医療用医薬品 : メベンダゾール

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医薬品情報


総称名 メベンダゾール
一般名 メベンダゾール
欧文一般名 mebendazole
製剤名 メベンダゾール錠
薬効分類名 駆虫剤
薬効分類番号 6429
ATCコード P02CA01
KEGG DRUG
D00368 メベンダゾール
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
メベンダゾール錠100 Mebendazole Tablets ヤンセンファーマ 6429005F1026 366.4円/錠 処方箋医薬品

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

4. 効能または効果

鞭虫症

6. 用法及び用量

通常、成人及び小児に対してはメベンダゾールとして1回100mgを1日2回(朝・夕)3日間経口投与する。ただし、体重20kg以下の小児には半量にするなど、適宜減量する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。[11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で催奇形性が報告されている。[2.参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物(ウシ)で乳汁中へ移行することが報告されている。また、メベンダゾールがヒトで乳汁中へ移行(5ng/mL)することが報告されている。1)
9.7 小児等
小児への投与で痙攣発作等が認められたとの報告がある2)
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
シメチジン3)長期併用投与により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。肝臓における本剤の代謝が阻害される可能性がある。
メトロニダゾール4)併用により中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれたとの報告がある。機序不明

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック・アナフィラキシー(頻度不明)[9.1.1参照]
11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
血液 好中球数減少
過敏症皮膚発赤紅斑性発疹、蕁麻疹、血管浮腫、発疹
精神神経系 めまい、頭痛、痙攣
消化器腹痛嘔吐、腹部不快感、下痢、鼓腸、悪心
肝臓 肝機能異常
皮膚 脱毛症

13. 過量投与

13.1 症状
腹部痙直を起こすことがある。本剤の投与期間は3日間であるが、長期又は大量投与を受けた患者において、肝炎、無顆粒球症及び糸球体腎炎5)がまれに報告されている。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
蛔虫が混合感染している場合、本剤の投与によって迷入する場合があるので、あらかじめ蛔虫を駆除してから投与するように注意すること。
14.2 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
長期大量投与により重篤な肝障害が認められたとの報告がある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健常成人に本剤200mgを経口投与した結果、最高血中濃度は投与後約2時間にみられ、平均40ng/mL、血中濃度の半減期の平均は4.43±0.9時間であった6)
16.2 吸収
健常成人に経口投与後、投与量の0.1〜0.3%が吸収された6)
16.4 代謝
健常成人に経口投与後、90%以上がカルバメート加水分解物として排泄された6)
16.5 排泄
健常成人に本剤200mgを経口投与した結果、投与3日後までにカルバメート加水分解物が0.258%(メベンダゾール換算)が尿中に排泄された6)
※本剤の承認された用法及び用量は、「1回100mgを1日2回(朝・夕)3日間経口投与する。」である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
わが国で実施された臨床試験57例の成績についてみると、用法及び用量の異なる2例を除き53例で有効と判定された(有効率96.4%)。また、投与前後で検便が実施された症例は43例あり、38例で虫卵陰性(完全駆虫率88.4%)となった。
副作用発現頻度は3.5%(2/57例)であった。副作用は、皮膚発赤1.8%(1/57例)、腹痛1.8%(1/57例)であった。7)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
蠕虫チューブリンに特異的に強い親和性を持ち、微小管の形成を阻害し、次いでグルコースの取り込みを阻害する。その結果、内部グリコーゲンの枯渇、ATP生成阻害がおこり、分泌・吸収機能阻害により蠕虫は死滅あるいは駆虫される。8)9)10)11)12)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. メベンダゾール

一般的名称 メベンダゾール
一般的名称(欧名) mebendazole
化学名 methyl 5-benzoyl-2-benzimidazolecarbamate
分子式 C16H13N3O3
分子量 295.29
融点 287.3〜289.2℃
物理化学的性状 白色〜微黄白色の粉末でにおいはない。
溶解性 ギ酸に溶けやすく、ジメチルスルホキシドにやや溶けにくく、N,N-ジメチルホルムアミドに溶けにくく、アセトン、クロロホルム、メタノール、酢酸エチル又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D00368

22. 包装

6錠[6錠(PTP)×1]

23. 主要文献

  1. 社内資料:メベンダゾールの乳汁中への移行
  2. EL Kalla S,et al., Ann Trop Paediatr., 10, 313-314, (1990) »PubMed
  3. Bekhti A,et al., Br J Clin Pharmacol., 24, 390-392, (1987) »PubMed
  4. Chen KT,et al., Am J Public Health., 93, 489-492, (2003) »PubMed
  5. Kung'u A,et al., E Afr Med J., 59, 404-409, (1982)
  6. 田中 寛,他, 基礎と臨床, 20, 5477-5482, (1986)
  7. 田辺 清勝,他, 感染症学雑誌, 61, 161-166, (1987) »PubMed
  8. Friedman PA,et al., Biochem Biophys.Acta., 630, 271-278, (1980) »PubMed
  9. Ireland CM,et al., Biochem Pharmacol., 28, 2680-2682, (1979) »PubMed
  10. H.Van den Bossche, Comparative Biochemistry of Parasites., 139-158, (1972)
  11. Rahman MS,et al., Internat J Parasitol., 7, 403-409, (1977)
  12. Rahman MS,et al., New Zealand Vet J., 25, 79-83, (1977)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ヤンセンファーマ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-5-2
電話:フリーダイヤル 0120-183-275
FAX:0120-275-831
URL:https://www.janssenpro.jp
製品情報問い合わせ先
ヤンセンファーマ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-5-2
電話:フリーダイヤル 0120-183-275
FAX:0120-275-831
URL:https://www.janssenpro.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ヤンセンファーマ株式会社
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-5-2

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/08/21 版