医療用医薬品 : プロトゲン

List   Top

医薬品情報


総称名 プロトゲン
一般名 ジアフェニルスルホン
欧文一般名 Diaphenylsulfone,Dapsone
製剤名 ジアフェニルスルホン錠
薬効分類番号 6231
ATCコード J04BA02
KEGG DRUG
D00592 ジアフェニルスルホン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2021年2月 改訂(第1版 D33)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
25mgプロトゲン錠 PROTOGEN TABLETS 田辺三菱製薬 623100AF1025 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤及び類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

<適応菌種>
<適応症>

6. 用法及び用量

ジアフェニルスルホンとして、通常、成人1日75〜100mgを経口投与する。原則として、他剤と併用して使用すること。なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の投与により薬剤性過敏症症候群、溶血性貧血等の重篤な副作用があらわれることがあり、これらの副作用は投与量が増加すると発生頻度が高まることが報告されているので、使用にあたっては用法及び用量、使用上の注意に十分注意すること。また、症状の改善がみられない場合は投与を中止すること。[9.1.111.1.111.1.2参照]
8.2 本剤投与中は定期的に血液及び尿検査を行うこと。[9.1.111.1.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血液障害のある患者
血液障害を悪化させるおそれがある。[8.18.211.1.2参照]
9.1.2 グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症のある患者
溶血を起こすおそれがある。
9.1.3 糖尿病性ケトーシスの患者
溶血を起こすおそれがある。
9.1.4 糖尿病の患者
本剤服用中は、血糖コントロールにあたり、ヘモグロビンA1c以外の検査値の推移に十分注意すること。[12.参照]
9.2 腎機能障害患者
溶血を起こすおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
副作用として肝障害が報告されており、悪化させることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。外国において、ヒト母乳中への移行と哺乳中の児の溶血性貧血が報告されている1)
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
リファンピシン本剤の作用が減弱することがある。リファンピシンが肝の薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進して血中濃度を低下させると考えられている。
プロベネシド本剤の尿中排泄が阻害されることがある。プロベネシドによる本剤の尿細管排泄阻害が考えられる。
メトトレキサート血液障害があらわれることがある。両剤ともに葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられる。
スルファドキシン・ピリメタミン配合剤血液障害があらわれることがある。両剤ともに葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられる。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤(ST合剤)血液障害があらわれることがある。両剤ともに葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられる。
なお、トリメトプリムとの併用において両剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 薬剤性過敏症症候群(0.1〜5%未満)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること2)。[8.1参照]
11.1.2 血液障害
無顆粒球症、溶血性貧血、白血球減少症、血小板減少(いずれも0.1〜5%未満)、再生不良性貧血、汎血球減少症、メトヘモグロビン血症、巨赤芽球性貧血(いずれも0.1%未満)があらわれることがある。[8.18.29.1.1参照]
11.1.3 SLE様症状(0.1%未満)
11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
11.1.5 好酸球性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線検査、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 ネフローゼ症候群、腎乳頭壊死(いずれも0.1%未満)
注)発現頻度は、再評価の結果を含む。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
肝臓黄疸、AST、ALT、ALP、γ-GTP、LDHの上昇等の肝障害 
過敏症 発疹
精神神経系 うつ状態、頭痛、めまい
 視神経萎縮、霧視
消化器悪心・嘔吐腹痛、食欲不振
その他発熱頻脈、耳鳴、リンパ節腫脹、血尿、低アルブミン血症、好酸球増多、末梢神経障害

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤により、ヘモグロビンA1cが偽低値を示すことがある3)。[9.1.4参照]

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報
ジアフェニルスルホンをラットに長期間経口投与(臨床用量の約9〜18倍、20ヵ月間)したところ、雄に脾腫瘍及び腹膜腫瘍の発生増加が認められたとの報告がある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人5例に本剤100mgを単回経口投与した結果、投与後2〜3時間後に最高血漿中濃度に達し、t1/2は21.7±5.7時間であった4)(外国人のデータ)。
tmax(h)Cmax(μg/mL)t1/2(h)AUC0-∞(μg・h/mL)Vd(L/kg)注)
2.5±0.51.63±0.4721.7±5.750.0±22.30.98±0.12
16.2 吸収
健康成人5例に本剤100mgを単回経口投与した結果、バイオアベイラビリティ(平均値±SD)は93.4±7.1%であり、良好であった4)(外国人のデータ)。
16.3 分布
血漿中蛋白結合率は73.9%であった(500〜2000ng/mL濃度時)5)(in vitro)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
サルファ剤と同様の抗菌スペクトルを持ち、葉酸合成の過程でパラアミノ安息香酸と競合して静菌的に作用することから、サルファ剤とほぼ同じ作用機序によると考えられる6)7)
18.2 M.lepraeに対する抗菌作用
マウスを用いた実験で、M.lepraeの増殖に対して阻止作用が認められている。
また、ジアフェニルスルホンのM.lepraeに対する作用は静菌的である8)9)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ジアフェニルスルホン

一般的名称 ジアフェニルスルホン
一般的名称(欧名) Diaphenylsulfone,Dapsone
化学名 4,4'-Diaminodiphenyl sulfone(DDS)
分子式 C12H12N2O2S
分子量 248.30
融点 177〜181℃
物理化学的性状 白色〜微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。アセトニトリルに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に暗色となる。
KEGG DRUG D00592

20. 取扱い上の注意

ボトル開封後は遮光保存すること。

22. 包装

1,000錠[ボトル(バラ)]

23. 主要文献

  1. Sanders SW,et al., Ann Intern Med., 96 (4), 465-466, (1982) »PubMed
  2. 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
  3. Gallagher EJ,et al., J Diabetes., 1 (1), 9-17, (2009) »PubMed
  4. Pieters FA,et al., Int J Clin Pharmacol Ther Toxicol., 25 (7), 396-400, (1987) »PubMed
  5. Ahmad RA,et al., Eur J Pharmacol., 17 (2), 129-133, (1980)
  6. McEvoy GK,et al., AHFS Drug Information 1999 American Society of Health-System Pharmacists., 731-735, (1999)
  7. Brayfield A, Martindale The complete drug reference 38th ed., 281-284, (2014), (Pharmaceutical Press)
  8. Shepard CC,et al., Am J Trop Med Hyg., 17 (5), 769-775, (1968) »PubMed
  9. Shepard CC,et al., Bull World Health Organ., 53 (4), 425-433, (1976)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話:0120-753-280
製品情報問い合わせ先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話:0120-753-280

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版