医療用医薬品 : プロトピック

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医薬品情報


総称名 プロトピック
一般名 タクロリムス水和物
欧文一般名 Tacrolimus Hydrate
製剤名 タクロリムス水和物軟膏
薬効分類名 アトピー性皮膚炎治療剤
薬効分類番号 2699
ATCコード D11AH01
KEGG DRUG D00107 タクロリムス水和物
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 原則禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
プロトピック軟膏0.1% Protopic Ointment 0.1% マルホ 2699709M1028 107.8円/g 劇薬 , 処方箋医薬品

警告

本剤の使用は、アトピー性皮膚炎の治療法に精通している医師のもとで行うこと。

マウス塗布がん原性試験において、高い血中濃度の持続に基づくリンパ腫の増加が認められている。また、本剤使用例において関連性は明らかではないが、リンパ腫、皮膚がんの発現が報告されている。本剤の使用にあたっては、これらの情報を患者に対して説明し、理解したことを確認した上で使用すること。

潰瘍、明らかに局面を形成している糜爛に使用する場合には、血中濃度が高くなり、腎障害等の副作用が発現する可能性があるので、あらかじめ処置を行い、潰瘍、明らかに局面を形成している糜爛の改善を確認した後、本剤の使用を開始すること。

禁忌

次の場合には使用しないこと

潰瘍、明らかに局面を形成している糜爛への使用(「警告」の項参照)

高度の腎障害、高度の高カリウム血症のある患者〔腎障害、高カリウム血症が増悪する可能性がある。〕

魚鱗癬様紅皮症を呈する疾患(Netherton症候群等)の患者〔経皮吸収が高く、本剤の血中濃度が高くなり、腎障害等の副作用が発現する可能性がある。〕

小児等(「小児等への使用」の項参照)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

PUVA療法等の紫外線療法を実施中の患者(「その他の注意」の項の(1)参照)

原則禁忌

次の場合には使用しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に使用すること

皮膚感染症を伴う患者〔皮膚感染症が増悪するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能効果
効能効果に関連する使用上の注意

ステロイド外用剤等の既存療法では効果が不十分又は副作用によりこれらの投与ができないなど、本剤による治療がより適切と考えられる場合に使用する。

用法用量

通常、成人には1日1〜2回、適量を患部に塗布する。なお、1回あたりの塗布量は5gまでとする。

用法用量に関連する使用上の注意

皮疹の増悪期には角質層のバリア機能が低下し、血中濃度が高くなる可能性があるので、本剤の使用にもかかわらず2週間以内に皮疹の改善が認められない場合には使用を中止すること。また、皮疹の悪化をみる場合にも使用を中止すること。

症状改善により本剤塗布の必要がなくなった場合は、速やかに塗布を中止し、漫然と長期にわたって使用しないこと。

密封法及び重層法での臨床使用経験はないので、密封法及び重層法は行わないこと。

1日2回塗布する場合はおよそ12時間間隔で塗布すること。

使用上の注意

慎重投与

腎障害、高カリウム血症のある患者〔腎障害、高カリウム血症が増悪する可能性がある。〕

高度の肝障害のある患者〔薬物代謝能が低下し、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。〕

全身に皮疹を認める紅皮症のある患者〔経皮吸収が高く、広範囲の使用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。〕

重要な基本的注意

重度の皮疹もしくは塗布面積が広範囲にわたる場合は、血中濃度が高くなる可能性があるので、本剤使用開始の2〜4週間後に1回、その後は必要に応じて適宜腎機能検査を行い、異常が認められた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。

本剤使用時は日光への曝露を最小限にとどめること。また、日焼けランプ/紫外線ランプの使用を避けること。(「その他の注意」の項の(1)参照)

2年以上の長期使用時の局所免疫抑制作用(結果として、感染症を増加させたり、皮膚がんの誘因となる可能性がある)については、臨床試験成績がなく不明である。

皮膚感染症を伴うアトピー性皮膚炎患者には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する場合には、感染部位を避けて使用するか、又はあらかじめ適切な抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤による治療を行う、もしくはこれらとの併用を考慮すること。

使用後、一過性に皮膚刺激感(灼熱感、ほてり感、疼痛、そう痒感等)が高頻度に認められるが、通常、皮疹の改善とともに発現しなくなるので、皮膚刺激感があることについて患者に十分説明すること。

相互作用

併用禁忌

本剤使用中にPUVA療法等の紫外線療法を行わないこと。(「その他の注意」の項の(1)参照)

副作用

副作用発現状況の概要

承認時までの臨床試験では、成人1,230例中819例(66.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は熱感545例(44.3%)、疼痛290例(23.6%)、そう痒感117例(9.5%)、毛嚢炎77例(6.3%)、ざ瘡48例(3.9%)、カポジ水痘様発疹症26例(2.1%)、単純疱疹19例(1.5%)であった。
市販後の調査では、5,383例中1,637例(30.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は疼痛750例(13.9%)、熱感637例(11.8%)、そう痒感182例(3.4%)、ざ瘡118例(2.2%)、毛嚢炎71例(1.3%)、カポジ水痘様発疹症65例(1.2%)、単純疱疹62例(1.2%)であった。(再審査結果通知:2010年10月)

その他の副作用

 5%以上0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
適用部位の皮膚刺激感注1) 熱感(灼熱感、ほてり感等)(17.8%)、疼痛(ヒリヒリ感、しみる等)(16.8%)そう痒感  
皮膚感染症注2)  細菌性感染症(毛嚢炎、伝染性膿痂疹等)、ウイルス性感染症(単純疱疹、カポジ水痘様発疹症等)、真菌性感染症(白癬等)  
その他の皮膚症状注3)  ざ瘡、ざ瘡様皮疹、丘疹、皮膚乾燥、接触性皮膚炎、紅斑 酒さ様皮膚炎、適用部位浮腫
皮膚以外の症状  皮膚以外の感染症(上気道炎、リンパ節炎等)注4)、頭痛、頭重感 
副作用の頻度は、承認時までの臨床試験(成人1,230例、小児356例)及び市販後の調査(5,383例)の成績を合算して算出している。注1)刺激感は入浴時に増強することがある。通常、塗布後一過性に発現し、皮疹の改善とともに発現しなくなるが、ときに使用期間中持続することがある。高度の刺激感が持続する場合は、休薬もしくは中止すること。注2)このような症状があらわれた場合には、適切な抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、本剤の使用を中止すること。注3)このような症状があらわれた場合には、その部位への使用を中止すること。注4)皮膚以外の感染症が発現し、遷延する場合には本剤の使用を中止すること。

高齢者への使用

一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への使用

妊婦等

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。〔動物実験(ウサギ、経口投与)で催奇形作用、胎児毒性が認められたとの報告がある[1]。ヒト(経口投与)で胎盤を通過することが報告されている[2]。〕

授乳婦

母乳中へ移行する可能性があるので使用中の授乳は避けさせること。

小児等への使用

低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児では使用経験がなく安全性は確立しておらず、2歳以上の小児等ではより低濃度の小児用製剤でも有効性が認められているので、血中濃度上昇により副作用が発現する可能性を考慮し、小児等では本剤を使用しないこと。

適用上の注意

適用部位

皮膚以外の部位(粘膜等)及び外陰部には使用しないこと。また、眼の周囲に使用する場合には眼に入らないように注意すること。万一、眼に入った場合には刺激感を認めることがあるので直ちに水で洗い流すこと。また、洗い流した後にも刺激感が持続する場合は、医療機関を受診し治療を受けるよう指導すること。

その他の注意

アルビノ無毛マウスに40週間にわたりUVA及びUVBを照射し、その後12週間無処置期間を設けて観察すると試験動物のすべてに皮膚腫瘍が発生するが、この試験系において紫外線照射と並行して本剤を塗布すると皮膚腫瘍の発生時期が早まることが示されている。

マウス塗布がん原性試験で高い血中濃度の持続に基づいたリンパ腫の増加が認められた。

ラット(1.0〜3.0mg/kg、皮下投与)で、精子数の減少及び精子運動能の低下が、また高用量群では繁殖能の軽度低下が認められた。

薬物動態

血中濃度

単回塗布[3]

成人アトピー性皮膚炎患者各3例に本剤をそれぞれ1.25g、5g、10g単回塗布し、72時間後までに経時的に血中濃度を測定したところ、いずれも塗布後6時間までに最高血中濃度に達し、その平均値はそれぞれ0.4、1.0及び7.5ng/mLであった。

反復塗布[3]

成人アトピー性皮膚炎患者5例に本剤1回5gを1日2回、7日間反復塗布したところ、2日後に中止した1例を除き、血中濃度は塗布開始3日後の0.93〜4.4ng/mLを最高に、その後は低下した。また、成人アトピー性皮膚炎患者3例に本剤1回10gを1日2回、7日間反復塗布したところ、1例で塗布開始翌日に20ng/mLの血中濃度を検出したが、以後漸減し、塗布開始7日後には3.9ng/mLとなった。他の2例ではいずれも塗布開始3日後の0.97〜4.7ng/mLを最高に、その後は低下した。

長期使用時[4]

成人アトピー性皮膚炎患者568例に本剤を1回最大10g、1日1〜2回塗布し52週後まで血中濃度を測定したところ以下のとおりであった。

長期使用時の血中濃度

測定時期測定例数血中濃度(ng/mL)
平均値±S.D.最小値〜最大値
3日後1311.85±2.62N.D.〜14.0
1週後5010.72±1.13N.D.〜7.4
2週後4960.56±0.93N.D.〜7.1
26週後3370.30±0.93N.D.〜12.0
52週後700.38±0.87N.D.〜5.4
N.D.:定量限界(0.50ng/mL)以下

(注)本剤の承認された用法・用量は、1回5gまでで1日1〜2回塗布である。

臨床成績

成人アトピー性皮膚炎患者を対象にしたステロイド外用剤との比較試験における成績は以下のとおりであった[5][6]

塗布方法・期間塗布部位中等度改善以上/症例数(%)
1日2回・3週間躯幹・四肢73/78(93.6)
1日2回・1週間顔面・頸部71/73(97.3)

薬効薬理

実験的アレルギー性皮膚炎抑制作用

ヒトのアトピー性皮膚炎に類似した病態を形成するラット皮膚炎及びNCマウス自然発症皮膚炎における皮膚局所炎症反応、真皮での炎症性細胞の増加を抑制する[7][8]

IV型アレルギー反応(遅延型アレルギー反応)を強く抑制する[9][10]

I型アレルギー反応の即時型反応には無効であるが、遅発型反応に対しては軽度の抑制効果を有する[9][11]

作用機序

サイトカイン産生抑制作用[12]

ヒト・ヘルパーT細胞によるIL-2、IL-3、IL-4、IL-5、インターフェロンγ、GM-CSF等のサイトカインの産生をステロイドと同等もしくはより強く抑制する(in vitro)。

肥満細胞脱顆粒抑制作用[13][14]

抗IgE抗体刺激によるヒト肥満細胞からのヒスタミン遊離をステロイドより強く抑制する(in vitro)。

好酸球脱顆粒抑制作用[15]

カルシウムイオノフォア刺激によるヒト好酸球からの塩基性蛋白(ECP)の遊離をステロイドより強く抑制する(in vitro)。

抗原提示能抑制作用[16]

ヒト皮膚ランゲルハンス細胞をタクロリムスで前処理することにより、ランゲルハンス細胞を抗原提示細胞とする混合リンパ球反応を抑制する(in vitro)。

有効成分に関する理化学的知見

一般名タクロリムス水和物
一般名(欧名)Tacrolimus Hydrate
化学名(3S,4R,5S,8R,9E,12S,14S,15R,16S,18R,19R,26aS)-5,19-Dihydroxy-3-{(1E)-2-[(1R,3R,4R)-4-hydroxy-3-methoxycyclohexyl]-1-methylethenyl}-14,16-dimethoxy-4,10,12,18-tetramethyl-8-(prop-2-en-1-yl)-15,19-epoxy-5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a-hexadecahydro-3H-pyrido[2,1-c][1,4]oxaazacyclotricosine-1,7,20,21(4H,23H)-tetrone monohydrate
分子式C44H69NO12・H2O
分子量822.03
融点130〜133℃
性状タクロリムス水和物は白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド又はエタノール(95)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
分配係数1000以上(1-オクタノール/水系)
KEGG DRUGD00107

包装

チューブ

5g×10

主要文献


1. Saegusa,T.et al.,  基礎と臨床,  26 (3),  969,  (1992)
2. Zheng,S.et al.,  Br.J.Clin.Pharmacol.,  76 (6),  988,  (2013) »PubMed
3. 川島 眞 他,  臨床医薬,  13 (6),  1483,  (1997)
4. FK506軟膏研究会,  臨床医薬,  14 (13),  2405,  (1998)
5. FK506軟膏研究会,  西日本皮膚科,  59 (6),  870,  (1997) »J-STAGE
6. FK506軟膏研究会,  皮膚科紀要,  92 (3),  277,  (1997)
7. 藤井康友 他,  基礎と臨床,  31 (8),  2693,  (1997)
8. Hiroi,J.et al.,  Jpn.J.Pharmacol.,  76 (2),  175,  (1998) »PubMed
9. 仙石隆則 他,  日本薬理学雑誌,  112 (3),  221,  (1998) »PubMed
10. Meingassner,J.G.et al.,  Int.Arch.Allergy Immunol.,  99 (2-4),  486,  (1992)
11. Katayama,I.et al.,  Int.Arch.Allergy Immunol.,  109,  390,  (1996) »PubMed
12. Sakuma,S.et al.,  Int.Immunopharmacol.,  1 (6),  1219,  (2001) »PubMed
13. de Paulis,A.et al.,  J.Invest.Dermatol.,  99 (6),  723,  (1992) »PubMed
14. Cohan,V.L.et al.,  Am.Rev.Respir.Dis.,  140,  951,  (1989) »PubMed
15. 社内報告書(ヒト好酸球・薬理作用)
16. Panhans-Groβ,A.et al.,  J.Allergy Clin.Immunol.,  107 (2),  345,  (2001) »PubMed

作業情報


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2017年10月 改訂
2018年7月 第18版 改訂

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業態及び業者名等

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/6/19 版