医療用医薬品 : 沈降炭酸カルシウム

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医薬品情報


総称名 沈降炭酸カルシウム
一般名 沈降炭酸カルシウム
欧文一般名 Precipitated Calcium Carbonate
薬効分類名 制酸剤
薬効分類番号 2344
ATCコード A02AC01
KEGG DRUG
D00932 沈降炭酸カルシウム
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2024年2月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
沈降炭酸カルシウム「ヤマゼン」M 山善製薬 2344007X1082 0.77円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
甲状腺機能低下症又は副甲状腺機能亢進症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

4. 効能または効果

下記疾患における制酸作用と症状の改善
胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)

6. 用法及び用量

沈降炭酸カルシウムとして、通常成人1日1〜3gを3〜4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心機能障害、肺機能障害のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 便秘のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3 高カルシウム血症の患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
本剤の吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇により、併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがある。
テトラサイクリン系抗生物質
(テトラサイクリン、ミノサイクリン等)
ニューキノロン系抗菌剤
(シプロフロキサシン、トスフロキサシン等)
ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤
(エチドロン酸二ナトリウム等)
これらの薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。これらの薬剤はカルシウムと難溶性のキレートを形成し、吸収が阻害される。
鉄剤これらの薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。in vitro試験において、pHの上昇により難溶性の鉄重合体を形成することが報告されている。
高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤
(ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)
これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。また、併用によりアルカローシスがあらわれたとの報告がある。カルシウムがこれらの薬剤の陽イオンと交換するためと考えられる。
ジギタリス製剤
(ジゴキシン、ジギトキシン等)
これらの医薬品の作用が増強することがあるので、慎重に投与すること。機序は不明である。
大量の牛乳、炭酸水素ナトリウム、マグネシウム剤milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。機序は不明である。
活性型ビタミンD3製剤
(アルファカルシドール、カルシトリオール)
ビタミンD
チアジド系利尿剤
高カルシウム血症を起こすおそれがある。併用薬剤が腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
ロキサデュスタットロキサデュスタットと併用した場合、ロキサデュスタットの作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上あけて本剤を服用すること。ロキサデュスタットを酢酸カルシウムと同時投与したところ、ロキサデュスタットのAUCinfが低下した。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
代謝異常高カルシウム血症、アルカローシス等の電解質失調
長期・大量投与腎結石、尿路結石
消化器悪心、嘔吐、便秘、下痢、胃酸の反動性分泌等
過敏症そう痒感

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
胃内において、胃液中の遊離の塩酸を中和、若しくは緩衝する作用を有し、本剤の化学反応によって、胃内のpHを上昇させることにより、制酸作用を発揮する1)
本品1gは0.1mol/L塩酸約200mLを中和する効力がある2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 沈降炭酸カルシウム

一般的名称 沈降炭酸カルシウム
一般的名称(欧名) Precipitated Calcium Carbonate
分子式 CaCO3
分子量 100.09
物理化学的性状 白色の微細な結晶性の粉末で、におい及び味はない。水にほとんど溶けないが、二酸化炭素が存在すると溶解性を増す。
エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希酢酸、希塩酸又は希硝酸に泡立って溶ける。
KEGG DRUG D00932

22. 包装

500g[ポリ袋]

23. 主要文献

  1. JPDI 日本薬局方医薬品情報2011, (2011), (じほう)
  2. 第十八改正 日本薬局方解説書, (2016), (廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
山善製薬株式会社 学術室
〒541-0045 大阪市中央区道修町2丁目2番4号
電話:06-6231-1821
FAX:06-6231-1824
製品情報問い合わせ先
山善製薬株式会社 学術室
〒541-0045 大阪市中央区道修町2丁目2番4号
電話:06-6231-1821
FAX:06-6231-1824

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
山善製薬株式会社
大阪市中央区道修町2丁目2番4号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版