医療用医薬品 : アトラント

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医薬品情報


総称名 アトラント
一般名 ネチコナゾール塩酸塩
欧文一般名 Neticonazole hydrochloride
製剤名 ネチコナゾール塩酸塩液
薬効分類名 抗真菌剤
薬効分類番号 2655
ATCコード D01AC21
KEGG DRUG
D01620 ネチコナゾール塩酸塩
KEGG DGROUP
DG01883 イミダゾール系抗真菌薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2023年9月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アトラント外用液1% ATOLANT Solution 1% 久光製薬 2655711Q1030 24.3円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

下記の皮膚真菌症の治療
白癬、体部白癬、股部白癬
指間びらん症、間擦疹
癜風

6. 用法及び用量

1日1回患部に塗布する。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満
皮膚局所の刺激感、皮膚炎、発赤・紅斑、そう痒感等亀裂

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 適用部位
(1)眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。
(2)著しいびらん面には使用しないこと。
(3)亀裂、びらん面には注意して使用すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子背部に、2%注)ネチコナゾール塩酸塩クリーム5gを10時間密封塗布し、血中濃度を経時的に測定したところ、ネチコナゾール塩酸塩濃度は塗布後8時間まで上昇し(Cmax=5.9ng/mL)、以後比較的速やかに消失し、24時間後には測定限界以下となった1)
注)本剤の承認された濃度は1%である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
378例について臨床試験を実施し、本剤の有効性が認められている2)3)
疾患名有効率(%)
(有効以上/評価例数)
白癬足白癬71.0(66/93例)
体部白癬91.3(63/69例)
股部白癬90.2(55/61例)
皮膚カンジダ症指間びらん症90.9(40/44例)
間擦疹93.5(43/46例)
癜風90.8(59/65例)
86.2(326/378例)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ネチコナゾール塩酸塩の作用機序は、完全発育阻止及び殺菌的作用を示す高濃度域では直接的細胞膜障害が、また部分的発育阻止を示す濃度域においては真菌細胞の構成成分であるエルゴステロールの合成阻害が主で、その作用による膜脂質組成の変化が前者の作用を増強するものと考えられる4)
18.2 抗真菌作用
18.2.1 ネチコナゾール塩酸塩は、皮膚糸状菌をはじめ酵母状真菌、癜風菌などに優れた抗真菌作用を示した。主な臨床分離株に対する最小発育阻止濃度(MIC)は次のとおりである5)6)
菌種MIC(μg/mL)
幾何平均値(最小〜最大)
Trichophyton rubrum0.07(0.05〜0.10)
Trichophyton mentagrophytes0.13(0.10〜0.20)
Microsporum canis0.04(0.012〜0.05)
Microsporum gypseum0.39(0.39)
Epidermophyton floccosum0.012(0.012)
Candida albicans12.90(6.25〜25)
Malassezia furfur注)0.58(0.08〜5)
18.2.2 Trichophyton mentagrophytesによるモルモット背部白癬モデルに対し、優れた治療効果を示した7)
18.3 感染防御効果
モルモット背部皮膚面に1%ネチコナゾール塩酸塩クリームを塗布し、24、48、72時間後にTrichophyton mentagrophytesを接種した実験では、塗布72時間経過後においても優れた防御効果が認められた7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ネチコナゾール塩酸塩

一般的名称 ネチコナゾール塩酸塩
一般的名称(欧名) Neticonazole hydrochloride
化学名 (E)-1-[2-Methylthio-1-[2-(pentyloxy)phenyl]ethenyl]-1H-imidazole hydrochloride
分子式 C17H22N2OS・HCl
分子量 338.90
融点 145〜148℃
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがあり、味は刺激性で苦い。
水、メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、無水酢酸に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01620

20. 取扱い上の注意

20.1 火気を避けて保管すること。
20.2 プラスチックや塗料を溶かすことがあるので注意すること。

22. 包装

200mL[10mL(プラスチック容器)×20本]

23. 主要文献

  1. 久光製薬社内資料 ヒトにおける体内動態試験
  2. 山本泉 ほか, 基礎と臨床, 25 (5), 1605-15, (1991)
  3. 久光製薬社内資料 臨床試験の試験成績に関する資料
  4. 前橋一紀 ほか, 真菌誌, 31 (4), 343-54, (1990) »DOI
  5. 浅岡健光 ほか, CHEMOTHERAPY, 38 (8), 753-68, (1990) »DOI
  6. 久光製薬社内資料 イミダゾール系抗真菌剤neticonazoleのMalassezia属酵母に対するin vitro抗菌活性
  7. 浅岡健光 ほか, CHEMOTHERAPY, 38 (8), 769-79, (1990) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
久光製薬株式会社 お客様相談室 受付時間/9:00-17:50(土日・祝日・会社休日を除く)
〒135-6008 東京都江東区豊洲三丁目3番3号
電話:0120-381332
FAX:03-5293-1723
製品情報問い合わせ先
久光製薬株式会社 お客様相談室 受付時間/9:00-17:50(土日・祝日・会社休日を除く)
〒135-6008 東京都江東区豊洲三丁目3番3号
電話:0120-381332
FAX:03-5293-1723

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
久光製薬株式会社
〒841-0017 鳥栖市田代大官町408番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版