医療用医薬品 : キシリトール

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医薬品情報


総称名 キシリトール
一般名 キシリトール
欧文一般名 Xylitol
薬効分類番号 3234
KEGG DRUG
D00061 キシリトール
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年9月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
キシリトール注20% Xylitol injection 20% 大塚製薬工場 3234400A8193 90円/管 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
低張性脱水症の患者[本症はナトリウムの欠乏により血清の浸透圧が低張になることによって起こる。このような患者に本剤を投与すると、水分量を増加させることになり、症状が悪化するおそれがある。]

4. 効能または効果

糖尿病及び糖尿病状態時の水・エネルギー補給

6. 用法及び用量

キシリトールとして、通常成人1日2〜50gを1〜数回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、キシリトールとして1日量100gまでとする。
点滴静注する場合、その速度はキシリトールとして0.3g/kg/hr以下とすること。

8. 重要な基本的注意

高濃度液投与の急激な中止により、低血糖を起こすおそれがある。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 尿崩症の患者
水分、電解質等に影響を与えるため、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
キシリトールの大量を急速投与すると腎障害があらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
キシリトールの大量を急速投与すると肝障害があらわれるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
大量・急速投与電解質喪失、肝障害、腎障害

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意
使用時には、感染に対する配慮をすること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 皮下大量投与により、血漿中から電解質が移動して循環不全を招くおそれがあるので、皮下投与しないこと。
14.2.2 ゆっくり静脈内に投与すること。
14.2.3 残液は使用しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
キシリトールの大量を急速投与すると、腎、脳にシュウ酸カルシウムの沈着が認められたとの報告がある1)2)3)4)

16. 薬物動態

16.4 代謝
キシリトールは体内で酵素的に酸化され、D-xyluloseあるいはL-xyluloseとなる。D-xyluloseはリン酸化されD-xylulose 5-phosphateとして五炭糖リン酸回路に入る。また、D-xylulose 5-phosphateはfructose 6-phosphateあるいはglyceraldehyde 3-phosphateとして解糖系へ入る。一方、L-xyluloseは3-keto-L-gulonateとなり、ウロン酸回路に入る5)6)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
キシリトールはインスリンの介助を要することなく細胞内に取り込まれるので、インスリン欠乏による糖利用障害時においてもキシリトールの代謝は妨げられず、また血糖値を上昇させることもない。キシリトールはグルクロン酸−キシルロース回路でグロン酸から生成される生理的代謝産物でもあるので、その忍容性も高い。細胞内移行は速やかで、抗ケトン作用を現す。また細胞内に取り込まれ、代謝の最初の段階で補酵素を還元する7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. キシリトール

一般的名称 キシリトール
一般的名称(欧名) Xylitol
化学名 meso-Xylitol
分子式 C5H12O5
分子量 152.15
融点 93.0〜95.0℃
物理化学的性状 白色の結晶又は粉末で、においはなく、味は甘い。
水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくい。
吸湿性である。
KEGG DRUG D00061

20. 取扱い上の注意

以下の場合には使用しないこと。
・容器表面に水滴や結晶が認められる場合
・容器から薬液が漏れている場合
・性状その他薬液に異状が認められる場合

22. 包装

20mL

50管 プラスチックアンプル

23. 主要文献

  1. Thomas,D.W.,et al., Med J Aust., 1, 1238-1246, (1972) »PubMed
  2. Evans,G.W.,et al., J Clin Pathol., 26, 32-36, (1973) »PubMed
  3. Schroder,R.,et al., In Sieberth,H.G.(Ed.),Akutes Nierenversagen,Schriftenreihe Intensivmedizin,Notfallmedizin,Anasthesiologie,Bd., 14, 15-19, (1979), (Thieme,Stuttgart)
  4. Schroder,R., Dtsch med Wochenschr., 105, 997-1001, (1980) »PubMed
  5. 吉川春寿,他, 糖アルコールの代謝, 1-31, (1974), (共立出版 東京)
  6. 大貫 稔,他, 副腎皮質とキシリトール−基礎と臨床−, 1-16, (1977), (共立出版 東京)
  7. 第十八改正日本薬局方解説書, 1502-1506, (2021), (廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2
電話:0120-719-814
FAX:03-5296-8400
製品情報問い合わせ先
株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2
電話:0120-719-814
FAX:03-5296-8400

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115
26.2 販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/09/18 版