○毛細血管抵抗性の減弱及び透過性の亢進によると考えられる出血傾向(例えば紫斑病など)
○毛細血管抵抗性の減弱による皮膚あるいは粘膜及び内膜からの出血、眼底出血・腎出血・子宮出血
○毛細血管抵抗性の減弱による手術中・術後の異常出血
カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物として、通常成人1回10mgを皮下又は筋肉内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
注)再評価結果を含む
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 |
| 過敏症 | 注射部位の硬結、疼痛 | 蕁麻疹 | 発疹 |
本剤の代謝物により、尿ウロビリノーゲン試験が陽性になることがある。
また、橙黄色がかった着色尿があらわれることがある。
14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 投与部位
まれに注射部位に硬結・疼痛があらわれることがある。
14.1.2 皮下又は筋肉内に投与する場合には、神経及び血管を避けて慎重に投与すること。
また、反復投与の必要がある場合には、例えば左右交互に注射するなど同一部位を避けることが望ましい。
なお、乳幼小児においては特に注意すること。
16.1 血中濃度
健康成人男子に10mg筋肉内投与した場合、速やかに血中に移行し血中濃度の半減期は約40分であった。
16.5 排泄
健康成人男子に10mg筋肉内投与した場合、投与量の大部分が比較的速やかに尿中へ排泄される。
18.1 作用機序
細血管に作用して、血管透過性亢進を抑制し、血管抵抗値を増強する。血液凝固・線溶系に影響を与えることなく出血時間を短縮し、止血作用を示す。
18.2 血管透過性抑制作用
18.2.1 ウサギ 5、10mg/kg筋肉内投与により、カリクレインによる血管透過性亢進を投与後60分で各々20%、30%抑制する
1)。
18.2.2 ウサギ 0.5、2.5、5.0mg/kg静脈内投与により、ヒアルロニダーゼ拡散率を各々28%、40%、65%抑制する
2)。
18.3 細血管抵抗値増強作用
18.3.1 モルモット 0.5mg/kg腹腔内投与により、細血管抵抗値を最高41.9Pa増強し、その作用は約5時間持続する
3)。
18.3.2 ウサギ 10mg/kg筋肉内投与により、瞬膜血管抵抗値を投与後60分で1.3倍増強する
1)。
18.4 出血時間短縮作用
18.4.1 ウサギ 2.5、5.0mg/kg静脈内投与により、出血時間を投与後60分で各々18%、42%短縮し、その作用は3時間以上持続する
2)。
18.5 血小板、血液凝固系に対する作用
18.5.1 ウサギ 5.0mg/kg静脈内投与において、血小板数の変化は認められない
2)。
18.5.2 ウサギ 4.0mg/kg筋肉内投与において、血液凝固時間の変化は認められない
4)。
18.6 呼吸系、循環系に対する作用
18.6.1 ウサギ 5.0、10.0mg/kg静脈内投与において、呼吸、血圧の変化は認められない
4)5)。
18.6.2 ウサギ 4%液耳血管灌流及び5×10
−4液摘出腸間膜血管灌流において、血管の収縮は認められない
4)5)。