医療用医薬品 : ヨードホルムガーゼ

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医薬品情報


総称名 ヨードホルムガーゼ
一般名 ヨードホルム
欧文一般名 Iodoform
薬効分類名 外皮用殺菌消毒剤
薬効分類番号 2612
ATCコード D09AA13
KEGG DRUG
D01910 ヨードホルム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
タマガワヨードホルムガーゼ 玉川衛材 261270BS1023

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 ヨード過敏症の患者[8.19.1.1参照]
2.2 腎障害のある患者[9.2参照]
2.3 心障害のある患者[13.参照]

4. 効能または効果

創傷・潰瘍の殺菌・消毒

6. 用法及び用量

消毒性包帯材料として用いる。

8. 重要な基本的注意

8.1 ショック等の反応を予測するため、使用に際してヨウ素製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無については十分な問診を行うこと。[2.19.1.1参照]
8.2 ヨード中毒を起こすことがあるので、血中総ヨウ素濃度の測定を行うなど、十分な観察を行うこと。[11.1.1参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者(ただし、ヨード過敏症の患者には投与しないこと)2.18.1参照]
9.1.2 甲状腺機能に異常のある患者
ヨードホルムの使用により血中ヨウ素値の調節ができず、甲状腺ホルモン関連物質に影響を与える可能性がある。[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
使用しないこと。本剤の主たる排泄臓器は腎臓であり、腎機能低下患者では血中総ヨウ素濃度が著しく上昇することがある。[2.2参照]
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、新生児に一過性の甲状腺機能低下を起こしたとの報告がある。1)

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ヨード中毒(頻度不明)
以下のような症状を起こすことがあるので、異常が認められた場合には使用を中止し、十分洗浄して適切な処置を行うこと。2)3)4)5)6)7)8)9)8.29.1.213参照]
・精神神経系:興奮、せん妄、不穏、見当識障害、記憶障害、抑うつ、昏睡、失神、傾眠、不眠(睡眠障害)等
・消化器:食欲不振等
・その他:頭痛、全身倦怠感、頻脈等
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1%未満
過敏症そう痒感、ヨード疹、蕁麻疹様発疹、紅斑、丘疹、水疱等
皮膚灼熱感等

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

血漿たん白結合ヨード(PBI)及び甲状腺放射性ヨード摂取率の検査値に影響を及ぼすことがある。

13. 過量投与

ヨードホルム1回4g局所に塗布した例で、ヨード中毒及び心筋の変性による心臓衰弱のため死亡したとの報告がある。2)3)2.311.1.1参照]

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 目に接触しないように注意すること。接触した場合は、水でよく洗い流すこと。
14.1.2 長期間又は広範囲に使用しないこと。
14.1.3 ヨードホルムの結晶が析出している場合は、使用しないこと。
14.1.4 石けん類は、本品の殺菌作用を弱めるので、石けん成分を洗い落としてから使用すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
本剤はヨウ素含有製剤であるので多量使用及び長期連用時には甲状腺機能の変動に注意すること。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ヨードホルムそのものには殺菌作用を有しないが、創傷・潰瘍から出る血液や分泌液に溶け、徐々に分解してヨウ素を遊離することにより殺菌作用をあらわす。
18.2 殺菌作用
医療ガーゼを対照にして寒天平板法によりE.coli NBRC 3806を試験菌として抗菌力を比較すると、本剤に細菌増殖阻止能力を有することを認めた。また、液体培養法においても上記寒天平板法とほぼ同時に本剤が抗菌活性を有することが認められた。(in vitro)10)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ヨードホルム

一般的名称 ヨードホルム
一般的名称(欧名) Iodoform
化学名 Triiodomethane
分子式 CHI3
分子量 393.73
融点 120℃(分解)
物理化学的性状 ヨードホルムは黄色の結晶又は結晶性の粉末で特殊なにおいがある。ジエチルエーテルに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。常温でわずかに揮散する。
KEGG DRUG D01910

20. 取扱い上の注意

20.1 使用後は必ず密栓の上、チャック付アルミ袋に戻し、封をして保管すること。
20.2 開封後、ヨードホルムの揮散によって、白くなることがあるが他のヨウ素製剤等加えないこと。

22. 包装

<タマガワヨードホルムガーゼ 30cm×30cm>
15枚[褐色ガラス瓶、バラ]
<タマガワヨードホルムガーゼ 30cm×5m>
1枚[褐色ガラス瓶]

23. 主要文献

  1. Anita L' Italien.,et al., J.Pediatr Endocrinol Metab., 17, 665-667, (2004)
  2. The U.S.Disp.& Physicians' Pharmacol., 26, 617, (1967)
  3. The U.S.Dispensatory., 27, 629, (1973)
  4. 原 富英ほか, 精神医学, 32 (10), 1125-1126, (1990)
  5. 笠原 友幸ほか, 精神医学, 34 (4), 409-416, (1992)
  6. 久保田 昭彦ほか, 神経内科, 42 (1), 73-75, (1995)
  7. 湯浅 洋司ほか, 日立医誌, 35 (1), 25-27, (1998)
  8. 大村 在幸ほか, 同愛医学雑誌, 22 (1), 57-59, (2002)
  9. 林 祐司ほか, 日形会誌, 24 (3), 184-188, (2004)
  10. 坂上 吉一ほか, 大阪府立公衛研所報, 22, 31-34, (1988)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
玉川衛材株式会社 お客様相談窓口
〒102-0071 東京都千代田区富士見1丁目8番19号
電話:03-4334-8857
製品情報問い合わせ先
玉川衛材株式会社 お客様相談窓口
〒102-0071 東京都千代田区富士見1丁目8番19号
電話:03-4334-8857

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
玉川衛材株式会社
〒102-0071 東京都千代田区富士見1丁目8番19号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版