下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
<気管支喘息>
気管支喘息治療における長期管理の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の使用であり、吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。
通常、成人にはプロカテロール塩酸塩水和物として1回50μg(ドライシロップとして1g)を1日1回就寝前ないしは1日2回、朝及び就寝前に用時溶解して経口投与する。
6歳以上の小児にはプロカテロール塩酸塩水和物として1回25μg(ドライシロップとして0.5g)を1日1回就寝前ないしは1日2回、朝及び就寝前に用時溶解して経口投与する。
6歳未満の乳幼児にはプロカテロール塩酸塩水和物として1回1.25μg/kg(ドライシロップとして0.025g/kg)を1日2回、朝及び就寝前ないしは1日3回、朝、昼及び就寝前に用時溶解して経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
6歳未満の乳幼児における体重当たりの1回投与量は以下のとおりである。
| 体重 | 1回投与量 |
| 4kg | 0.1g |
| 6kg | 0.15g |
| 8kg | 0.2g |
| 10kg | 0.25g |
| 12kg | 0.3g |
| 14kg | 0.35g |
| 16kg | 0.4g |
| 18kg | 0.45g |
| 20kg | 0.5g |
<効能共通>
8.1 用法及び用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、本剤が適当でないと考えられるので投与を中止すること。
8.2 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないように注意すること。[
13.1参照]
<気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫>
8.3 本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤等の他の適切な薬剤を使用するよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
また、その薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、疾患の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
<気管支喘息>
8.4 本剤は吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の代替薬ではないため、患者が本剤の使用により症状改善を感じた場合であっても、医師の指示なく吸入ステロイド剤等を減量又は中止し、本剤を単独で用いることのないよう、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
8.5 本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対して、短時間作動型吸入β2刺激剤等の薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、患者の生命が脅かされる可能性があるので、患者の症状に応じて吸入ステロイド剤等の増量等の抗炎症療法の強化を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 甲状腺機能亢進症の患者
9.1.2 高血圧の患者
9.1.3 心疾患の患者
動悸、不整脈、症状の増悪等があらわれることがある。
9.1.4 糖尿病の患者
9.1.5 低酸素血症の患者
血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。[
11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている
1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている
1)。
9.7 小児等
低出生体重児又は新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
11.1.2 重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)
キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。[
9.1.5、
10.2参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 |
| 循環器 | 動悸、頻脈 | ほてり等 | 上室性期外収縮・上室性頻拍・心室性期外収縮・心房細動等 |
| 精神神経系 | 振戦、頭痛、めまい | 不眠、手足のしびれ感等 | 手指の痙縮、筋痙直、筋痙攣、神経過敏 |
| 消化器 | 嘔気、胃部不快感等 | 嘔吐、口渇 | |
| 過敏症 | 発疹等 | | そう痒感 |
| 肝臓 | | | AST、ALT、LDHの上昇等の肝機能障害 |
| その他 | | 脱力感、鼻閉、耳鳴 | 全身倦怠感、血清カリウム値の低下、血糖上昇 |
本剤はアレルゲンによる皮膚反応に抑制的に作用するので、皮膚テストを実施する場合には、12時間前より本剤の投与を中止することが望ましい。
13.1 症状
過量投与により、頻脈、頻脈性不整脈、血圧低下、神経過敏、振戦、低カリウム血症、高血糖、乳酸アシドーシス等があらわれることがある。[
8.2参照]
13.2 処置
重篤な頻脈性不整脈発現時にはβ遮断剤(プロプラノロール塩酸塩等)が有効な場合があるが、気道抵抗を上昇させるおそれがあるので、喘息患者等への投与には十分注意すること。
16.1 血中濃度
健康成人男性44例にメプチンドライシロップ0.005%あるいはメプチンシロップ5μg/mLをプロカテロール塩酸塩水和物として100μg
注)の用量で絶食下経口投与した時の血漿中プロカテロール濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す。両製剤は生物学的に同等であった
5)。
薬物動態パラメータ
| | tmax(hr) | Cmax(pg/mL) | t1/2(hr) | AUC13hr(pg・hr/mL) |
| メプチンドライシロップ0.005% | 1.3±0.7 | 298±111 | 4.2±1.7 | 1,207±338 |
| メプチンシロップ5μg/mL | 1.3±0.7 | 263±104 | 4.1±1.8 | 1,151±288 |
注)本剤の承認された成人の用量は1回50μgである。
16.4 代謝
デスイソプロピルプロカテロールの生成には、主としてCYP3A4分子種が関与する
6)(
in vitro)。ヒトにおける主要な代謝経路はグルクロン酸抱合体への抱合反応と考えられた。
16.5 排泄
メプチン錠50μg(プロカテロール塩酸塩水和物として50μg)を経口投与した時の投与後24時間までの累積尿中プロカテロール排泄率は15.7%であった。また、グルクロン酸抱合体の排泄率は23.6%であった。尿中にはその他の代謝物としてデスイソプロピルプロカテロールが0.48%排泄された
7)。
18.1 作用機序
プロカテロール塩酸塩水和物は気管支平滑筋のβ2受容体を選択的に刺激し、気管支拡張作用を発現する。
18.2 気管支拡張作用
イヌ、ネコ及びモルモットでのヒスタミン等による気道抵抗増大に対する抑制効果でみると、プロカテロール塩酸塩水和物の気管支拡張作用はイソプレナリンと同等かそれ以上の強さで、サルブタモール硫酸塩及びオルシプレナリン硫酸塩より強いことが確認された
11)12)13)14)15)。
18.3 気管支拡張作用持続時間
イヌ、ネコ及びモルモットで検討したプロカテロール塩酸塩水和物の気管支拡張作用持続時間は、イソプレナリン、トリメトキノール、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩より長いことが確認された
11)12)13)15)。
18.4 β2受容体への選択性
心循環器系のβ受容体と気道系のβ受容体への臓器選択性をイヌ、ネコ及びモルモットで検討したところ、プロカテロール塩酸塩水和物はイソプレナリン、トリメトキノール、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩よりも優れた臓器選択性を示した
11)12)13)15)。
18.5 抗アレルギー作用
モルモットあるいはラットでのレアギン性の気道抵抗増大、PCA反応及び肺からのヒスタミン遊離、成人気管支喘息患者での皮膚反応及びアレルゲン吸入誘発に対する抑制を指標としたプロカテロール塩酸塩水和物の抗アレルギー作用はイソプレナリン、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩より強いことが確認された。また、プロカテロール塩酸塩水和物はアレルゲン吸入による気管支反応に対しては即時型のみならず、遅発型にも抑制作用を有することが確認された
16)17)18)19)20)。
18.6 気道分泌系に対する作用
プロカテロール塩酸塩水和物はハトの気道繊毛運動を亢進した
21)。
18.7 運動誘発喘息発作抑制作用
プロカテロール塩酸塩水和物はトレッドミル負荷により誘発された気管支喘息患児の喘息発作を抑制した
22)。
18.8 気道過敏性亢進に対する作用
プロカテロール塩酸塩水和物はインフルエンザCウイルス接種によるイヌの気道過敏性亢進を抑制した
23)。
18.9 血管透過性亢進に対する作用
各種起炎物質によるラット背部皮下の空気嚢内の血管透過性亢進及び浮腫の形成に対するプロカテロール塩酸塩水和物の抑制作用は、イソプレナリンとほぼ同等であることが確認された。また、ヒスタミン吸入によるモルモット肺水腫の形成に対し、プロカテロール塩酸塩水和物は抑制作用を有し、その作用はサルブタモール硫酸塩より強いことが確認された
24)25)。
18.10 咳に対する作用
プロカテロール塩酸塩水和物はサブスタンスP吸入による急性気管支炎患者の咳の誘発を抑制した
26)。
20.1 本品は湿気により凝集及び着色するおそれがあるので、使用の都度密栓すること。
20.2 小分け後は湿気を避けて遮光保存すること。