医療用医薬品 : エルシトニン

List   Top

医薬品情報


総称名 エルシトニン
一般名 エルカトニン
欧文一般名 Elcatonin
製剤名 (エルカトニン注射液)
薬効分類名 合成カルシトニン誘導体製剤
薬効分類番号 3999
ATCコード H05BA04
KEGG DRUG D03287 エルカトニン
商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
エルシトニン注10単位 Elcitonin Inj.10U. 旭化成ファーマ 3999401A2028 248円/管 劇薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

骨粗鬆症における疼痛

用法用量

通常、成人には1回エルカトニンとして10エルカトニン単位を週2回筋肉内注射する。
なお、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

発疹(紅斑、膨疹等)等の過敏症状を起こしやすい体質の患者

気管支喘息又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発するおそれがある。]

重要な基本的注意

本剤はポリペプチド製剤であり、ショックを起こすことがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

本剤の投与は、6ヵ月間を目安とし、長期にわたり漫然と投与しないこと。[「9.その他の注意」の項参照]

相互作用

併用注意

ビスホスホン酸塩系骨吸収抑制剤
パミドロン酸二ナトリウム水和物等
血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。
高度の低カルシウム血症があらわれた場合には投与を中止し、注射用カルシウム剤の投与等適切な処置を行うこと。
両剤のカルシウム低下作用により、血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

承認時までの調査及び市販後の調査における総症例17,374例中、412例(2.37%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が報告された。その主なものは、顔面潮紅88件(0.51%)、注射部疼痛82件(0.47%)、悪心68件(0.39%)、熱感36件(0.21%)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー(0.02%)

ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、気分不良、全身発赤、蕁麻疹、呼吸困難、咽頭浮腫等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

テタニー(頻度不明)

低カルシウム血症性テタニーを誘発することがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、注射用カルシウム剤の投与等適切な処置を行うこと。

喘息発作(0.01%)

喘息発作を誘発することがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「1.慎重投与」の(2)の項参照]

肝機能障害、黄疸(頻度不明)

AST(GOT)、ALT(GPT)、ALPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症注)発疹蕁麻疹 
循環器顔面潮紅、熱感胸部圧迫感、動悸、血圧上昇血圧低下
消化器悪心、嘔吐、食欲不振腹痛、下痢、口渇、胸やけ、口内炎、腹部膨満感 
神経系めまい、ふらつき頭痛、耳鳴、視覚異常(かすみ目等)しびれ感、口内しびれ感
肝臓 AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇 
電解質代謝  低ナトリウム血症、低リン血症
注射部位疼痛発赤腫脹
その他そう痒感頻尿、浮腫、咽喉部異和感(咽喉部ハッカ様爽快感等)、発熱、悪寒、脱力感、全身倦怠感発汗、赤血球減少、ヘモグロビン減少、BUN上昇、ALP上昇、乳房肥大、乳房痛、あくび、尿白濁
注)発現した場合には、投与を中止すること。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦、産婦、授乳婦等への投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ラット)で、血清カルシウムの急激な低下、テタニー様症状の発現及び乳汁分泌量が減少し、新生児の体重増加の抑制が報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

適用上の注意

筋肉内注射時

筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に配慮すること。

神経走行部位を避けるよう注意すること。

繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えて行うこと。

注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。

アンプルカット時

本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。

その他の注意

類薬であるカルシトニン(サケ)の経口剤及び点鼻剤を用いた海外臨床試験(投与期間:6ヵ月〜5年)のメタアナリシスにおいて、がんの発生割合はカルシトニン(サケ)群では4.2%(254/6,105例)、プラセボ群では2.9%(135/4,687例)(リスク差1.0%[95%信頼区間0.3,1.7])であったとの報告がある[1][2]

ラット(SD系)に1年間大量皮下投与した慢性毒性試験において、下垂体腫瘍の発生頻度の増加がみられたとの報告がある[3]

マウスに92週間大量皮下投与した癌原性試験において、癌原性はみられなかったとの報告がある[4]

薬物動態

健康成人男子にエルカトニン10単位を単回筋肉内注射したとき、血漿中濃度(ELISA法)は23.3分後にピークに達し、消失半減期は41.7分であった。健康成人男子にエルカトニン10、20、40単位注1)をそれぞれ単回筋肉内注射したときの薬物濃度パラメータは、以下のとおりであった[5]

投与量注2) Tmax(min)Cmax(pg/mL)T1/2(min)AUC0-∞(pg・min/mL)
10単位23.3±5.27.6±2.241.7±8.7632±199
20単位21.7±4.124.8±7.835.4±9.81841±422
40単位23.3±5.257.8±11.736.6±4.14640±991
Mean±SD(n=6)

注1)本剤の承認用法・用量は「通常、成人には1回エルカトニンとして10エルカトニン単位を週2回筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。」である。

注2)本剤の活性は、日局標準品を基準にして生物学的測定法により測定し、約6,000エルカトニン単位/mgである。

<参考>

体内分布[6]

3H-エルカトニンをラットに筋肉内投与した場合、腎、膵、骨、胃に多く分布する。

代謝[7]

エルカトニンをラット臓器抽出物と反応させた場合、主に腎臓のミクロゾーム画分で代謝される。

排泄[6]

3H-エルカトニンをラットに筋肉内投与した場合、120時間までに尿、糞及び呼気中に44.0%の放射能が排泄される。また、ゲルろ過による尿中排泄物の分析では、尿中にエルカトニン未変化体は認められない。

臨床成績

骨粗鬆症に伴う疼痛に対する二重盲検比較試験[8]及び451例の一般臨床試験の概要は次のとおりであった。

二重盲検比較試験における有効率*は対照薬投与群48.6%(52/107)に対して、本剤投与群では67.6%(75/111)であった。

一般臨床試験における有効率*は、66.3%(299/451)であった。

*:自発痛、運動時痛の評価

薬効薬理

抗侵害受容作用(鎮痛作用)[9][10][11]

エルカトニンの反復皮下投与は、ホルマリン誘発性痛覚過敏ならびに卵巣摘出により惹起された痛覚過敏に対し抗侵害受容作用(鎮痛作用)を認め、疼痛抑制系のセロトニン神経系を介した機序が明らかになっている(ラット)。

有効成分に関する理化学的知見

一般名エルカトニン
一般名(欧名)Elcatonin
分子式C148H244N42O47
分子量3363.77
性状本品は白色の粉末である。
本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
本品は吸湿性である。
本品の水溶液(1→500)のpHは4.5〜7.0である。
KEGG DRUGD03287

包装

エルシトニン注10単位

10アンプル

主要文献


1. European Medicines Agency."Assessment report for calcitonin containing medicinal products".
2. U.S.Food and Drug Administration."Background Document for Meeting of Advisory Committee for Reproductive Health Drugs and Drug Safety and Risk Management Advisory Committee".
3. 社内資料:エルカトニンのラットにおける皮下投与による12ヶ月慢性毒性試験
4. 社内資料:92 week subcutaneous carcinogenicity study in mice
5. 社内資料:薬物動態<血中濃度>
6. 社内資料:薬物動態<体内分布、排泄>
7. 墳本 敏彦他,  現代の診療,  20 (12),  2223,  (1978)
8. 伊丹 康人他,  医学のあゆみ,  120 (12),  1180,  (1982)
9. Umeno H.et al.,  Pharmacol.Biochem Behav.,  55 (1),  151,  (1996)
10. Yamazaki N.et al.,  Jpn.J.Pharmacol.,  81,  367,  (1999) »J-STAGE
11. Shibata K.et al.,  Pharmacol.Biochem.Behav.,  60,  371,  (1998)

作業情報


改訂履歴

2018年4月 改訂
2018年8月 第13版 改訂

文献請求先

「主要文献」の項に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
旭化成ファーマ株式会社
100-0006
東京都千代田区有楽町一丁目1番2号
0120-114-936 (9:00〜17:45/土日祝、休業日を除く)

業態及び業者名等

製造販売元
旭化成ファーマ株式会社
東京都千代田区有楽町一丁目1番2号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/1/23 版