細菌のDNAジャイレースに作用し、DNA複製を阻害することにより殺菌的に作用する。
ナジフロキサシンはアクネ菌及び表皮ブドウ球菌を含む、好気性グラム陽性菌、陰性菌及び嫌気性菌に対し、強い抗菌力と広い抗菌スペクトラムを有し、その作用は殺菌的である。
ナジフロキサシンはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対し、MSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)と同様の強い抗菌力を示し、また、キノロン耐性MRSAに対しても良好な抗菌力を示し、既存のニューキノロン剤との間に交叉耐性はほとんど認められなかった
10)(
in vitro)。
本剤はアクネ菌、表皮ブドウ球菌及び黄色ブドウ球菌を用いた実験的マウス皮膚感染症モデルに対し、軟膏基剤よりも優れた治療効果を示した。また、ナジフロキサシンクリーム(アクアチムクリーム1%)との生物学的同等性が確認された。
毛包炎(表在性皮膚感染症)及び尋常性毛瘡(深在性皮膚感染症)患者を対象にアクアチムクリーム1%の塗布前後に細菌学的検査を実施し、細菌学的効果を検討した結果、塗布前に検出された黄色ブドウ球菌、CNS、アクネ菌等の細菌の陰性化率は86.4%であった。この試験で分離されたアクネ菌(53株)、CNS(34株)及び黄色ブドウ球菌(22株)に対するナジフロキサシンの最小発育阻止濃度(MIC)はそれぞれ0.39、0.05及び0.39μg/mL以下であり、ナジフロキサシンはアクネ菌及びブドウ球菌属に対して良好な抗菌活性を示した。また、ナジフロキサシンに対する耐性菌の出現は認められなかった
8)。
継代培養による耐性獲得試験において、既存のニューキノロン系の合成抗菌剤に比べ、耐性が獲得されにくいことが認められた。また、自然耐性菌の出現頻度は、10
−8以下と低率であった
10)(
in vitro)。