医療用医薬品 : ハチアズレ

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医薬品情報


総称名 ハチアズレ
一般名 アズレンスルホン酸ナトリウム水和物
炭酸水素ナトリウム
欧文一般名 Sodium Gualenate Hydrate
Sodium Bicarbonate
製剤名 アズレンスルホン酸ナトリウム水和物・炭酸水素ナトリウム配合顆粒
薬効分類名 口腔・咽頭疾患含嗽剤
薬効分類番号 2260
KEGG DRUG
D04344 アズレンスルホン酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年4月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
含嗽用ハチアズレ顆粒 HACHIAZULE GARGLE 東洋製薬化成 2260702F1055 6.1円/g

4. 効能または効果

咽頭炎、扁桃炎、口内炎、急性歯肉炎、舌炎、口腔創傷

6. 用法及び用量

通常1回1包(2g)を、適量(約100mL)の水又は微温湯に溶解し、1日数回含嗽する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1%未満頻度不明
口腔口中のあれ口腔、咽頭の刺激感

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
抜歯後等の口腔創傷の場合、血餅の形成が阻害されると思われる時期には、はげしい洗口を避けさせること。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験(一般臨床試験)
口腔内炎症性疾患に対する一般臨床試験において、698例中481例(68.9%)に有効であった。
17.1.2 国内臨床試験(二重盲検比較試験)
(1)耳鼻咽喉科領域
プラセボを対照とした二重盲検比較試験(90例)の結果、それぞれの有効率は、本剤71.2%(37/52例)、プラセボ群18.4%(7/38例)であり、有意差(P<0.005)が認められた。また、副作用は全例に認められなかった1)
(2)口腔外科領域
プラセボを対照とした二重盲検比較試験(22例)の結果、それぞれの有効率は、本剤75.0%(9/12例)、プラセボ群40.0%(4/10例)であり、有意差(P<0.05)が認められた。また、副作用は全症例を通じて全身的にも局所的にも認められなかった2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物の抗炎症作用は、白血球遊走阻止作用及び肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用等によるものである。下垂体−副腎系を介さず、また、PGE2生合成阻害作用を示さない。このことから、本剤は炎症組織に対する直接的な局所作用を発揮すると考えられている3)4)
炭酸水素ナトリウムは、粘液をアルカリ化することにより局所性の粘液溶解作用を示す5)
18.2 アズレンスルホン酸ナトリウム水和物の各種実験的炎症に対する作用
18.2.1 抗炎症作用
各種炎症に対するアズレンスルホン酸ナトリウム水和物(GASN)の抑制効果
 起炎物質動物GASN投与方法GASN投与量
足蹠浮腫法カラゲニン6)ラット腹腔内50〜100mg/kg
デキストラン7)ラット皮下10−4及び
2×10−5g/mL×0.05mL
肉芽腫法8)ラット筋肉内1〜5mg/animal×5日間
熱炎症法9)マウス腹腔内70mg/kg
18.2.2 ヒスタミン遊離抑制作用
ヒスタミン遊離物質(HL48/80)により惹起せるラット皮膚のヒスタミン遊離をアズレンスルホン酸ナトリウム水和物50mg/kg/dayの3日間連続腹腔内投与で有意(P<0.01)に抑制された10)
18.2.3 上皮形成促進作用
ウサギの左右前歯肉頬部に生成せしめた火傷創傷に対し、0.05又は0.5%アズレンスルホン酸ナトリウム水和物塗布群(1日5回連日)が対照群に比して治癒日数短縮を示すことが認められた6)
18.3 アズレンスルホン酸ナトリウム水和物と炭酸水素ナトリウムの配合意義
ラットを用いた試験で、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物と炭酸水素ナトリウムの配合により、実験的炎症に対する協力効果が認められた11)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. アズレンスルホン酸ナトリウム水和物

一般的名称 アズレンスルホン酸ナトリウム水和物
一般的名称(欧名) Sodium Gualenate Hydrate
化学名 Sodium 1,4-dimethyl-7-isopropylazulene-3-sulfonate semihydrate又はmonohydrate
分子式 C15H17NaO3S・1/2H2O又はH2O
分子量 309.36又は318.36
物理化学的性状 暗青色の結晶又は結晶性の粉末で、におい及び味はない。
メタノールにやや溶けやすく、水又は酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、無水酢酸、ジエチルエーテル又はヘキサンにほとんど溶けない。
水溶液(1→200)のpHは6.0〜9.0である。
光により変化する。
理化学知見その他 19.1 アズレンスルホン酸ナトリウム水和物
KEGG DRUG D02706

19.2. 炭酸水素ナトリウム

一般的名称 炭酸水素ナトリウム
一般的名称(欧名) Sodium Bicarbonate
分子式 NaHCO3
分子量 84.01
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、特異な塩味がある。
水にやや溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
湿った空気中で徐々に分解する。
理化学知見その他 19.2 炭酸水素ナトリウム
KEGG DRUG D01203

20. 取扱い上の注意

外袋開封後は、遮光して保存すること。

22. 包装

2g×250包、2g×1000包

23. 主要文献

  1. 宮原裕他, 耳鼻臨床, 67, 1367-1375, (1974) »DOI
  2. 石橋恒雄他, 日本口腔外科学会雑誌, 21, 806-810, (1975) »DOI
  3. 柴田芳久他, 薬理と治療, 14, 1303-1311, (1986)
  4. 山崎英正他, 日薬理誌, 54, 362-377, (1958) »DOI
  5. 第十八改正日本薬局方解説書, C-3131-3135, (2021), (廣川書店)
  6. 奥田博久他, 歯界展望, 42, 997-1001, (1973)
  7. 宇田昭夫, 日薬理誌, 56, 1151-1163, (1960) »DOI
  8. Stern,P.,et al., Arztl.Forsch., 11, 495-498, (1957)
  9. Caujolle,F.,et al., Cong.Soc.Pharm.France., 9, 123-128, (1957)
  10. Stern,P., Arzneim.Forsch., 9, 551-553, (1959) »PubMed
  11. 桶谷米四郎他, 基礎と臨床, 19, 1477-1482, (1985)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
東洋製薬化成株式会社 医薬情報部
〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路5丁目20番19号
電話:0120-443-471
製品情報問い合わせ先
東洋製薬化成株式会社 医薬情報部
〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路5丁目20番19号
電話:0120-443-471

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売
東洋製薬化成株式会社
大阪市鶴見区鶴見2丁目5番4号
26.2 販売
小野薬品工業株式会社
大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/04/17 版