2.1 本剤の成分又はアトロピン系薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者
2.2 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.3 前立腺肥大症の患者[排尿障害を起こすおそれがある。]
下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
専用のアダプターを用いて、通常、1回1〜2噴射(イプラトロピウム臭化物として20〜40μg)を1日3〜4回吸入投与する。
なお、症状により適宜増減する。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 上室性不整脈の患者、又はその既往歴のある患者
上室性頻脈、心房細動等が発現することがある。[
11.1.2参照]
9.1.2 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
用量ならびに投与間隔に留意するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(蕁麻疹、血管浮腫、発疹、気管支痙攣、口腔咽頭浮腫等)が発現することがある。
11.1.2 上室性頻脈、心房細動(いずれも頻度不明)[
9.1.1参照]
注)副作用の頻度はアトロベント(特定フロン含有製剤)の臨床試験及びアトロベント(特定フロン含有製剤)使用成績調査を含む。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 |
精神神経系 | 頭痛 | 振戦、眩暈等 | |
消化器 | 嘔気 | 嘔吐、腹痛、便秘等 | |
循環器 | 心悸亢進 | | 心拍数増加 |
皮膚 | | 発疹、そう痒感 | |
口腔 | 口内乾燥 | 口内炎、にがみ、舌のしびれ、舌のあれ、咽頭不快感、咽頭閉塞感、咽頭痛等 | |
眼 | | | 散瞳、眼圧上昇、急性閉塞隅角緑内障、眼痛、霧視、複視等 |
その他 | | 痰の切れの悪化、気道刺激症状、咳、胸痛 | 尿閉 |
18.1 作用機序
アセチルコリン受容体において、迷走神経末端より遊離されるアセチルコリンと拮抗し、その作用を遮断することによって気管支の収縮を抑制する。
18.2 気管支収縮予防作用
口腔より吸入投与されたイプラトロピウム臭化物水和物は、迷走神経支配の神経−筋接合部を遮断することにより、気管支平滑筋の収縮を抑制する。気管支喘息患者(成人)でアセチルコリン、メタコリン、プロスタグランジンF
2α、各種抗原によって誘発される気道狭窄は、本剤の前投与(吸入)により抑制され、予防効果が認められる
5)6)。また、本剤は狭窄状態の気管支に対して拡張作用を示し、その作用発現はβ刺激剤に比べてやや遅いが、持続時間が長く、心血管系に対する影響は弱い
7)8)。なお、ヒトの気道粘液分泌機能及び粘膜線毛クリアランスに対する阻害作用はみられない
9)。
20.1 温度が50℃以上のところに置かないこと。
20.2 容器を火の中に入れないこと。
20.3 容器はガスを出しきった状態で廃棄すること。
20.4 容器は地方自治体により定められた方法にて廃棄すること。