医療用医薬品 : KM

List   Top

医薬品情報


総称名 KM
一般名 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
ジアスターゼ
炭酸水素ナトリウム
沈降炭酸カルシウム
チョウジ末
ウイキョウ末
ケイヒ末
ショウキョウ末
オウレン末
サンショウ末
カンゾウ末
薬効分類名 健胃消化剤
薬効分類番号 2339
KEGG DRUG
D08834 健胃消化剤
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2023年2月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
KM散 KM POWDER 東和薬品 2339185B1024 6.5円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 透析療法を受けている患者[9.2.1参照]
2.3 ナトリウム摂取制限を必要とする患者(高ナトリウム血症、浮腫、妊娠中毒症等)[ナトリウムの貯留増加により症状が悪化するおそれがある。]
2.4 高カルシウム血症の患者[血中カルシウム濃度が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
2.5 甲状腺機能低下症又は副甲状腺機能亢進症の患者[血中カルシウム濃度の上昇により病態に悪影響を及ぼすおそれがある。]

4. 効能または効果

下記消化器症状の改善
食欲不振、胃部不快感、胃もたれ、嘔気・嘔吐

6. 用法及び用量

通常成人は1回1.3g、7才〜14才は1/2量、4才〜6才は1/3量を1日3回食後服用する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重篤な消化管潰瘍のある患者
炭酸水素ナトリウムを配合しているため、症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 心機能障害のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.3 肺機能障害のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 リン酸塩低下のある患者
アルミニウムにより無機リンの吸収が阻害される。
9.1.5 低クロル性アルカローシス等の電解質失調の患者
症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 透析療法を受けている患者
長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがある。[2.2参照]
9.2.2 腎不全の患者
排泄障害により副作用があらわれることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

10. 相互作用

10.2 併用注意
活性型ビタミンD高カルシウム血症があらわれやすくなる。消化管からのカルシウムの吸収が亢進される。
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン塩酸塩
ミノサイクリン塩酸塩
本剤との併用により、これらの薬剤の効果が減弱することがあるので、同時に服用させないなど注意すること。
この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより弱まるとの報告がある。
本剤に含まれるアルミニウム、マグネシウム等とキレートを生成し、吸収が低下することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する。
ニューキノロン系抗菌剤
エノキサシン水和物
ノルフロキサシン
オフロキサシン
本剤との併用により、これらの薬剤の効果が減弱することがあるので、同時に服用させないなど注意すること。
この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより弱まるとの報告がある。
本剤に含まれるアルミニウム、マグネシウム等とキレートを生成し、吸収が低下することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する。
大量の牛乳・カルシウム製剤Milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、症状が発現した場合には投与を中止すること。本剤の吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇による作用と考えられている。
その他の併用薬剤併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがある。
この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより弱まるとの報告がある。
本剤の吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇による作用と考えられている。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
長期・大量投与腎結石、尿路結石
代謝異常注1)高マグネシウム血症
消化器便秘
過敏症発疹
その他注2)低カリウム血症、血圧上昇、体重増加、浮腫

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
制酸性を示し適切な胃内pHを長く保ち、二次的酸分泌を起こさない。また、胃内でコロイド状となり胃粘膜表面を被覆し保護する。1)
18.1.2 ジアスターゼ
でんぷんを分解する消化酵素である。2)
18.1.3 炭酸水素ナトリウム
過剰に分泌された胃酸を中和し粘膜が消化されるのを防ぐとともに、中和によってペプシン活性を低下させる。3)
18.1.4 沈降炭酸カルシウム
胃内において、胃液中の遊離の塩酸を中和、もしくは緩衝する作用を有し、本剤の化学反応によって、胃内のpHを上昇させることにより制酸作用を発揮する。4)
18.1.5 チョウジ末、ウイキョウ末、ケイヒ末、ショウキョウ末、オウレン末、サンショウ末
特有の味や香りによって反射的に唾液、胃液の分泌を盛んにし、胃腸の運動を亢進する。5)6)
18.1.6 カンゾウ末
胃腸の過度の緊張をおさえ、胃壁を保護する。6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. メタケイ酸アルミン酸マグネシウム

一般的名称 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
物理化学的性状 白色の粉末又は粒で、におい及び味はない。水又はエタノール(95)にほとんど溶けない。1gを希塩酸10mLと加熱するとき、大部分溶ける。
理化学知見その他 19.1 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
KEGG DRUG D03242

19.2. ジアスターゼ

一般的名称 ジアスターゼ
物理化学的性状 淡黄色〜淡褐色の粉末である。吸湿性である。
理化学知見その他 19.2 ジアスターゼ
KEGG DRUG D03329

19.3. 炭酸水素ナトリウム

一般的名称 炭酸水素ナトリウム
分子式 NaHCO3
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、特異な塩味がある。水にやや溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。湿った空気中で徐々に分解する。
理化学知見その他 19.3 炭酸水素ナトリウム
KEGG DRUG D01203

19.4. 沈降炭酸カルシウム

一般的名称 沈降炭酸カルシウム
分子式 CaCO3
物理化学的性状 白色の微細な結晶性の粉末で、におい及び味はない。水にほとんど溶けないが、二酸化炭素が存在すると溶解性を増す。エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希酢酸、希塩酸又は希硝酸に泡立って溶ける。
理化学知見その他 19.4 沈降炭酸カルシウム
KEGG DRUG D00932

19.5. チョウジ末

一般的名称 チョウジ末
物理化学的性状 暗褐色を呈し、強い特異なにおいがあり、味は舌をやくようで、後にわずかに舌を麻痺する。
理化学知見その他 19.5 チョウジ末
KEGG DRUG D03570

19.6. ウイキョウ末

一般的名称 ウイキョウ末
物理化学的性状 帯緑淡褐色〜帯緑褐色を呈し、特異なにおい及び味がある。
理化学知見その他 19.6 ウイキョウ末
KEGG DRUG D06683

19.7. ケイヒ末

一般的名称 ケイヒ末
物理化学的性状 赤褐色〜褐色を呈し、特異な芳香があり、味は甘く、辛く、後にやや粘液性で、わずかに収れん性である。
理化学知見その他 19.7 ケイヒ末
KEGG DRUG D06712

19.8. ショウキョウ末

一般的名称 ショウキョウ末
物理化学的性状 淡灰褐色〜淡灰黄色を呈し、特異なにおいがあり、味は極めて辛い。
理化学知見その他 19.8 ショウキョウ末
KEGG DRUG D06744

19.9. オウレン末

一般的名称 オウレン末
物理化学的性状 黄褐色〜灰黄褐色を呈し、弱いにおいがあり、味は極めて苦く、残留性で、だ液を黄色に染める。
理化学知見その他 19.9 オウレン末
KEGG DRUG D00092

19.10. サンショウ末

一般的名称 サンショウ末
物理化学的性状 暗黄褐色を呈し、強い特異な芳香があり、味は辛く舌を麻痺する。
理化学知見その他 19.10 サンショウ末
KEGG DRUG D06733

19.11. カンゾウ末

一般的名称 カンゾウ末
物理化学的性状 淡黄褐色又は淡黄色〜灰黄色(皮去りカンゾウの粉末)を呈し、弱いにおいがあり、味は甘い。
理化学知見その他 19.11 カンゾウ末
KEGG DRUG D04365

22. 包装

1.3g×1050包[分包]
1kg[バラ]

23. 主要文献

  1. 第十八改正日本薬局方解説書, C1907-1912, (2021)
  2. 第十八改正日本薬局方解説書, C2131-2133, (2021)
  3. 田中千賀子ほか, NEW薬理学 改訂第4版, 452-453, (2002), (南江堂)
  4. 日本薬剤師研修センター編, 日本薬局方 医薬品情報 JPDI, 1050-1052, (2011)
  5. 高木敬次郎ほか, 薬物学 第2版, 394-396, (1987), (南山堂)
  6. 神戸中医学研究会 訳・編, 漢薬の臨床応用, 316-318, (1979), (医歯薬出版)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379
製品情報問い合わせ先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東和薬品株式会社
大阪府門真市新橋町2番11号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版