医療用医薬品 : グリベック |
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総称名 | グリベック |
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一般名 | イマチニブメシル酸塩 |
欧文一般名 | Imatinib Mesilate |
製剤名 | イマチニブメシル酸塩錠 |
薬効分類名 | 抗悪性腫瘍剤(チロシンキナーゼインヒビター) |
薬効分類番号 | 4291 |
ATCコード | L01EA01 |
KEGG DRUG |
D01441
イマチニブメシル酸塩
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KEGG DGROUP |
DG03161
BCR-ABL阻害薬
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JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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グリベック錠100mg | Glivec Tablets 100mg | ノバルティスファーマ | 4291011F1028 | 1413.7円/錠 | 劇薬, 処方箋医薬品 |
好中球数/血小板数 | 投与量調節 | |
HES又はCEL(初回用量100mg/日) | 好中球数<1,000/mm3 又は 血小板数<50,000/mm3 | 1.好中球数1,500/mm3以上及び血小板数75,000/mm3以上に回復するまで休薬する。 2.休薬前(重度の副作用の発現前)と同用量で治療を再開する。 |
慢性期CML、GIST(初回用量400mg/日)、HES又はCEL(用量400mg/日) | 好中球数<1,000/mm3 又は 血小板数<50,000/mm3 | 1.好中球数1,500/mm3以上及び血小板数75,000/mm3以上に回復するまで休薬する。 2.400mg/日で治療を再開する。 3.再び好中球数が1,000/mm3を下回るか、又は血小板数が50,000/mm3を下回った場合は、1へ戻り、300mg/日で治療を再開する。 |
移行期CML、急性期CML又はPh+ALL(初回用量600mg/日) | 注1)好中球数<500/mm3 又は 血小板数<10,000/mm3 | 1.血球減少が白血病に関連しているか否かを確認(骨髄穿刺)する。 2.白血病に関連しない場合は400mg/日に減量する。 3.血球減少が2週間続く場合は更に300mg/日に減量する。 4.白血病に関連しない血球減少が4週間続く場合は好中球数が1,000/mm3以上、及び血小板数が20,000/mm3以上に回復するまで休薬し、その後300mg/日で治療を再開する。 |
注1)原則として、少なくとも1ヵ月治療を継続後(患者の全身状態に十分注意すること) |
ロミタピド (ジャクスタピッド) [2.3参照] | ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。注1) | 本剤のCYP3A4阻害作用により、ロミタピドの代謝が阻害されると考えられる。 |
L-アスパラギナーゼ | 本剤との併用により肝障害の発現率が上昇したとの報告がある。 | 機序は不明であるが、共に肝障害の副作用を有する。 |
アゾール系抗真菌剤 エリスロマイシン クラリスロマイシン | 本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤とアゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール)の併用により、本剤のCmax及びAUCはそれぞれ26%及び40%増加した。 | これらの薬剤はCYP3A4活性を阻害することにより、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
フェニトイン デキサメタゾン カルバマゼピン リファンピシン フェノバルビタール セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の血中濃度が低下する可能性がある。フェニトインを長期投与中の患者に本剤を投与した場合、フェニトインを服用していない患者と比べ本剤のAUCは約5分の1であった。リファンピシン投与中に本剤を併用投与した場合、単独投与時に比べ、本剤のCmax、AUCがそれぞれ54%及び74%低下した。 | これらの薬剤等はCYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させる可能性がある。 |
シンバスタチン シクロスポリン ピモジド トリアゾラム ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤 | これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。 本剤とシンバスタチンの併用により、シンバスタチンのCmax及びAUCは平均でそれぞれ2及び3倍の増加を示した。また、この相互作用には大きな個体差がみられ、Cmax及びAUCにおける比(併用/単独)の個別値はそれぞれ0.54〜17.6及び0.75〜15.7(最小値〜最大値)の範囲であった。 | 本剤のCYP3A4阻害作用によりCYP3A4基質薬物の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
ニロチニブ | 本剤及びニロチニブの血中濃度が上昇することがある。 本剤とニロチニブの併用により、本剤のAUCは18〜39%、ニロチニブのAUCは18〜40%上昇したとの報告がある。 | ニロチニブがCYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害して本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。また、本剤がCYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害してニロチニブの血中濃度を上昇させる可能性もある。 |
ワルファリン | 本剤との併用によりプロトロンビン比が顕著に上昇したとの報告がある。抗凝固剤の投与が必要とされる場合は、ヘパリンの投与が望ましい。 | 本剤のCYP2C9阻害作用によりワルファリンの代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
アセトアミノフェン | 本剤と高用量のアセトアミノフェン(3〜3.5g/日)との併用により重篤な肝障害が発現したとの報告がある。 | 機序は不明であるが、両薬剤による肝毒性が増強される可能性がある。 |
グレープフルーツジュース | 本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤服用中は飲食を避けること。 | 発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツジュースに含まれる成分がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
皮膚 | 発疹 | 紅斑、脱毛、湿疹、そう痒 | 角化症、頭皮痛、疣贅、口唇炎、口唇ヘルペス、蕁麻疹、帯状疱疹、爪の障害、色素沈着障害、皮膚乾燥、紫斑、皮膚色素脱失、光線過敏性反応、脂肪織炎 | 挫創、乾癬悪化、水疱性皮疹、血管浮腫、好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet病)、苔癬様角化症、扁平苔癬、点状出血、斑状出血、手足症候群、偽性ポルフィリン症 |
精神神経系 | − | 頭痛 | 感覚減退、錯感覚、めまい、回転性めまい、末梢神経障害、うつ病、不安、片頭痛、記憶障害、不眠、頭重感、傾眠 | リビドー減退、錯乱、痙攣発作、失神 |
眼 | − | 流涙増加 | 眼のそう痒感、結膜炎、結膜下出血、霧視、眼充血 | 網膜出血、眼刺激、眼乾燥、黄斑浮腫、乳頭浮腫、緑内障、硝子体出血 |
筋・骨格系 | 筋痙攣 | 関節痛、筋肉痛 | 骨痛、関節・筋のこわばり、筋痙直、腰痛、関節腫脹、筋力低下 | 坐骨神経痛、関節炎、投与中止に伴う筋骨格系疼痛、骨壊死 |
消化器 | 嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振 | 心窩部痛、腹部膨満、腹部不快感、腹痛、鼓腸放屁、味覚異常、口内炎 | 口渇、膵炎、消化管潰瘍、口腔アフタ、歯周炎、胃炎、血便、便秘、消化不良、胸やけ | 逆流性食道炎、大腸炎、おくび、胃腸炎、食欲亢進、憩室炎、嚥下障害 |
肝臓 | LDH、AST、ALT、ALP上昇 | 総ビリルビン上昇 | − | LDH低下 |
呼吸器 | − | − | 咳嗽、急性上気道炎、鼻・咽頭炎、呼吸困難、咽喉頭痛、鼻出血 | − |
血液 | リンパ球減少症、好酸球増多症 | 白血球増多 | 血小板増多 | − |
血管障害 | − | − | 血腫、舌血腫、潮紅、血圧上昇、血圧低下 | 末梢冷感 |
腎臓 | − | BUN上昇、血清クレアチニン上昇 | 尿潜血、尿蛋白 | 腎臓痛、頻尿、尿沈渣異常、尿中ウロビリノーゲン増加 |
浮腫 | 表在性浮腫(眼窩周囲浮腫、顔面浮腫、眼瞼浮腫等)、下肢浮腫 | 全身浮腫 | 男性性器浮腫 | − |
生殖器 | − | − | 女性化乳房、月経過多 | 乳房腫大、乳頭痛、性的不能 |
臨床検査 | 血清カリウム低下、血清リン低下、血清アルブミン低下 | 血清カリウム上昇、血清ナトリウム低下、血清カルシウム低下、尿酸値上昇又は低下、血糖値上昇、CK上昇 | フィブリノーゲン減少、CRP上昇、プロトロンビン時間の延長、血糖値低下、血清総蛋白低下、血中アミラーゼ上昇 | ACTH上昇、TSH上昇、血清リン上昇、血清総蛋白上昇、プロトロンビン時間の短縮、APTTの延長、フィブリノーゲン増加、FDP上昇、低マグネシウム血症 |
その他 | けん怠感 | 発熱、疲労感、体重増加 | 発汗、体重減少、脱水、耳鳴、疼痛、脱力(感)、難聴、胸痛、動悸 | 頻脈、痛風、悪寒、寝汗 |
製剤 | Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | AUC0-96(μg・h/mL) | T1/2(h) |
カプセル剤400mg※(30例) | 1.75±0.70 | 2.98±1.09 | 27.4±12.9 | 15.8±2.9 |
錠剤400mg※※(30例) | 1.64±0.60 | 3.10±1.04 | 26.4±11.7 | 15.9±3.1 |
投与量 | 投与日 | Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | AUC0-24(μg・h/mL) | T1/2(h) |
200mg(3例) | 1日目 | 0.735±0.149 | 3.33±1.15 | 7.78±1.53 | 10.5±0.4 |
28日目 | 1.12±0.16 | 3.33±1.15 | 16.7±0.6 | 17.0±2.1 | |
400mg(3例) | 1日目 | 1.41±0.41 | 2.67±1.15 | 19.4±7.1 | 12.4±1.9 |
28日目 | 2.14±0.67 | 2.67±1.15 | 33.2±14.9 | 18.0±4.9 | |
600mg(6例)※ | 1日目 | 2.05±0.65 | 5.33±2.07 | 31.1±11.1 | 14.3±3.1 |
28日目 | 3.94±2.52 | 3.88±0.26 | 66.1±40.8 | 18.2±3.4 |
投与量 | 投与日 | Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | AUC0-24(μg・h/mL) | T1/2(h) |
400mg(6例) | 1日目 | 2.39±1.12 | 5.33±2.07 | 35.4±21.5 | 12.8±2.5 |
14日目※ | 3.73±0.55 | 3.21±1.12 | 61.3±15.5 | 19.7±5.8 | |
600mg(9例) | 1日目 | 3.24±1.62 | 5.03±2.45 | 49.1±31.1 | 13.4±2.5 |
14日目 | 3.83±1.38 | 3.75±1.87 | 68.0±26.7 | 23.0±5.1 | |
800mg(400mg×2)(4例) | 1日目 | 3.15±1.11 | 5.00±2.00 | [26.0±6.4] | 7.40±1.45 |
14日目 | 4.73±0.80 | 2.49±1.91 | [47.3±8.1] | 18.6±2.4 |
投与量 | 投与日 | Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | AUC0-24(μg・h/mL) | T1/2(h) |
400mg(9例) | 1日目 | 2.51±1.00 | 3.23±1.91 | 34.7±13.6 | 15.5±1.9 |
29日目※ | 2.86±0.87 | 3.24±2.05 | 47.6±17.0 | 20.0±4.9 |
慢性期慢性骨髄性白血病(n=532) 400mg | 移行期慢性骨髄性白血病(n=235) 600mg n=158 400mg n=77 | 急性期慢性骨髄性白血病(n=260) 600mg n=223 400mg n=37 | ||
血液学的効果注1)(95%信頼区間) | 94.5%(92.3〜96.3) | 71.5%(65.3〜77.2) | 30.8%(25.2〜36.8) | |
血液学的完全寛解(CHR) | 94.5% | 42.1% | 8.1% | |
白血病の証拠なし(NEL) | − | 12.3% | 4.6% | |
慢性期への回復(RTC) | − | 17.0% | 18.1% | |
細胞遺伝学的効果注2)(95%信頼区間) | 64.5%(60.2〜68.5) | 27.2%(21.7〜33.4) | 15.4%(11.2〜20.4) | |
完全寛解 | 48.3% | 20.4% | 7.3% |
投与量 | 400mg(n=73) |
奏効率注4) (95%信頼区間) | 67.1% (55.1〜77.7) |
病勢コントロール率注5) (95%信頼区間) | 80.8% (69.9〜89.1) |
Complete Response | 0% |
Partial Response | 67.1% |
Stable Disease | 13.7% |
Progressive Disease | 16.4% |
Could not be evaluated | 2.7% |
投与量 | 400mg(n=28) |
奏効率注6) (95%信頼区間) | 46.4% (27.5〜66.1) |
病勢コントロール率注7) (95%信頼区間) | 100% (87.7〜100) |
Complete Response | 0% |
Partial Response | 46.4% |
Stable Disease | 53.6% |
Progressive Disease | 0% |
400mg(n=10) | 600mg(n=46) | ||
血液学的効果注9)(95%信頼区間) | 0% | 26.1% (14.3〜41.1) | |
血液学的完全寛解(CHR) | 0% | 8.7% | |
白血病の証拠なし(NEL) | 0% | 2.2% | |
慢性期への回復(RTC) | 0% | 15.2% | |
細胞遺伝学的効果注10)(95%信頼区間) | 10.0% (0.3〜44.5) | 34.8% (21.4〜50.2) |
コア フェーズ注11) | コア+エクステンション フェーズ注11) | |||
All response | Sustained response | All response | Sustained response | |
血液学的効果注12) (95%信頼区間) | 100%(8/8) (63.1〜100.0) | 62.5%(5/8) (24.5〜91.5) | 100%(8/8) (63.1〜100.0) | 62.5%(5/8) (24.5〜91.5) |
血液学的完全寛解(CHR) | 37.5%(3/8) | 0%(0/8) | 37.5%(3/8) | 37.5%(3/8) |
骨髄内完全寛解(Marrow-CR) | 62.5%(5/8) | 62.5%(5/8) | 62.5%(5/8) | 25.0%(2/8) |
細胞遺伝学的効果注13) (95%信頼区間) | − | − | 87.5% (47.3〜99.7) | − |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2025/07/23 版 |