医療用医薬品 : ランデル |
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総称名 | ランデル |
一般名 | エホニジピン塩酸塩エタノール付加物 |
欧文一般名 | Efonidipine Hydrochloride Ethanolate |
製剤名 | エホニジピン塩酸塩エタノール付加物錠 |
薬効分類名 | 持続性Ca拮抗剤 |
薬効分類番号 | 2149 |
KEGG DRUG |
D01604
エホニジピン塩酸塩エタノール付加物
商品一覧 相互作用情報 |
KEGG DGROUP |
DG01928
ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬
商品一覧 DG03231 血圧降下薬 商品一覧 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
ランデル錠10 | Landel | ゼリア新薬工業 | 2149034F1020 | 15.5円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
ランデル錠20 | Landel | ゼリア新薬工業 | 2149034F2027 | 26.1円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
ランデル錠40 | Landel | ゼリア新薬工業 | 2149034F3023 | 48.7円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物試験で親動物,出生児に体重増加の抑制が報告されている。(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)]
効能・効果 | 用法・用量 |
高血圧症,腎実質性高血圧症 | 通常,成人にはエホニジピン塩酸塩エタノール付加物として1日20〜40mgを1〜2回分割経口投与する。 年齢,症状に応じて適宜増減する。 なお,十分な降圧効果が得られない場合でも1日最大量は60mgまでとする。 |
狭心症 | 通常,成人にはエホニジピン塩酸塩エタノール付加物として1日40mgを1回(食後)経口投与する。 年齢,症状に応じて適宜増減する。 |
効能・効果 | 用法・用量 |
高血圧症,腎実質性高血圧症 | 通常,成人にはエホニジピン塩酸塩エタノール付加物として1日20〜40mgを1〜2回分割経口投与する。 年齢,症状に応じて適宜増減する。 なお,十分な降圧効果が得られない場合でも1日最大量は60mgまでとする。 |
狭心症 | 通常,成人にはエホニジピン塩酸塩エタノール付加物として1日40mgを1回(食後)経口投与する。 年齢,症状に応じて適宜増減する。 |
慎重投与
重篤な肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇することがある。]
高齢者[過度の降圧が起こるおそれがある。(「高齢者への投与」の項参照)]
過度に血圧の低い患者[さらに血圧が下降するおそれがある。]
洞機能不全のある患者[洞性徐脈,洞停止等を悪化・誘発させるおそれがある。]
重要な基本的注意
カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき,症状が悪化した症例が報告されているので,本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し,観察を十分に行うこと。また,患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。
降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
本剤の投与により,過度の血圧低下を起こすことがあるので,そのような場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
相互作用
併用注意
他の降圧剤 β遮断剤 | 降圧作用が増強することがある。定期的に血圧を測定し,両剤の用量を調節する。 | 相加的に作用(降圧作用)を増強させる。 |
シメチジン | 他のカルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)でシメチジンとの併用により,カルシウム拮抗剤の血中濃度上昇による副作用があらわれることが報告されているため,本剤においても血中濃度上昇による副作用(顔面潮紅・顔のほてり等)があらわれる可能性がある。 定期的に臨床症状を観察し,異常が認められた場合には,本剤の減量もしくは投与を中止する。 | シメチジンがカルシウム拮抗剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより,カルシウム拮抗剤の血中濃度を上昇させる。 |
グレープフルーツジュース | 本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強されるおそれがある。[「薬物動態」の項参照] 患者の状態を注意深く観察し,過度の血圧低下等の症状が認められた場合には,本剤を減量するなど適切な処置を行う。また,グレープフルーツジュースとの同時服用をしないように指導する。 | 発現機序の詳細は不明であるが,グレープフルーツジュースに含まれる成分がカルシウム拮抗剤の代謝酵素(チトクロームP 450)を抑制し,クリアランスを低下させるためと考えられている。 |
タクロリムス | タクロリムスの血中濃度上昇による症状(腎機能障害等)があらわれることがある。患者の状態を注意深く観察し,異常が認められた場合にはタクロリムスの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。 | 発現機序の詳細は不明であるが,本剤がタクロリムスの代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより,タクロリムスの血中濃度を上昇させると考えられる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
承認時,市販後の使用成績調査及び長期投与に関する特別調査において,総症例6463例中500例(7.74%)に臨床検査値の異常変動を含む副作用が認められている。主な自他覚的副作用は動悸,顔面潮紅,頭痛,顔のほてり等であった。また,主な臨床検査値の異常変動は,血清総コレステロール上昇,ALT(GPT)上昇,AST(GOT)上昇,BUN上昇等であった。(再審査終了時)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
洞不全症候群,房室接合部調律,房室ブロック(頻度不明)
洞不全症候群,房室接合部調律,房室ブロック等があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ショック(頻度不明)
過度の血圧低下によりショックを起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
その他の副作用
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
肝臓注1 | AST(GOT),ALT(GPT),LDH,Al-Pの上昇 | ビリルビンの上昇 | |
腎臓 | BUN注1,血清クレアチニン注1,尿蛋白の上昇 | ||
血液注1 | ヘモグロビン減少,ヘマトクリット値減少,赤血球減少 | 好酸球増多,白血球減少,血小板減少 | |
過敏症注1 | 発疹,そう痒感 | ||
循環器 | 顔のほてり,顔面潮紅,動悸,胸痛,血圧低下 | 熱感,徐脈,発汗,頻脈,心房細動,期外収縮 | |
精神神経系 | 頭痛,頭重,めまい,立ちくらみ,ふらつき | 眠気,しびれ感,耳鳴 | |
消化器 | 悪心,胃部不快感,腹痛 | 嘔吐,便秘 | 下痢 |
口腔注1 | 歯肉肥厚 | ||
その他 | 全身倦怠感,血清総コレステロール上昇,CK(CPK)上昇,尿酸上昇,血清カリウム低下 | 頻尿,浮腫,トリグリセライド上昇 |
高齢者への投与
高齢者では,低用量(20mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[一般に過度の降圧は好ましくないとされている。]
過度の降圧作用や副作用が認められた場合には投与量を1/2にするなどの減量の処置を行うこと。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物試験で親動物,出生児に体重増加の抑制が報告されている。]
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが,やむを得ず投与する場合は,授乳を避けさせること。[動物試験で母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
CAPD(持続的外来腹膜透析)施行中の患者の透析排液が混濁することがあるので,腹膜炎等との鑑別に留意する。
血漿中濃度
健康成人
健康成人男性にランデル錠10,20,40mg(20mg錠×2)を空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度は,投与後1.4〜2.2時間で最高濃度に達し,T1/2は約2時間であった1)2)。血漿中未変化体濃度推移は以下のとおりである。(未変化体が薬理活性を示す。)
図1 血漿中未変化体濃度
健康成人男性14例にランデル20mg錠2錠及び40mg錠1錠をクロスオーバー法により空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度及び薬物動態パラメータを図2・表1に示す。
図2 血漿中未変化体濃度
表1 薬物動態パラメータ
記号 | 投与量 | n | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | AUC(ng・hr/mL) |
20mg錠 2錠 | 14 | 15.29±8.92 | 2.71±1.14 | 43.73±24.61 | |
40mg錠 1錠 | 14.23±8.31 | 3.07±0.92 | 41.56±21.52 |
算出したCmax,AUCを分散分析した結果,両製剤における生物学的同等性が認められた3)。
健康成人男性19例にランデル20mg錠2錠をクロスオーバー法により空腹時に水又はグレープフルーツジュースで単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度及び薬物動態パラメータを図3・表2に示す。
図3 血漿中未変化体濃度
表2 薬物動態パラメータ
記号 | 投与 | n | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | AUC(ng・hr/mL) |
20mg錠2錠+水 | 19 | 18.5±7.4 | 2.4±0.9 | 67.0±28.3 | |
20mg錠2錠+グレープフルーツジュース | 28.6±10.3 | 3.3±1.0 | 112.1±43.7 |
算出した薬物動態パラメータを検定(pairedt-test)した結果,グレープフルーツジュースでの投与において有意なCmax,AUCの増加及びTmaxの延長が認められた(各p<0.001,p<0.001,p=0.007)4)。
腎機能障害患者
腎機能の正常な本態性高血圧症患者8例(EH群)と腎機能障害を伴う高血圧症患者6例(RH群)に単回経口投与したとき,EH群及びRH群の薬物動態パラメータ(Cmax,AUC,T1/2)に有意な差は認められなかった5)。
尿中排泄
健康成人男性に単回経口投与したとき,尿中には未変化体は検出されず,投与後24時間までに投与量の約1.6%が代謝物として排泄された。糞中には未変化体はほとんど検出されなかった1)。
承認時(追加承認時を含む)における本態性高血圧症,腎実質性高血圧症,狭心症に対する一般臨床試験及び二重盲検比較試験を含む臨床試験により本剤の有効性が認められた。
表3 疾患別有効率
疾患名 | 有効例数/有効性評価対象例数注1 | 有効率(%) |
本態性高血圧症 (軽症・中等症)6) | 557/633 | 88.0 |
腎実質性高血圧症7)8) | 41/43 | 95.3 |
狭心症9) | 140/191 | 73.3 |
薬理作用
降圧作用
本態性高血圧症患者にランデル錠を経口投与した場合,24時間にわたる良好な降圧効果を示し,血圧・脈拍数の日内変動や日内較差には有意な変化はみられず,血圧日内変動パターンには影響を及ぼさなかった10)。
各種高血圧症病態モデル(高血圧自然発生ラット,DOCA-食塩負荷高血圧ラット,腎性高血圧ラット・イヌ)へのエホニジピン塩酸塩エタノール付加物経口投与において,緩徐で持続的な降圧作用が認められた11)。
心血行動態に対する作用
本態性高血圧症患者にランデル錠を経口投与したところ,3時間後心拍出量にほとんど影響を与えることなく総末梢血管抵抗の減少を示した12)。
麻酔犬へのエホニジピン塩酸塩エタノール付加物の静脈内投与により,椎骨動脈及び冠状動脈血流量が選択的に増加し,心拍出量及び1回心拍出量の増加,総末梢血管抵抗の減少を示した13)。
腎血行動態に対する作用
本態性高血圧症患者にランデル錠を経口投与し,腎循環動態をクロスオーバー法にてプラセボと比較した結果,腎血管抵抗の有意な減少(p<0.05)と腎血流量の有意な増加(p<0.05)が認められ,糸球体ろ過値については増加傾向が確認された14)。
抗狭心症作用
作用機序
ランデル錠10
PTP100錠(10錠×10),
PTP500錠(10錠×50)
ランデル錠20
瓶 1000錠
PTP100錠(10錠×10),
PTP500錠(10錠×50),
PTP1000錠(10錠×100)
ランデル錠40
PTP100錠(10錠×10),
PTP500錠(10錠×50)
〔ランデル錠20:PTP700錠及びランデル錠40:PTP700錠製造中止〕
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2. | 佐野 廣ほか, 社内資料(NZ-105のLC/MSでの定量法), (1991) |
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7. | 山田和生ほか, 基礎と臨床, 30 (12), 3465, (1996) |
8. | 篠山重威ほか, 基礎と臨床, 30 (12), 3483, (1996) |
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18. | Yamashita,T.et al., Jpn.J.Pharmacol., 57, 337, (1991) »PubMed »DOI |
改訂履歴 |
2011年12月 改訂 |
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発売 製造販売元 提携 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2023/01/25 版 |