5.1 本剤の適用にあたっては、厚生省「老人性骨粗鬆症の予防及び治療法に関する総合的研究班」の診断基準(骨量減少の有無、骨折の有無、腰背痛の有無などの総合による)等を参考に、骨粗鬆症との診断が確立し、骨量減少・疼痛がみられる患者を対象とすること。
通常、成人にはメナテトレノンとして1日45mgを3回に分けて食後に経口投与する。
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
投与中は患者の状態を十分に観察すること。本剤は高齢者に長期にわたって投与されることが多い薬剤である。
14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 本剤は空腹時投与で吸収が低下するので、必ず食後に服用させること。なお、本剤は脂溶性であるため、食事に含まれる脂肪量が少ない場合には吸収が低下する。[
16.2.1参照]
14.2 薬剤交付時の注意
14.2.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床第II、第III相試験(退行期骨粗鬆症)
閉経後及び老人性骨粗鬆症における効果は、中等度改善以上で51.9%(164例/316例)、軽度改善以上で84.5%(267例/316例)であり、骨量維持効果と疼痛改善効果が認められた。また二重盲検試験によって本剤の有用性が確認されている
5)6)。
なお、二重盲検試験(第III相比較試験)における疼痛改善効果は本剤単独投与時では57.2%(87例/152例)、鎮痛剤併用時では61.1%(66例/108例)であった。
第II相試験における副作用発現頻度は、本剤15mg投与群で10.8%(8例/74例)、45mg投与群で2.5%(2例/79例)、90mg投与群で4.2%(3例/72例)、135mg投与群で5.9%(5例/85例)であった。各投与群で2例以上発現した副作用は、15mg投与群で胃痛2.7%(2例/74例)、135mg投与群で心窩部痛2.4%(2例/85例)であった
5)。
第III相試験における副作用発現頻度は、本剤45mg投与群で5.9%(16例/272例)であった。主な副作用は、発疹・皮疹・薬疹1.1%(3例/272例)、胃部不快感及び頸部痛・項部・後頭部痛0.7%(2例/272例)であった
6)。
注)本剤の承認された用法及び用量はメナテトレノンとして1日45mgである。
17.1.2 国内臨床試験(二次性骨粗鬆症)
腎性骨異栄養症、アルコール性骨減少症及びステロイド性骨減少症を含む二次性骨粗鬆症における効果は中等度改善以上で30.9%(17例/55例)、軽度改善以上では60.0%(33例/55例)であった。
18.1 作用機序
メナテトレノンは骨芽細胞に直接作用し、骨基質蛋白質であるオステオカルシンのγ-カルボキシグルタミン酸残基を生成(Gla化)すると共に、骨形成を促進することにより骨代謝回転を高める。同時に骨吸収を抑制し、骨粗鬆症の骨代謝の不均衡を改善し、骨量の維持作用を示す。
18.2 実験的骨粗鬆症に対する改善作用
18.2.1 40週齢のラットの両側卵巣を摘除し、低カルシウム飼料で3カ月間飼育することにより骨粗鬆症病態を作製した後、メナテトレノンの30及び100mg/kg/日を6カ月間経口投与すると大腿骨の破断強度、骨中カルシウム量及びハイドロキシプロリン量の低下が抑制された。また卵巣摘除と同時にメナテトレノンの3及び30mg/kg/日の経口投与を開始し、6カ月間継続すると、骨破断強度、骨幹部中カルシウム量及びハイドロキシプロリン量の低下が抑制された
7)。
18.2.2 13週齢のラットの両側卵巣を摘除し、メナテトレノンの30mg/kg/日を8週間投与すると、海綿骨骨梁における三次元構造の連結性の減少が抑制された
8)。
18.2.3 ラットにおける副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン10mg/kg/日、週3回)の4週間筋注後にみられる骨破断強度及び骨中カルシウム量の低下はメナテトレノンの21mg/kg/日の4週間経口投与により抑制された
9)。
18.3 骨形成促進作用
ヒト骨芽細胞培養系において、メナテトレノン2.25×10
−6mol/Lは単独及び1,25(OH)
2D
3との共存下で石灰化を促進した。また細胞層中のオステオカルシン量も1,25(OH)
2D
3の共存下で増加した
10)11)。
18.4 骨吸収抑制作用
マウス頭頂骨の器官培養系において、メナテトレノンはIL-1α,PGE
2,PTH及び1,25(OH)
2D
3により惹起される骨吸収を3×10
−6〜3×10
−5mol/Lの濃度で抑制した。また、マウス骨髄細胞培養系において、メナテトレノンは1,25(OH)
2D
3による破骨細胞の分化誘導を3×10
−6〜1×10
−5mol/Lの濃度で抑制した
12)13)。
18.5 血清オステオカルシン濃度に対する作用
骨粗鬆症患者120名に対し、メナテトレノン45mg/日を2年間投与したところ、血清オステオカルシン濃度は上昇し、非カルボキシル化オステオカルシン濃度は低値を示した
14)。
20.1 PTP包装はアルミ袋開封後、バラ包装は開栓後、高温・湿気を避けて保存すること。カプセル皮膜の軟化・変色及びPTPへのはりつきが起こることがある。
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
210カプセル[21カプセル(PTP)×10]
500カプセル[ボトル、バラ、乾燥剤容器付きキャップ]
1,000カプセル[10カプセル(PTP)×100]
2,100カプセル[21カプセル(PTP)×100]