医療用医薬品 : スターシス

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医薬品情報


総称名 スターシス
一般名 ナテグリニド
欧文一般名 Nateglinide
薬効分類名 速効型食後血糖降下剤
薬効分類番号 3969
ATCコード A10BX03
KEGG DRUG D01111 ナテグリニド
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
スターシス錠30mg Starsis Tablets 30mg アステラス製薬 3969006F1020 16円/錠 処方箋医薬品
スターシス錠90mg Starsis Tablets 90mg アステラス製薬 3969006F2026 40.1円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]

透析を必要とするような重篤な腎機能障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。]

重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等ヘの投与」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能効果

2型糖尿病における食後血糖推移の改善
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。

食事療法・運動療法のみ

食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用

食事療法・運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用

食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用

効能効果に関連する使用上の注意

糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、老人性糖代謝異常、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。

糖尿病治療の基本である食事療法・運動療法のみを行っている患者では、投与の際、空腹時血糖が120mg/dL以上、又は食後血糖1又は2時間値が200mg/dL以上の患者に限る。

食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用している患者では、投与の際の空腹時血糖値は140mg/dL以上を目安とする。

用法用量

通常、成人にはナテグリニドとして1回90mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を120mgまで増量することができる。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は、食後投与では速やかな吸収が得られず効果が減弱する。効果的に食後の血糖上昇を抑制するため、本剤の投与は毎食前10分以内(食直前)とすること。また、本剤は投与後、速やかに薬効を発現するため、食前30分投与では食事開始前に低血糖を誘発する可能性がある。

使用上の注意

慎重投与

肝機能障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。また、肝機能障害のある患者においては肝機能障害を悪化させるおそれがある。]

腎機能障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。低用量から開始するなど投与量に十分に注意し、慎重に観察しながら投与すること。]

次に掲げる患者又は状態

虚血性心疾患のある患者[外国において本剤投与例に心筋虚血の悪化によると思われる心筋梗塞を発症した症例が報告されている。(「副作用」の項参照)]

脳下垂体機能不全又は副腎機能不全[低血糖を起こすおそれがある。]

下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。]

栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態[低血糖を起こすおそれがある。]

激しい筋肉運動[低血糖を起こすおそれがある。]

過度のアルコール摂取者[低血糖を起こすおそれがある。]

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

本剤は、速やかなインスリン分泌促進作用を有する。その作用点はスルホニルウレア系薬剤と同じであり、スルホニルウレア系薬剤との相加・相乗の臨床効果及び安全性が確認されていないので、スルホニルウレア系薬剤とは併用しないこと。(「薬効薬理」の項参照)

本剤の服用後、低血糖及び低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与すること。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)との併用により低血糖症状が認められた場合には、α-グルコシダーゼ阻害剤が二糖類の消化・吸収を遅延するので、ショ糖ではなくブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。

本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、本剤を2〜3カ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合(静脈血漿で食後血糖2時間値が200mg/dL以下にコントロールできないなど)には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。

投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意すること。

肝機能障害の悪化があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

本剤とピオグリタゾン塩酸塩1日45mgの併用における安全性は確立していない。(使用経験はほとんどない。)

相互作用

相互作用序文

本剤は、主として薬物代謝酵素CYP2C9で代謝される。

薬物代謝酵素用語

CYP2C9

併用注意

インスリン製剤
ビグアナイド系薬剤
メトホルミン塩酸塩

α-グルコシダーゼ阻害剤
アカルボース
ボグリボース

チアゾリジン系薬剤
ピオグリタゾン塩酸塩注)
DPP-4阻害剤
シタグリプチンリン酸塩水和物

GLP-1受容体作動薬
リラグルチド

SGLT2阻害剤
イプラグリフロジン L-プロリン
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。作用機序が異なる薬理作用の相加作用による血糖降下作用の増強による。
アルドース還元酵素阻害剤
エパルレスタット
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。in vitro試験結果から、エパルレスタットとの併用により、本剤の血漿中濃度が最大で1.5倍に上昇する可能性が報告されている。
ピラゾロン系消炎剤
スルピリン水和物
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。血中蛋白との結合抑制、腎排泄抑制、肝代謝抑制による。
サリチル酸製剤
アスピリン
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。血中蛋白との結合抑制、サリチル酸製剤の血糖降下作用による。
フィブラート系薬剤
クロフィブラート
ベザフィブラート
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制による。
ミコナゾール・フルコナゾール・ホスフルコナゾール低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制による。
プロベネシド低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。腎排泄抑制による。
クマリン系薬剤
ワルファリンカリウム
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。肝代謝抑制による。
サルファ剤
スルファメトキサゾール
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制による。
クロラムフェニコール低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。肝代謝抑制による。
β-遮断剤
プロプラノロール塩酸塩

モノアミン酸化酵素阻害剤
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。肝における糖新生の抑制及び末梢におけるインスリン感受性の増強により血糖が低下する。
タンパク同化ホルモン剤低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。タンパク同化ホルモン剤が糖尿病患者のみに起こる血糖降下作用に加えて代謝抑制・排泄遅延説がある。
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン塩酸塩
ミノサイクリン塩酸塩
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。インスリン感受性促進による。
アドレナリン経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。
末梢でのグルコースの取り込み抑制及び肝での糖新生の促進により、血糖値を上昇させる。
副腎皮質ホルモン
メチルプレドニゾロン
経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。
肝での糖新生促進、末梢組織でのインスリン感受性低下による。
ニコチン酸経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。
肝でのブドウ糖の同化抑制による。
卵胞ホルモン
エチニルエストラジオール
経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。
機序不明
コルチゾール分泌変化、組織での糖利用変化、成長ホルモンの過剰産生、肝機能の変化等が考えられる。
イソニアジド経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。
糖質代謝の障害による血糖値上昇及び耐糖能異常による。
ピラジナミド経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。
機序不明
血糖値のコントロールが難しいとの報告がある。
フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン塩酸塩
経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。
インスリン遊離抑制、副腎からのアドレナリン遊離による。
利尿剤
チアジド系
クロルタリドン
経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。
血清カリウムの低下、インスリンの分泌障害、組織におけるインスリンの感受性低下による。
フェニトイン経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。
インスリン分泌を直接抑制する。
甲状腺ホルモン
乾燥甲状腺
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する。血糖コントロール条件が変わることがある。

副作用

副作用発現状況の概要

承認時までに実施された臨床試験の総症例883例中157例(17.8%)に、市販後の使用成績調査では4,142例中290例(7.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められている。(再審査結果通知:2009年3月)

以下の副作用は、上記の試験・調査あるいは自発報告等で認められたものである。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

低血糖(0.1〜5%未満)

低血糖及び低血糖症状(空腹感、冷汗、めまい、ふらつき、動悸、脱力感、気分不良、ふるえ、意識消失等)があらわれることがある。本剤の投与により低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)との併用により低血糖症状が認められた場合はブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。

肝機能障害、黄疸(各0.1%未満)

重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

心筋梗塞(頻度不明)

外国において本剤投与例に心筋梗塞の発症が報告されているので、投与に際しては観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

突然死(頻度不明)

外国において本剤投与例に原因不明の突然死が報告されている。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
代謝乳酸上昇、ピルビン酸上昇、尿酸上昇、血清カリウム上昇  
消化器嘔気、放屁増加、腹部膨満感、胃もたれ感、腹痛、便秘、下痢嘔吐、軟便舌炎、口内炎、口渇
過敏症注)発疹、そう痒感蕁麻疹、多形紅斑 
肝臓肝機能異常(γ-GTP上昇、LDH上昇、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等)  
腎臓腎機能障害  
血液貧血、白血球減少、血小板減少  
その他頭痛、動悸、めまい、倦怠感、体重増加、浮腫(顔面、下肢等)胸部圧迫感、味覚異常、眠気、頻尿、ほてり、熱感勃起障害、筋痙攣、かすみ目
注)発現した場合には、投与を中止すること。

高齢者への投与

低用量(例えば1回量60mg)から投与を開始するとともに、血糖値に留意するなど、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。[一般に高齢者では生理機能が低下している。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[本剤は動物実験で胎盤通過(ラット)、また、催奇形性作用(ウサギ)が認められている。]

授乳婦

授乳中の婦人には授乳を避けさせること。[本剤は動物実験(ラット)で母乳へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

薬物動態

血漿中濃度

健康成人男子(n=6)に空腹時ナテグリニド20、40、60mgを経口投与したとき、投与後0.9〜1.8時間で最高値に達し、半減期は1.1〜1.3時間であった。また、食前に60mgを経口投与したとき、投与後約0.5時間で最高値に達し、半減期は約1時間であった[1][2]

(注)本剤の承認された1回用量は90mg(効果不十分な場合は120mgまで)である。

投与量Tmax(h)Cmax(μg/mL)t1/2(h)
20mg1.311.521.16
40mg1.753.131.12
60mg0.924.681.27

図1 健康成人男子における空腹時投与の用量別血漿中ナテグリニド濃度

図2 健康成人男子における食事の影響

ビグアナイド系薬剤併用時の血漿中濃度

メトホルミン塩酸塩使用中の2型糖尿病患者にナテグリニドを1回60mg、90mg又は120mg1日3回毎食直前12週間経口投与したときの血漿中濃度は、ナテグリニドを単独で同量、単回投与した結果とそれぞれ近似していた[3][4]
また、メトホルミン塩酸塩の薬物動態に大きな影響はなかった(外国人データを含む)[3][5]

(注)本剤の承認された1回用量は90mg(効果不十分な場合は120mgまで)である。

チアゾリジン系薬剤併用時の血中濃度

ピオグリタゾン塩酸塩使用中の2型糖尿病患者に、ナテグリニドを朝食直前に120mg単回経口投与したときの血漿中濃度は、ナテグリニドを単独で同用量単回投与したときの結果と近似していた。また、ピオグリタゾン塩酸塩の未変化体及び活性化合物合計の血清中濃度に対し、本剤併用による影響はなかった[6]

(注)本剤の承認された1回用量は90mg(効果不十分な場合は120mgまで)である。

代謝、排泄

健康成人男子にナテグリニド60mgを経口投与したとき、血漿中のナテグリニドの代謝物としてイソプロピル基の水酸化体が最も多く、次いでイソプロピル基の脱水素体が認められ、他の代謝物は検出されなかった。また、尿中にはイソプロピル基の水酸化体が主として排泄され(投与量の約40%)、未変化体の尿中排泄率は約5%であった。一方、動物に放射能標識したナテグリニドを投与したとき、投与した放射能の30〜40%が尿中に、50〜60%が胆汁中に排泄された。
ナテグリニドは、動物において肝臓及び腎臓で代謝されること、また、ヒトにおいては主として肝臓の薬物代謝酵素CYP2C9で代謝されることが、in vitro試験により確認されている。

臨床成績

2型糖尿病患者を対象に、1回90mg、1日3回毎食直前12週間経口投与した二重盲検比較試験において、食後血糖2時間値は投与前234.4mg/dLから投与後185.9mg/dLに低下した(低下量平均:48.5mg/dL)。また、HbA1c(JDS)値は投与前7.36%から投与後6.68%に低下した(低下量平均:0.69%)[7]
更に、1年間の長期投与試験では効果の持続が確認され、安定した血糖コントロールが得られている[8][9]

α-グルコシダーゼ阻害剤で治療中の2型糖尿病患者を対象に、1日3回毎食直前10週間経口投与した併用試験において、食後血糖2時間値は併用投与前215.4mg/dLから併用投与後158.9mg/dLに低下した(低下量平均:56.5mg/dL)。また、HbA1c(JDS)値は併用投与前7.14%から併用投与後6.50%に低下した(低下量平均:0.63%)[10]

ビグアナイド系薬剤で治療中の2型糖尿病患者を対象に、1回90mg、1日3回毎食直前12週間経口投与した二重盲検併用試験において、食後血糖2時間値は併用投与前252.6mg/dLから併用投与後179.2mg/dLに低下した(低下量平均:73.5mg/dL)。また、HbA1c(JDS)値は併用投与前7.52%から併用投与後6.73%に低下した(低下量平均:0.76%)[3][11]
更に、1年間の長期投与試験では効果の持続が確認され、安定した食後血糖推移の改善効果が得られている[12]

チアゾリジン系薬剤(ピオグリタゾン塩酸塩)で治療中の2型糖尿病患者を対象に、1回90mgを1日3回毎食直前24週間経口投与した二重盲検併用試験において、食後血糖2時間値は併用投与前254.6mg/dLから併用投与後201.9mg/dLに低下した(低下量平均:48.0mg/dL)。また、HbA1c(JDS)値は併用投与前7.41%から併用投与後6.94%に低下した(低下量平均:0.47%)[13][14]
更に、1年間の長期投与試験では効果の持続が確認され、安定した血糖コントロールが得られている[15]

薬効薬理

血糖上昇抑制作用

健康成人男子6例に60mgを1日3回、毎食前に7日間経口投与した場合、毎食後の早期のインスリン分泌を促進し、血糖上昇を抑制する[16]

非肥満型2型糖尿病モデル動物のGKラット及び新生児ストレプトゾトシン誘発(nSTZ)糖尿病モデルラットにナテグリニドを経口投与すると、障害されたインスリン分泌応答と耐糖能を改善する(in vivo)[17][18]

正常ラットにナテグリニドを経口投与すると、各種糖質(グルコース、スクロース、スターチ、ラクトース及び混合糖液)経口負荷後の血糖上昇を抑制し、投与後2時間以内に対照値に復する(in vivo)[19]

正常ラットにナテグリニドを経口投与すると、スクロース経口負荷後15〜30分の早期インスリン分泌を促進する(in vivo)[19]

作用機序

ナテグリニドは膵β細胞を剌激し、インスリンの分泌を促進する(in vitro)[20]

有効成分に関する理化学的知見

一般名ナテグリニド
一般名(欧名)Nateglinide
化学名N-[trans-4-(1-Methylethyl)cyclohexanecarbonyl)-D-phenylalanine
分子式C19H27NO3
分子量317.42
性状ナテグリニドは白色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。希水酸化ナトリウム試液に溶ける。結晶多形が認められる。
KEGG DRUGD01111

包装

錠30mg

100錠(10錠×10)、210錠(21錠×10)、500錠(10錠×50)

錠90mg

100錠(10錠×10)、210錠(21錠×10)、500錠(10錠×50)、1,050錠(21錠×50)

主要文献


1. 小坂樹徳 他,  薬理と臨床,  7 (5),  585,  (1997)
2. 小坂樹徳 他,  薬理と臨床,  7 (5),  615,  (1997)
3. 菊池方利 他,  臨床医薬,  24 (8),  717,  (2008)
4. 小坂樹徳 他,  薬理と臨床,  7 (5),  653,  (1997)
5. Hirschberg,Y.et al.,  Diabetes Care,  23 (3),  349,  (2000) »PubMed
6. 江藤 隆 他,  臨床医薬,  25 (1),  77,  (2009)
7. 小坂樹徳 他,  薬理と臨床,  7 (5),  699,  (1997)
8. 小坂樹徳 他,  薬理と臨床,  7 (5),  797,  (1997)
9. 葛谷 健 他,  薬理と臨床,  7 (5),  819,  (1997)
10. 垂井清一郎 他,  薬理と臨床,  7 (5),  767,  (1997)
11. 味の素製薬(株)社内資料(2型糖尿病患者・第II相二重盲検群間比較試験−補足資料)(DIR080168)
12. 菊池方利 他,  臨床医薬,  24 (8),  741,  (2008)
13. 菊池方利 他,  臨床医薬,  25 (1),  35,  (2009)
14. 社内報告書(2型糖尿病患者・第II/III相二重盲検群間比較試験−補足資料)(DIR090097)
15. 菊池方利,  臨床医薬,  25 (1),  57,  (2009)
16. 小坂樹徳 他,  薬理と臨床,  7 (5),  601,  (1997)
17. 味の素製薬(株)社内資料(自然発症糖尿病モデルGKラット・薬理作用)(DIR070095)
18. 秋吉 恵 他,  基礎と臨床,  31 (5),  1725,  (1997)
19. Ikenoue,T.et al.,  Biol.Pharm.Bull.,  20 (4),  354,  (1997) »PubMed
20. Ikenoue,T.et al.,  Br.J.Pharmacol.,  120 (1),  137,  (1997) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2014年4月 改訂
2015年8月 第20版 改訂

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アステラス製薬株式会社
103-8411
東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号
0120-189-371

業態及び業者名等

製造販売
アステラス製薬株式会社
東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/10/1 版