医療用医薬品 : ヂアミトール

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医薬品情報


総称名 ヂアミトール
一般名 ベンザルコニウム塩化物
欧文一般名 Benzalkonium Chloride
製剤名 8%エタノール添加0.1%ベンザルコニウム塩化物液
薬効分類名 外用殺菌消毒剤(滅菌製剤)
薬効分類番号 2616
ATCコード D08AJ01 D09AA11 R02AA16
KEGG DRUG
D00857 ベンザルコニウム塩化物
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年11月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
0.1W/V%ヂアミトール水E 0.1w/v% Germitol Water E 日興製薬 261670GQ2040

4. 効能または効果

手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒

6. 用法及び用量

<手指・皮膚の消毒>
通常石けんで十分に洗浄し、水で石けん分を十分に洗い落とした後、ベンザルコニウム塩化物0.05〜0.1%溶液に浸して洗い、滅菌ガーゼあるいは布片で清拭する。
術前の手洗の場合には、5〜10分間ブラッシングする。
<手術部位(手術野)の皮膚の消毒>
手術前局所皮膚面をベンザルコニウム塩化物0.1%溶液で約5分間洗い、その後ベンザルコニウム塩化物0.2%溶液を塗布する。
<医療機器の消毒>
ベンザルコニウム塩化物0.1%溶液に10分間浸漬するか、または厳密に消毒する際は、器具を予め2%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、その後ベンザルコニウム塩化物0.1%溶液中で15分間煮沸する。
<手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒>
ベンザルコニウム塩化物0.05〜0.2%溶液を布片で塗布・清拭するか、または噴霧する。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹、そう痒感等

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤で消毒したカテーテルで採取した尿は、スルホサリチル酸法による尿蛋白試験で偽陽性を示すことがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤は濃度に注意して使用すること。
14.1.2 炎症又は易刺激性の部位(陰股部等)に使用する場合には、正常の部位に使用するよりも低濃度とすることが望ましい。
14.1.3 希釈液として塩類含量の多い水又は硬水を用いないこと。
14.1.4 本剤を希釈して使用する場合は、調製後滅菌処理すること。
14.1.5 繊維、布(綿、ガーゼ、ウール、レーヨン等)は本剤の成分であるベンザルコニウム塩化物を吸着するので、これらを溶液に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下とならないように注意すること。
14.1.6 金属器具を長時間浸漬する必要がある場合には、腐食を防止するためにベンザルコニウム塩化物0.1%溶液に0.5〜1.0%の亜硝酸ナトリウムを添加すること。
14.2 薬剤使用時の注意
14.2.1 経口投与しないこと。
14.2.2 原液が眼に入らないように注意すること。入った場合には水でよく洗い流すこと。
14.2.3 皮膚の刺激症状があらわれることがあるので、注意すること。
14.2.4 全身吸収による筋脱力を起こすおそれがあるので、炎症部位に長期間又は広範囲に使用しないこと。
14.2.5 密封包帯、ギプス包帯、パックに使用すると刺激症状があらわれることがあるので、使用しないことが望ましい。
14.2.6 血清、膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は、十分に洗い落としてから使用すること。
14.2.7 石けん類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石けん分を洗い落としてから使用すること。
14.2.8 皮膚消毒に使用する綿球、ガーゼ等は滅菌保存し、使用時に溶液に浸すこと。
14.2.9 合成ゴム製品、合成樹脂製品、光学器具、鏡器具、塗装カテーテル等を変質させることがあるので、注意すること。
14.2.10 皮革製品の消毒に使用すると、変質させることがあるので、使用しないこと。
14.2.11 気管内吸引チューブの浸漬消毒に使用する本剤の溶液は、少なくとも毎日新しい溶液と取換えること。
14.2.12 本剤はエタノールを含有するため、煮沸消毒をする場合は引火に注意すること。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
タンパク変性及び酵素の切断、糖の分解と乳酸の酸化など代謝への作用、膜透過性障害による溶菌、リン及びカリウムの漏出、解糖の促進、原形質膜の活動を支える酵素に対する作用などが考えられている1)
18.2 殺菌作用
グラム陽性菌、グラム陰性菌のみならず、芽胞のない細菌やカビ類といった真菌類に対しても殺菌作用を有する。結核菌及び大部分のウイルスに対する殺菌効果は期待できない1)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ベンザルコニウム塩化物

一般的名称 ベンザルコニウム塩化物
一般的名称(欧名) Benzalkonium Chloride
化学名 Ammonium,alkyldimethyl(phenylmethyl)-,chloride
分子式 [C6H5CH2N(CH3)2R]Cl
R:C8H17〜C18H37で主としてC12H25及びC14H29からなる。
分子量 354.01(C22H40ClNとして)
物理化学的性状 白色〜黄白色の粉末又は無色〜淡黄色のゼラチン状の小片、ゼリー様の流動体若しくは塊で、特異なにおいがある。水又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水溶液は振ると強く泡立つ。
KEGG DRUG D00857

20. 取扱い上の注意

20.1 開封時及び開封後は、微生物による汚染に注意すること。
20.2 本剤は滅菌製剤のため、開封後は速やかに使用すること。

22. 包装

500mL(ポリプロピレン容器)

23. 主要文献

  1. 第十八改正日本薬局方解説書, C-5320-5324, (2021), (廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
丸石製薬株式会社 学術情報部
〒538-0042 大阪市鶴見区今津中2-4-2
電話:0120-014-561
製品情報問い合わせ先
丸石製薬株式会社 学術情報部
〒538-0042 大阪市鶴見区今津中2-4-2
電話:0120-014-561

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日興製薬株式会社
岐阜県羽島市江吉良町1593
26.2 発売元
丸石製薬株式会社
大阪市鶴見区今津中2-4-2

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版