ビタミンK
2(以下K
2)は、血液凝固因子(プロトロンビン、VII、IX、X)の蛋白合成過程で、グルタミン酸残基が、生理活性を有するγ-カルボキシグルタミン酸に変換する際のカルボキシル化反応に関与する。
すなわち、K
2は、正常プロトロンビン等の肝での合成を促進し、生体の止血機構を賦活して生理的に止血作用を発現する
5)。
18.2.1 ワルファリンカリウムにより低プロトロンビン血症を誘発した雄ラット(正常動物の約15%の凝血活性)にK
2 1mg/kgを経口投与し、2、4、6時間後に凝血活性をヘパプラスチンテストで測定したところ、K
2投与後2時間から効果が発現し、時間経過と共に凝血能が改善され、6時間後では正常動物の65%の凝血活性を示した
6)。
18.2.2 健康成人男子5名にワルファリンカリウム40mgを経口投与して低プロトロンビン血症を誘発させ、低下した凝血能に対する回復効果をクロスオーバー法でビタミンK
1(以下K
1)30mgあるいはK
2 30mgを単回経口投与して比較検討した。プロトロンビン時間(%)の回復はK
2投与群がK
1投与群より速やかであった
7)。
18.2.3 健康成人男子4名にワルファリンカリウム20mgを経口投与して低プロトロンビン血症を誘発させ、凝血能改善におけるK
2単回経口投与の用量検討を行った。K
2 60mg
注)、90mg
注)投与で6時間後から有意な凝血能の改善効果が認められ、30mg群では12時間後から有意な改善効果があった。K
2経口投与後6時間、9時間、12時間、24時間、36時間のいずれの時点においてもK
2の用量・反応関係が認められた
8)。
注)本剤の承認最大用量は40mgである。
18.2.4 雄ラットを角砂糖で飼育しながら、N-メチルテトラゾールチオール基側鎖を持つ抗生剤ラタモキセフを300mg/kg/日を3日間腹腔内投与して作製した低プロトロンビン血症モデルにK
2 0.08、0.4、2mg/kgを経口投与して経時的に凝血能の回復を観察した。K
2投与後3時間から作用が発現し、3時間後及び6時間後ともにK
2の用量に依存した改善効果が認められた
9)。
18.2.5 ラタモキセフ投与により低プロトロンビン血症を誘発した雄ラットにK
2 0.01〜1mg/kgを経口投与したところ、3時間後のヘパプラスチンテスト、活性化部分トロンボプラスチン時間、正常プロトロンビン及び異常プロトロンビン(PIVKA-II:protein induced by vitamin K absence or antagonists factor-II)は投与量に応じて改善し、K
2 0.1mg/kg以上の用量で対照群に対して有意差が認められた。なお、この病態モデルにK
2 0.1mg/kgを1日1回、2日間経口投与したところ、ヘパプラスチンテスト活性及び正常プロトロンビン量は正常値に回復した
10)。
抗凝血薬ジクマロール50mg/kg/日を10日間反復投与によるマウスの出血死を、K
1群は5mg/kg/日経口投与の併用により50%阻止したのに対して、K
2群ではK
1群と同量の経口投与で100%阻止した
11)。