医療用医薬品 : ネオラミン |
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総称名 | ネオラミン |
一般名 | チアミンジスルフィド, ピリドキシン塩酸塩, ヒドロキソコバラミン酢酸塩 |
欧文一般名 | Thiamine Disulfide, Pyridoxine Hydrochloride, Hydroxocobalamin Acetate |
薬効分類名 | 神経・筋機能賦活剤 |
薬効分類番号 | 3179 |
KEGG DRUG |
D04904
チアミンジスルフィド・ピリドキシン塩酸塩・ヒドロキソコバラミン酢酸塩
商品一覧 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
ネオラミン・スリービー液(静注用) | Neolamin 3B Intravenous | 日本化薬 | 3179504A1116 | 117円/管 | 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤及びチアミンジスルフィドに対し過敏症の既往歴のある患者
本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)
下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
神経痛
筋肉痛・関節痛
末梢神経炎・末梢神経麻痺
効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
通常成人1日1回10mLを緩徐に静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
相互作用
併用注意
レボドパ | レボドパの有効性を減じることがある。 | ピリドキシン塩酸塩がレボドパの脱炭酸化を促進し、脳内作用部位への到達量を減少させる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
<概要>
総症例3,609例における副作用の発現率は2.6%であり、主なものは、血管痛1.1%、悪心0.6%であった。〔再評価結果時〕
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状
ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、全身皮膚潮紅、そう痒感、血圧低下、胸内苦悶、呼吸困難、痙攣等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
0.1%以上 | 0.1%未満 | |
過敏症注) | 発疹 | そう痒感 |
消化器 | 悪心・嘔吐 | |
投与部位 | 局所疼痛 |
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療中の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
適用上の注意
調製時
本剤は、アミノ酸製剤と混合した場合、ビタミンの分解が促進されることがあるので注意すること。
注射速度
静脈内投与により血管痛を起こすことがあるので、注射速度はできるだけ遅くすること。
アンプルカット時
ワンポイントアンプルなのでマークを上にして下方へ折ること。なお、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭しカットすることが望ましい。
<血中濃度及び尿中排泄>
チアミンジスルフィド(TDS)1)
健康男子6名に静注(TDS100mg相当)して得られた血中濃度は下図のとおりで、血中ビタミンB1値の持続時間がビタミンB1塩酸塩(B1-HCl)に比して長く、尿中への排泄はB1-HClよりおそい。
全血中総ビタミンB1含量(静注におけるTDSとB1-HClの比較)
6人のヒトの平均値と標準偏差を経過時間ごとに図示した。
総ビタミンB1尿中排泄曲線(静注におけるTDSとB1-HClの比較)
再評価結果時の臨床成績は下記のとおりである。
著効・有効 | |
神経痛 | 74.0%(71/96) |
筋肉痛・関節痛 | 69.6%(297/427) |
末梢神経炎 | 54.1%(144/266) |
末梢神経麻痺 | 77.0%(117/152) |
ビタミンの需要増大 | 66.7%(46/69) |
神経再生におけるネオラミン・スリービー液の効果2)
ラットを用い、坐骨神経圧挫による神経障害の治癒過程に対するネオラミン・スリービー液の影響を電気生理学的方法で検討した結果、ネオラミン・スリービー液は圧挫神経の変性進行には影響を与えないが、神経支配の回復を促進すると考えられる。
アクリルアミド中毒神経炎に対するネオラミン・スリービー液の効果2)
ラットを用いネオラミン・スリービー液とその各有効成分の効果を1)一般症状の変化の観察、2)神経伝達速度の測定によって比較した。
チアミンジスルフィド、ピリドキシン塩酸塩、ヒドロキソコバラミン及びネオラミン・スリービー液はアクリルアミド中毒ラットの死亡を抑制するが、その作用はネオラミン・スリービー液が最も強いと考えられる。アクリルアミド中毒の異常症状の発現に対しては各ビタミン及びネオラミン・スリービー液は明らかな抑制作用を示さなかったが、アクリルアミド中止後の症状回復に対しては、4群ともに回復促進が認められ、特にネオラミン・スリービー液群において著明であった。
ラットの成長に伴う神経伝達速度の上昇に対するアクリルアミドの阻害作用に対し、ネオラミン・スリービー液は有意に抑制し(第4週)、また、アクリルアミド投与中止後の回復を促進した。
神経病理学的検索3)
ラットのアクリルアミド神経炎に対するビタミンB群の抑制効果を組織像の定量的研究により検討した結果、有髄線維の変形度及び髄鞘面積と有髄線維面積の比率においてネオラミン・スリービー液はアクリルアミドによる変化を有意に抑制し、有髄線維横断面積の分布、間質面積、単位面積中の変性有髄線維数及びシーワン細胞核数、電顕・光顕的観察、腰髄前角細胞内のRNA量においては抑制の傾向が認められた。
10アンプル、50アンプル
1. | 奥田 邦雄他, 基礎と臨床, 7, 1679, (1973) |
2. | 篠崎 温彦他, ビタミン, 48, 377, (1974) »DOI |
3. | 加藤 雄司他, ビタミン, 51, 197, (1977) |
改訂履歴 |
2012年11月 改訂 (33) |
文献請求先 |
日本化薬株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2022/6/22 版 |