医療用医薬品 : ビタメジン |
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総称名 | ビタメジン |
一般名 | リン酸チアミンジスルフィド, ピリドキシン塩酸塩, ビタミンB6 , シアノコバラミン, ビタミンB12 |
欧文一般名 | Thiamine Disulfide Phosphate, Pyridoxine Hydrochloride, Cyanocobalamin |
薬効分類番号 | 3179 |
KEGG DRUG |
D04935
リン酸チアミンジスルフィド・ピリドキシン塩酸塩・シアノコバラミン
商品一覧 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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ビタメジン静注用 | VITAMEDIN For Intravenous Injection | アルフレッサファーマ | 3179506F1023 | 107円/瓶 | 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)
下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺
註:効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
通常成人1日1バイアルを日本薬局方ブドウ糖注射液又は生理食塩液若しくは注射用水20mLに溶解し、静脈内あるいは点滴静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
静脈内に注射する場合には3分以上時間をかけて極めて緩徐に投与する。
相互作用
併用注意
パーキンソン病治療薬 レボドパ | レボドパの作用を減弱させるおそれがある。 | 本剤に含まれるピリドキシン塩酸塩は、レボドパの脱炭酸酵素の補酵素であり、併用によりレボドパの末梢での脱炭酸化を促進し、レボドパの脳内作用部位への到達量を減弱させると考えられる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状
ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので観察を十分に行い、発赤、そう痒感、血圧低下、胸内苦悶、呼吸困難等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
頻度不明 | |
過敏症注1) | 発疹、そう痒感 |
消化器 | 悪心・嘔吐 |
その他注2) | 熱感、悪寒、発熱、肛門部・その他にそう痒感、ピリピリ感 |
適用上の注意
投与速度
静脈内投与により血管痛を起こすことがあるので、注射速度はできるだけ遅くすること。
調製後
溶解後はすみやかに使用すること。
投与時
ビタミンの光分解を防ぐため、遮光に留意すること。
国内臨床論文89報について集計した成績の概要は次の通りである。
食事からの摂取が不十分な際のビタミン(B1、B6、B12)の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦等)
ビタミン補給を必要とする外科的侵襲後の症例、重篤あるいは長期療養でビタミン補給を必要とする症例等の消耗性疾患並びに妊産婦、授乳婦等の代謝亢進時の症例に本剤を投与した結果、本剤含有ビタミンの不足を補い、臨床症状の改善がみられている。
ビタミン(B1、B6、B12)の欠乏又は代謝障害が関与する下記疾患
神経痛
坐骨神経痛、肋間神経痛、三叉神経痛等各種神経痛93例に対して、すぐれた効果が得られた。
筋肉痛・関節痛
筋肉痛、腰痛、五十肩・肩こり、脊椎症、頸肩腕症候群、関節痛等の有痛性整形外科疾患146例に対して、疼痛の軽減に効果が得られた。
末梢神経炎・末梢神経麻痺
多発神経炎、糖尿病性ノイロパチー、眼精疲労、耳鳴・難聴等の末梢神経障害450例に対して、疼痛、知覚障害並びに運動障害等の改善が得られた。
本剤中の各ビタミンはいずれも神経の代謝に関係の深いもので、その欠乏時には神経細胞、神経線維、軸索等の神経組織に病変がおこり、知覚及び運動機能が障害される。
ネコの脛骨神経を切断、縫合した後、ビタミンB1(リン酸チアミンジスルフィド)、B6、B12の各単独並びにビタメジン(3種ビタミン配合)を投与し、神経再生に及ぼす影響を調べると、ビタメジン投与群はビタミン単独投与群にくらべ、筋肉の強い張力が得られ、神経再生の回復がより早い傾向が得られている。
ラット後肢坐骨神経を圧挫して誘起させた末梢神経麻痺に、ビタミンB1(リン酸チアミンジスルフィド)、B6、B12の各単独並びにビタメジンを投与し、神経麻痺の回復に及ぼす影響を比較した実験で、ビタメジン投与群に有意な回復促進が認められている。
ラットのアロキサン誘発による実験的糖尿病性神経障害の脊髄前根(遠心性)神経線維の活動電位について、不応期を指標として測定し、上記3種ビタミン単独並びにビタメジンを投与して比較した結果、ビタミン単独投与群では、全体的に不応期の延長が認められ、ビタメジン投与群との間に有意差(P<0.05)が認められている。
各成分の作用
ビタミンB1塩酸塩にくらべ、高い血中B1及びコカルボキシラーゼ濃度を持続し(ヒト25mg静注)、かつ心筋・肝・腎・骨格筋等各臓器中総B1量が高値を示す(シロネズミ10mg/kg皮下注)ことが認められている。また体内で補酵素型B1への転換率が高い。
ビタミンB1は、神経機能の維持に重要な役割を演じており、B1欠乏時には、神経組織の変化として、ノイロン末梢部神経線維の変化(髄鞘の変性)がおこることが知られている(シロネズミによる実験)。
ピリドキシン塩酸塩10)
アミノ酸代謝に関係しており、アミノ基転移、アミノ酸の脱炭酸などの各種反応の補酵素として作用する。神経伝達物質であり神経活動に欠かすことのできない化合物であるドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンのカテコールアミン類とγ−アミノ酪酸及びセロトニン、ヒスタミン、タウリンなどの代謝に関与している。またホルモンの作用を調節する。
シアノコバラミン10)
DNAの構成材料であるデオキシリボヌクレオチドを供給するリボヌクレオチドレダクターゼの補酵素として働くほか、メチル基転移、アミノ基転移に関与する。ビタミンB12欠乏時には神経症状として触覚、疼覚、温覚障害のほか、振動覚の異常、協同運動障害などが下肢に認められる。また、膝蓋腱反射の亢進が現れる。
一般名 | リン酸チアミンジスルフィド |
一般名(欧名) | Thiamine Disulfide Phosphate |
分子式 | C24H36N8O10P2S2 |
分子量 | 722.67 |
融点 | 約175℃(分解) |
性状 | 白色〜微黄色の結晶性の粉末で、においはない。 水にやや溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、アセトン又はクロロホルムにほとんど溶けない。 水溶液(1→50)のpHは約4である。 |
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一般名 | ピリドキシン塩酸塩 |
一般名 | ビタミンB6 |
一般名(欧名) | Pyridoxine Hydrochloride |
分子式 | C8H11NO3・HCl |
分子量 | 205.64 |
融点 | 約206℃(分解) |
性状 | 白色〜微黄色の結晶性の粉末である。 水に溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、無水酢酸、酢酸(100)にほとんど溶けない。 光によって徐々に変化する。 |
KEGG DRUG | ![]() |
一般名 | シアノコバラミン |
一般名 | ビタミンB12 |
一般名(欧名) | Cyanocobalamin |
分子式 | C63H88CoN14O14P |
分子量 | 1355.37 |
性状 | 暗赤色の結晶又は粉末である。 水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくい。 吸湿性である。 |
KEGG DRUG | ![]() |
ビタメジン静注用
50バイアル
1. | 社内集計:ビタメジン文献集を中心に集計 |
2. | 長谷川和雄ほか, 日本薬理学雑誌, 69 (3), 483-497, (1973) »PubMed »DOI |
3. | 長谷川和雄ほか, 日本薬理学雑誌, 74 (6), 721-734, (1978) »PubMed »DOI |
4. | 岩田宜芳ほか, 日本薬理学雑誌, 75 (1), 9-21, (1979) »PubMed »DOI |
5. | 祖父江逸郎ほか, 最新医学, 14 (11), 2954-2973, (1959) |
6. | 阿部達夫ほか, 綜合臨床, 18 (11), 2609-2613, (1969) |
7. | 宮沢 滋ほか, ビタミン, 32 (1), 8-14, (1965) »DOI |
8. | 水上明彦ほか, ビタミン, 32 (1), 15-20, (1965) »DOI |
9. | 能勢尚志ほか, ビタミン, 32 (1), 63-69, (1965) |
10. | 日本ビタミン学会, ビタミンの事典, 201-227,324-353, (1996) 朝倉書店 |
改訂履歴 |
2020年9月 作成 (第1版) |
文献請求先 |
アルフレッサファーマ株式会社 |
お問い合わせ先 |
アルフレッサファーマ株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2022/6/22 版 |