医療用医薬品 : メルスモン |
List Top |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
メルスモン (後発品) | MELSMON | メルスモン製薬 | 3259600A1020 | 200円/管 | 特定生物由来製品 , 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤又は他の薬物に対し過敏症の既往歴のある患者
更年期障害、乳汁分泌不全
通常、1日1回2mLを毎日又は隔日に皮下注射する。
慎重投与
アレルギー体質の患者
重要な基本的注意
「患者への説明」
本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際しては感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているものの、ヒトの胎盤を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、その理解を得るよう努めること。
本剤は、原料提供者への渡航歴等の問診、血清学的検査によってウイルス・細菌の感染症等をスクリーニングし、更に、HBV-DNA、HCV-RNA、及びHIV-1-RNAについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した国内のヒト胎盤を製造に使用している。しかし、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤は、塩酸加水分解法により製造されており、ウイルス不活化を目的とした製造工程において101℃以上、1時間以上の塩酸加熱処理及び121℃、60分間の高圧蒸気滅菌を実施しているが、ヒト胎盤を原料としていることに由来する感染の可能性を完全に否定することはできないので、使用にあたっては観察を十分に行うことを推奨する。
現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はないが、しかしながら、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、使用の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討のうえ使用すること。
副作用
副作用発現状況の概要
調査症例98例中、何らかの副作用がみられたのは19例(19.4%)で、主なものは注射部位の発赤疼痛で7例あり、これは全例の7.1%、副作用発生例の36.8%であった。また、臨床検査値で臨床的に意義があると考えられる変化は認められなかった。1)2)(再評価終了時)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
ショックを起こすおそれがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
5%以上 | 0.1〜5%未満 | |
過敏症注) | 悪寒、悪心、発熱、発赤、発疹等 | |
注射部位 | 疼痛、発赤等 |
適用上の注意
投与経路
本剤は皮下注射のみに使用すること。
アンプルカット時
本品は「ワンポイントカットアンプル」を使用しているので、カット部をエタノール綿等で清拭した後、ヤスリを用いず、アンプル枝部のマークの反対方向に折り取ること。
使用上の注意その他
本剤は有効成分としてヒト胎盤由来成分を含有しており、原料となった胎盤を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程において加熱処理などを実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、ヒト胎盤を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。
更年期障害1)
更年期障害患者31例を対象に、本剤1回2mLを1週間に3回、2週間継続して合計6回皮下投与したところ、有効率77.4%(24例/31例)を示した。また、プラセボとの比較試験の結果、本剤の有効性が認められた。
乳汁分泌不全2)
初産の褥婦67例を対象に、本剤1回2mLを1日1回、産褥第1日より5日間連続して皮下投与したところ、有効率68.6%(46例/67例)を示した。また、プラセボとの比較試験の結果、本剤の有効性が認められた。
メルスモンの作用機序は、まだ充分明らかではないが、細胞呼吸促進、創傷治癒促進、抗疲労などの諸作用が認められており、これら多種多様の生物学的活性作用が広汎な生体過程への賦活作用を示し、組織細胞の新陳代謝を高め、身体の異常状態を正常化するものと推測される。
組織呼吸促進作用3)
ラット肝臓の組織呼吸に及ぼすメルスモンの作用をワールブルグ法にて測定の結果、メルスモンは生理食塩液の約5.7倍の呼吸促進作用を認めた。
創傷治癒促進作用4)
ラットを用いた実験的火傷において、メルスモンは対照に比較し創傷治癒促進作用を示した。
抗疲労作用5)
マウスによる水中遊泳疲労試験において、メルスモンは抗疲労性を認めた。
硝子体及び球結膜下出血の吸収促進作用6)
ウサギの眼球の硝子体及び球結膜下に対し実験的出血をおこし、その吸収促進作用を観察した結果、メルスモンは対照に比較して出血吸収促進作用を示した。
理化学知見その他 | 本剤は、ヒト胎盤由来成分として、多種の微量成分を含有するが、特定の物質を有効成分として表記することは出来ない。現在定量されている成分は下記の通りである。アミノ酸リジン、アラニン、アスパラギン酸、ロイシン、グルタミン酸、グリシン、バリン、セリン、チロシン、フェニルアラニン、スレオニン、アルギニン、プロリン、イソロイシン、メチオニン、ヒスチジン |
「記録の保存」
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を使用した場合は、医薬品名、その製造番号、使用年月日、使用した患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
2mL×10管、2mL×50管
1. | 唐沢陽介ほか, 薬理と治療, 9 (3), 299〜308, (1981) |
2. | 唐沢陽介ほか, 基礎と臨床, 15 (3), 661〜670, (1981) |
3. | メルスモン製薬(株) 社内資料 |
4. | メルスモン製薬(株) 社内資料 |
5. | 田村豊幸ほか, 薬理と治療, 6 (10), 109〜114, (1978) |
6. | 梁泰河, 眼科臨床医報, 54 (5), 49〜53, (1960) |
改訂履歴 |
2012年9月 改訂 |
文献請求先 |
メルスモン製薬株式会社 |
業態及び業者名等 |
メルスモン製薬株式会社 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/1/20 版 |