医療用医薬品 : ハイコバール

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医薬品情報


総称名 ハイコバール
一般名 コバマミド
欧文一般名 Cobamamide
製剤名 コバマミド製剤
薬効分類名 補酵素型ビタミンB12
薬効分類番号 3136
ATCコード B03BA04
KEGG DRUG
D00042 コバマミド
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2022年12月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ハイコバールカプセル500μg Hycobal capsules エーザイ 3136001M2052 14.6円/カプセル

4. 効能または効果

(1)ビタミンB12欠乏症の予防及び治療
(2)ビタミンB12の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦等)
(3)巨赤芽球性貧血
(4)広節裂頭条虫症
(5)悪性貧血に伴う神経障害
(6)吸収不全症候群(スプルー等)
(7)下記疾患のうち、ビタミンB12の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
・栄養性及び妊娠性貧血
・胃切除後の貧血
・肝障害に伴う貧血
・放射線による白血球減少症
・神経痛
・末梢神経炎、末梢神経麻痺
・筋肉痛、関節痛
・中枢神経障害(脊髄炎、変性疾患等)
(7)の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
巨赤芽球性貧血、広節裂頭条虫症、悪性貧血に伴う神経障害、吸収不全症候群(スプルー等)及び胃切除後の貧血に対して用いる場合、経口投与によると吸収が悪いのでやむを得ぬ場合以外は注射によることが望ましい。

6. 用法及び用量

通常成人はコバマミドとして、1日1,500μg(3カプセル)までを1〜3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子5名に、本剤3カプセル(コバマミドとして1,500μg)を12週間反復経口投与し、投与中止後4週間の血清中総B12量の変動率を検討した。12週間反復投与後には投与前値の約2.3倍に上昇し、投与中止4週後でも投与前値の約1.8倍を示した1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
肝障害に伴う貧血患者に対して本剤を経口投与したところ、2週目から赤血球数が増加し、貧血の改善が認められた2)
また、妊娠性貧血に対して本剤を鉄剤とともに経口投与したところ、血色素量が増加した3)
なお、本剤はビタミンB12欠乏又は代謝障害の推定される各種疾患に応用されている。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
神経組織及び造血組織に作用し、核酸合成、蛋白合成を促進することにより赤血球の増殖、神経組織の修復を促進する。
18.2 神経再生の促進
ウサギの坐骨神経の実験的神経障害モデルで神経細胞内RNA蓄積に促進的に働き、電気生理学的検討において神経再生を促進する4)
18.3 ヘム合成の促進に伴う、貧血血液像の改善
ビタミンB12欠乏によって、特異な巨赤芽球性貧血が出現することはよく知られている。コバマミドはメチルマロニルイソメラーゼの補酵素として働き、メチルマロニルCoAをサクシニルCoAへ変換することによりヘム合成の前段階に関与する。サクシニルCoAはδ-アミノレブリン酸となり、ヘムの合成の出発物質となる。悪性貧血患者の骨髄細胞のミトコンドリア分画にコバマミドを加えるとδ-アミノレブリン酸の合成が高まる5)6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. コバマミド

一般的名称 コバマミド
一般的名称(欧名) Cobamamide
化学名 5,6-dimethylbenzimidazolyl-5'-deoxyadenosylcobamide
(別名)5,6-dimethylbenzimidazolylcobamide coenzyme(DBCC)
分子式 C72H100CoN18O17P
分子量 1579.60
物理化学的性状 コバマミドは暗赤色の結晶又は結晶性あるいは無晶性の粉末である。本品は水にやや溶けやすく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、アセトン、ジエチルエーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない。
本品は極めて吸湿性で光により分解する。
KEGG DRUG D00042

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は光を遮り保存すること。含量が低下することがある。

22. 包装

100カプセル[10カプセル(PTP)×10]

23. 主要文献

  1. 田中信夫ら, ビタミン, 55 (3), 155-161, (1981) »DOI
  2. 太田康幸ら, 診療, 20 (S.3), 727-731, (1967)
  3. 橋本武次ら, 周産期医学, 2 (2), 240-242, (1972)
  4. 中沢恒幸ら, ビタミン, 34 (6), 576-586, (1966) »DOI
  5. 高久史磨, 血液疾患の生化学, 14-25, (1970), (南山堂)
  6. 中尾喜久ら, 診療, 20 (S.3), 666-669, (1967)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
電話:フリーダイヤル 0120-419-497
製品情報問い合わせ先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
電話:フリーダイヤル 0120-419-497

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版