漢医薬学雑誌, 17 (4), 170-172, (2000)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
株式会社ツムラ お客様相談窓口
〒107-8521 東京都港区赤坂2-17-11
電話:0120-329-970
FAX:03-5574-6610
製品情報問い合わせ先
株式会社ツムラ お客様相談窓口
〒107-8521 東京都港区赤坂2-17-11
電話:0120-329-970
FAX:03-5574-6610

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
株式会社ツムラ
東京都港区赤坂2-17-11

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版