16.1.1 健康成人男子にアレンドロン酸として5、10、20及び40mgを含有する錠剤を、朝食の2時間前に単回経口投与したとき(各群n=5〜6)の血清中アレンドロン酸濃度は、5及び10mg投与群では全例で定量限界(11.5ng/mL)未満であった。20mgでは6例中2例(13.1、18.3ng/mL)で、40mgでは6例中4例(13.8〜79.3ng/mL)で投与2時間後にわずかに検出された
2)。
16.1.2 健康成人男子(n=6)に、アレンドロン酸として20mgを含有する錠剤を、朝食の2時間前に1日1回7日間反復経口投与したとき、血清中アレンドロン酸濃度は6例中の1例で投与4日目(27.0ng/mL)と7日目(19.0ng/mL)に、別の1例で7日目(11.7ng/mL)に、それぞれわずかに検出された他、すべて定量限界(11.5ng/mL)未満であった
2)。
経口投与後のアレンドロン酸は血清中濃度が低く、薬物吸収の評価ができないため、唯一の消失経路である尿中排泄を吸収の指標とした。[
16.5.1-
16.5.4参照]
生物学的利用率の幾何平均値は、非高齢者及び高齢者でそれぞれ2.49%及び2.83%であった
3)。
アレンドロン酸ナトリウム水和物投与により、動物又はヒトで代謝物は認められていない。
16.5.1 健康成人男子にアレンドロン酸として5、10、20及び40mgを含有する錠剤を、朝食の2時間前に単回経口投与したとき(各群n=5〜6)の投与後48時間までの尿中排泄率は0.65〜1.41%(幾何平均値)であり、投与量による有意な差は認められなかった。そのほとんどは投与後6時間までに排泄された。
16.5.2 非高齢女性(閉経後60歳未満、n=8)及び高齢女性(閉経後65歳以上、n=8)に2期クロスオーバー法でアレンドロン酸ナトリウム水和物を経口(アレンドロン酸として5mg)及び静脈内点滴(アレンドロン酸として0.1mg)投与し、投与後48時間までの尿中排泄量を測定したとき、下記の結果が得られている
3)。
対象 | 尿中排泄率#(%) |
静脈内投与 | 経口投与 |
非高齢者 | 44.7 | 1.11 |
高齢者 | 44.1 | 1.25 |
16.5.3 海外で行われた試験において、閉経後女性にアレンドロン酸として10mgを含有する錠剤を、単回経口投与(朝食の2、1、0.5時間前、直後及び2時間後の5期クロスオーバー法)したとき(n=49)の投与後36時間までの尿中排泄量(幾何平均値)は、朝食2、1及び0.5時間前の投与ではそれぞれ12.68μg、8.88μg及び6.78μgであり、朝食2時間前に投与した場合が最も多かった。一方、朝食直後及び2時間後の投与では多くが定量限界(1ng/mL)未満であった。
16.5.4 海外で行われた試験において、閉経後女性にアレンドロン酸として10mgを含有する錠剤を、水、コーヒー又はオレンジジュースと同時に単回経口投与(3期クロスオーバー法)したとき(n=40)の投与後24時間までの尿中排泄量(幾何平均値)は、水(19.20μg)を同時に摂取した場合と比べ、コーヒー(7.43μg)、オレンジジュース(6.77μg)では約60%減少した
4)。
(注)本剤の承認された用法及び用量はアレンドロン酸として1日1回5mgである。