医療用医薬品 : ポピヨドン

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医薬品情報


総称名 ポピヨドン
一般名 ポビドンヨード
欧文一般名 Povidone-Iodine
製剤名 ポビドンヨード製剤
薬効分類名 外用殺菌消毒剤
薬効分類番号 2612
ATCコード D08AG02 D09AA09 D11AC06 G01AX11 R02AA15 S01AX18
KEGG DRUG
D00863 ポビドンヨード
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2024年3月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ポピヨドンスクラブ7.5% (後発品) Popiyodon Scrub 7.5% 吉田製薬 2612701Q1099 2.34円/mL

4. 効能または効果

手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒

6. 用法及び用量

効能又は効果用法及び用量
手指・皮膚の消毒本剤の適量を用い、少量の水を加えて摩擦し、よく泡立たせたのち、流水で洗う。
手術部位(手術野)の皮膚の消毒本剤を塗布するか、又は少量の水を加えて摩擦し、泡立たせたのち、滅菌ガーゼで拭う。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 甲状腺機能に異常のある患者
血中ヨウ素の調節ができず甲状腺ホルモン関連物質に影響を与えるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
長期にわたる広範囲の使用を避けること1)
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
長期にわたる広範囲の使用を避けること1)
9.7 小児等
ポビドンヨード製剤を新生児に使用し、一過性の甲状腺機能低下を起こしたとの報告がある2)

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(0.1%未満)
呼吸困難、不快感、浮腫、潮紅、蕁麻疹等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1%未満
過敏症発疹
皮膚接触皮膚炎、そう痒感、灼熱感、皮膚潰瘍
甲状腺血中甲状腺ホルモン値(T3、T4値等)の上昇あるいは低下などの甲状腺機能異常

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

酸化反応を利用した潜血試験において、本剤が検体に混入すると偽陽性を示すことがある3)

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 損傷・創傷皮膚及び粘膜には使用しないこと。
14.1.2 眼に入らないように注意すること。入った場合には、水でよく洗い流すこと。
14.1.3 石けん類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石けん分を洗い落としてから使用すること。
14.1.4 電気的な絶縁性をもっているので、電気メスを使用する場合には、本剤が対極板と皮膚の間に入らないよう注意すること。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
水溶液中のポビドンヨード液はヨウ素を遊離し、その遊離ヨウ素(I2)が水を酸化してH2OIが生じる。H2OIは細菌及びウイルス表面の膜タンパク(−SHグループ、チロシン、ヒスチジン)と反応することにより、細菌及びウイルスを死滅させると推定される。
18.2 細菌等に対する効果( in vitro )
ポビドンヨード製剤(10%液剤)の臨床分離株に対する効果は次の通りであった4)5)6)7)
被験菌株数ポビドンヨード製剤(10%液剤)の希釈倍率(PVP-I濃度)作用時間減菌率
Staphylococcus aureus(MSSA)2020倍(0.5%)30秒99.99%以上
Staphylococcus aureus(MRSA)2020倍(0.5%)30秒99.99%以上
Escherichia coli1020倍(0.5%)30秒99.99%以上
Pseudomonas aeruginosa2020倍(0.5%)30秒99.99%以上
Serratia marcescens2020倍(0.5%)30秒99.99%以上
Burkholderia cepacia1020倍(0.5%)30秒99.99%以上
Klebsiella pneumoniae1020倍(0.5%)30秒99.99%以上
Mycobacterium avium2100倍(0.1%)30秒99.9%以上
Mycobacterium kansasii3100倍(0.1%)30秒99.9%以上
Mycobacterium tuberculosis7100倍(0.1%)30秒99.99%以上
Bordetella pertussis1050倍(0.2%)15秒99.99%以上
18.3 ウイルスに対する効果( in vitro )
ポビドンヨード製剤(10%液剤)のウイルスに対する効果は次の通りであった8)9)10)11)12)13)
ウイルスポビドンヨード製剤(10%液剤)の希釈倍率(PVP-I濃度)作用時間ウイルス不活化率
単純ヘルペスウイルス10倍(1.0%)30秒99.99%以上
アデノウイルス10倍(1.0%)30秒99.9%以上
風疹ウイルス10倍(1.0%)60秒99.99%以上
麻疹ウイルス10倍(1.0%)60秒99.0%以上
ムンプスウイルス10倍(1.0%)60秒99.99%以上
インフルエンザウイルス10倍(1.0%)30秒99.99%以上
ロタウイルス(サル)10倍(1.0%)30秒99.9%以上
ポリオウイルス2倍(5.0%)30秒99.9%以上
HIV200倍(0.05%)30秒99.9%以上
サイトメガロウイルス10倍(1.0%)30秒99.9%以上
SARSウイルス10倍(1.0%)60秒99.99%以上
鳥インフルエンザウイルス(高病原性)5倍(2.0%)10秒99.99%以上
鳥インフルエンザウイルス(低病原性)5倍(2.0%)10秒99.99%以上
豚インフルエンザウイルス10倍(1.0%)10秒99.99%以上
カリシウイルス(ネコ、イヌ)40倍(0.25%)10秒99.9%以上
マウスノロウイルス50倍(0.2%)15秒99.99%以上
また、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、エンテロウイルスに対しても効果が認められた14)15)
18.4 生物学的同等性
ポピヨドンスクラブ7.5%とイソジンスクラブ液7.5%を任意に希釈し菌液と接触させたとき、両剤の生存菌数の経時的変化には相関がみられ、生物学的同等性が認められた16)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ポビドンヨード

一般的名称 ポビドンヨード
一般的名称(欧名) Povidone-Iodine
化学名 Poly[1-(2-oxopyrrolidin-1-yl)ethylene]iodine
分子式 (C6H9NO)n・xI
物理化学的性状 暗赤褐色の粉末で、わずかに特異なにおいがある。
水又はエタノール(99.5)に溶けやすい。
1.0gを水100mLに溶かした液のpHは1.5〜3.5である。
KEGG DRUG D00863

20. 取扱い上の注意

直射日光を避けて保存すること。

22. 包装

500mL(ポリ容器)

23. 主要文献

  1. Danziger,Y.,et al., Arch Dis Child., 62, 295-296, (1987) »PubMed
  2. 竹内 敏ほか, 日本小児外科学会雑誌, 30 (4), 749-754, (1994) »DOI
  3. Bar-Or,D.,et al., Lancet., 2 (8246), 589, (1981) »PubMed
  4. 国定孝夫ほか, 環境感染, 14 (2), 142-147, (1999) »DOI
  5. 国定孝夫ほか, 環境感染, 15 (2), 156-162, (2000) »DOI
  6. Rikimaru,T.,et al., Dermatology., 195 (Suppl.2), 104-106, (1997)
  7. Suzuki,T.,et al., J Infect Chemother., 18 (2), 272-275, (2012) »PubMed
  8. 川名林治ほか, 臨床とウイルス, 26 (5), 371-386, (1998)
  9. Kariwa,H.,et al., Dermatology., 212 (Suppl.1), 119-123, (2006) »PubMed
  10. Ito,H.,et al., Dermatology., 212 (Suppl.1), 115-118, (2006)
  11. 伊藤啓史ほか, 日本化学療法学会雑誌, 57 (6), 508-510, (2009)
  12. 遠矢幸伸ほか, 日本化学療法学会雑誌, 54 (3), 260-262, (2006) »DOI
  13. Matsuhira,T.,et al., Exp Anim., 61 (1), 35-40, (2012) »PubMed
  14. 栗村 敬ほか, Biomedica., 2 (12), 1223-1226, (1987)
  15. 野田伸司ほか, 岐衛研所報, 24, 15-21, (1979)
  16. 吉田製薬株式会社 社内資料:生物学的同等性

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
吉田製薬株式会社 学術部
〒164-0011 東京都中野区中央5-1-10
電話:03-3381-2004
FAX:03-3381-7728
製品情報問い合わせ先
吉田製薬株式会社 学術部
〒164-0011 東京都中野区中央5-1-10
電話:03-3381-2004
FAX:03-3381-7728

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
吉田製薬株式会社
埼玉県狭山市南入曽951

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版