外科的治療が考慮される部分てんかん症例(発作症状,発作間欠期脳波所見及びMRI所見により局在性の焦点診断が確定的でない患者)を対象とした非盲検非対照試験(追加第III相臨床試験)において,本剤SPECT像又は発作間欠期脳血流SPECT像を加味して判定したてんかん診断体系への貢献度の検討(78例)の結果,本剤SPECT像と発作間欠期脳血流SPECT像には相補的な関係が成立し,かつ,本剤SPECT像は脳血流像に比して貢献度が高かった(p=0.001)
4)。
症例数 | てんかん診断体系における貢献度(追加第III相臨床試験) |
評価対象\貢献度※ | 1 | 2 | 3 | 検定結果(Wilcoxonの符号付き順位和検定) |
78 | 本剤SPECT像 | 13例 | 41例 | 24例 | 貢献度: 本剤SPECT像>発作間欠期脳血流SPECT像 p=0.001 |
発作間欠期脳血流SPECT像 | 4例 | 26例 | 48例 |
また,患者背景等を非開示としたブラインド読影の結果,発作間欠期脳血流SPECT像の方が本剤SPECT像よりも特異度が高かった(p<0.05)。本剤SPECT像の異常所見がてんかん焦点部位と一致しなかった症例,即ち偽陽性例は73例中15例であり,このうち11例が側頭葉外てんかんであった。以上のことから,特に側頭葉外てんかんにおいて,患者の臨床的背景が開示されない条件下では,本剤SPECT像は偽陽性所見を示す可能性が高いことが示され,診断上注意を要するものと考えられた
4)。
症例数 | ブラインド読影※1による焦点診断能※2(追加第III相臨床試験) |
評価対象\診断能 | 感度 | 特異度 | 精度※3 | 検定結果(McNemar検定) |
73 | 本剤SPECT像 | 27.4% | 79.5% | 27.4% | 特異度: 発作間欠期脳血流SPECT像>本剤SPECT像 p<0.05 |
発作間欠期脳血流SPECT像 | 26.0% | 95.9% | 26.0% |
80例中13例(16.3%)14件の副作用が認められた。主な副作用は,嗅覚錯誤7.5%(6/80),疼痛(注射部位等)3.8%(3/80)等であった。また,主な臨床検査値異常としては,尿pH上昇11.3%(9/80),好中球百分率減少3.8%(3/79),血中カルシウム減少2.5%(2/80)等が認められた。