医療用医薬品 : ペルサンチン |
List Top |
総称名 | ペルサンチン |
一般名 | ジピリダモール |
欧文一般名 | Dipyridamole |
製剤名 | ジピリダモール製剤 |
薬効分類番号 | 2171 |
ATCコード | B01AC07 |
KEGG DRUG |
D00302
ジピリダモール
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
ペルサンチン錠25mg | Persantin Tablets 25mg | Medical Parkland | 2171010F2553 | 5.9円/錠 | 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患、うっ血性心不全
ワーファリンとの併用による心臓弁置換術後の血栓・塞栓の抑制
つぎの疾患における尿蛋白減少
ステロイドに抵抗性を示すネフローゼ症候群
狭心症、心筋梗塞、その他の虚血性心疾患、うっ血性心不全の場合
ジピリダモールとして、通常成人1回25mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
血栓・塞栓の抑制の場合
ジピリダモールとして、通常成人1日300〜400mgを3〜4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
尿蛋白減少を目的とする場合
ジピリダモールとして、通常成人1日300mgを3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
投薬開始後、4週間を目標として投薬し、尿蛋白量の測定を行い、以後の投薬継続の可否を検討する。
尿蛋白量の減少が認められない場合は、投薬を中止するなど適切な処置をとること。
尿蛋白量の減少が認められ投薬継続が必要な場合は、以後定期的に尿蛋白量を測定しながら投薬すること。
慎重投与
低血圧の患者[更に血圧を低下させることがある。]
重篤な冠動脈疾患(不安定狭心症、亜急性心筋梗塞、左室流出路狭窄、心代償不全等)のある患者[症状を悪化させることがある。]
重要な基本的注意
腎疾患への適応に当たっては、以下の点に留意すること。
病態の急速な進展がみられる場合には、中止又は他の療法を考慮するなど適切な処置を行うこと。
尿蛋白が減少した場合でも、腎機能が低下することがあるので、定期的に腎機能を検査するなど注意すること。
本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合、本剤の作用が増強され、副作用が発現するおそれがあるので、併用しないこと。(「過量投与」の項参照)
本剤との併用によりアデノシンの有害事象が増強されることから、本剤を投与されている患者にアデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は、12時間以上の間隔をあけること。(「相互作用」の項参照)
相互作用
併用禁忌
アデノシン (アデノスキャン) | 完全房室ブロック、心停止等が発現することがある。本剤の投与を受けた患者にアデノシン(アデノスキャン)を投与する場合には少なくとも12時間の間隔をおく。もし完全房室ブロック、心停止等の症状があらわれた場合はアデノシン(アデノスキャン)の投与を中止する。 | 本剤は体内でのアデノシンの血球、血管内皮や各臓器での取り込みを抑制し、血中アデノシン濃度を増大させることによりアデノシンの作用を増強する。 |
併用注意
キサンチン系製剤 テオフィリン アミノフィリン | 本剤の作用が減弱されるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | テオフィリン等のキサンチン系製剤は、本剤のアデノシンを介した作用を阻害する。 |
アデノシン三リン酸二ナトリウム | 本剤はアデノシンの血漿中濃度を上昇させ、心臓血管に対する作用を増強するので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | 本剤は体内でのアデノシンの血球、血管内皮や各臓器での取り込みを抑制し、血中アデノシン濃度を増大させることによりアデノシンの作用を増強する。 |
降圧剤 | 本剤は降圧剤の作用を増強することがあるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | 本剤の血管拡張作用により、降圧剤の作用が増強されることがある。 |
抗凝固剤 ダビガトランエテキシラート、ヘパリン等 | 出血傾向が増強するおそれがあるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | これら薬剤は抗凝固作用を有するためと考えられる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
調査症例5,811例(再評価結果および再審査終了時)中副作用が報告されたのは、331例(5.70%)であった。主な副作用は、頭痛201件(3.46%)、嘔気41件(0.71%)、心悸亢進25件(0.43%)、腹痛14件(0.24%)、脱力・倦怠感15件(0.26%)等であった。
また、臨床検査値においては特に一定の傾向を示す変動は認められていない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
狭心症状の悪化(0.1%未満)
狭心症状が悪化することがあるので、このような場合には、投与を中止すること。
出血傾向(頻度不明)
眼底出血、消化管出血、脳出血等の出血傾向があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少(頻度不明)
血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
過敏症(頻度不明)
気管支痙攣、血管浮腫等の過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症注) | 発疹 | 蕁麻疹 | |
精神神経系 | 頭痛、めまい、熱感、のぼせ感、ほてり、倦怠感、脱力感 | しびれ感、肩こり | |
循環器 | 心悸亢進 | 頻脈、血圧低下、潮紅 | |
消化器 | 悪心、嘔気、嘔吐、食欲不振、口渇、便秘、腹痛、下痢 | 腹部膨満感 | |
肝臓 | 肝機能検査値異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等) | ||
その他 | 異和感、胸痛 | 発汗、耳鳴、筋肉痛、鼻出血、皮下出血 |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(マウス)でわずかに胎児への移行が報告されている。]
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ウサギ)で母乳中へ移行することが報告されている。]
過量投与
症状
本剤の過量服用により熱感、顔面潮紅、発汗、不穏、脱力感、めまい、狭心様症状、血圧低下、頻脈があらわれることがある。
処置
一般的な対症療法が望ましいが、過量服用の可能性がある場合は、必要に応じ胃洗浄を行うこと。激しい胸痛が発現した場合は、アミノフィリンの静注等の適切な処置を行うこと。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
海外において慢性安定狭心症の患者を対象にβ遮断剤、カルシウム拮抗剤、および長時間型硝酸剤投与中の本剤の追加投与の効果を検討するため、二重盲検法にてジピリダモール徐放カプセル(1回200mg1日2回)またはプラセボを24週間追加投与したところ、「運動耐容時間」に対する本剤の追加投与の効果は認められなかったとの試験成績がある。
少数例ではあるが、非抱合型ジピリダモールが胆石中に取り込まれていたことを示す症例が報告されている。
吸収・代謝・排泄
狭心症、心筋梗塞、その他の虚血性心疾患、うっ血性心不全の場合
国内で実施された臨床試験の結果、承認された効能・効果に対する本剤の臨床効果が認められた。
血栓・塞栓の抑制の場合
心臓弁置換術を受けた患者を対象とした比較臨床試験、一般臨床試験及び再審査調査症例等において、血栓・塞栓の抑制における本剤とワーファリンとの併用投与の有用性が認められた。
薬剤名 | ワーファリン+ジピリダモール |
効果判定例数 | 647例 |
血栓・塞栓発生率 | 3.9%(25/647) |
尿蛋白減少を目的とする場合
二重盲検比較試験4)、一般臨床試験及び再審査調査症例等において、ネフローゼ症候群における尿蛋白減少において本剤の有用性が認められた。
なお、ステロイド抵抗性以外のネフローゼ症候群に対する有用性は確立していない。
有効率解析例数 | 1,861例 |
有効率(有効例数/有効率解析例数) | 67.9%(1,264/1,861) |
抗血小板作用
血栓・塞栓抑制作用
尿蛋白減少作用
心筋保護作用
虚血心筋への酸素供給作用
作用機序
抗血小板作用
健康成人において血管壁からのプロスタサイクリン(PGI2)の放出促進、作用増強及び血小板のトロンボキサンA2(TXA2)の合成抑制により、PGI2とTXA2のバランスを改善する。19)また、血液中アデノシンの赤血球、血管壁への再取り込み抑制作用20)21)により、血液中アデノシン濃度を上昇させ、血小板のアデニールサイクラーゼ活性を増強し、血小板内c-AMPの合成を促進する。22)また、血小板内c-AMPホスホジエステラーゼの活性を抑制し、血小板内のc-AMP濃度を高める(ヒト血小板23))。また、c-GMPホスホジエステラーゼ活性を抑制し、c-GMP濃度を高める。23)これらの作用により、血小板の活性化を抑制する。
尿蛋白減少作用
冠血管拡張作用
臨床薬理
ペルサンチン錠25mg
100錠(10錠×10)PTP
1000錠(10錠×100)PTP
500錠 瓶
1. | 河野恒文ほか, 薬理と治療, 11, 4291, (1983) |
2. | 河野恒文ほか, 薬理と治療, 15, 1531, (1987) |
3. | Beisenherz G et al, Arzneimittelforschung, 10, 307, (1960) »PubMed |
4. | 上田 泰ほか, 日腎誌, 21, 1171, (1979) »DOI |
5. | 小山哲夫ほか, 日腎誌, 24, 27, (1982) »DOI |
6. | Philp R B et al, Nature, 218, 1072, (1968) »PubMed »DOI |
7. | Alshabkhoun S, Am J Cardiol, 19, 325, (1967) |
8. | Mayer J E et al, Ann Surg, 178, 108, (1973) »PubMed »DOI |
9. | Emmons P R et al, Nature, 208, 255, (1965) »PubMed »DOI |
10. | Didisheim P, Thromb Diathes Haemorrh, 20, 257, (1968) »PubMed |
11. | Kimura K et al, J Toxicol Sci, 4, 1, (1978) |
12. | Nagase M et al, Renal Physiol, 7, 218, (1984) »PubMed »DOI |
13. | 相原吉雄, 日腎誌, 30, 895, (1988) »DOI |
14. | 鈴木良雄ほか, 日腎誌, 23, 323, (1981) »DOI |
15. | Hockerts Th et al, Arzneimittelforschung, 9, 47, (1959) »PubMed |
16. | Lozada B B et al, Cardiologia, 49, 33, (1966) »PubMed »DOI |
17. | Kadatz R, Arzneimittelforschung, 9, 39, (1959) »PubMed |
18. | Nakagawa Y et al, Jpn J Pharmacol, 29, 271, (1979) »PubMed »DOI |
19. | Neri Serneri G G et al, Florence International Meeting on Myocardial Infarction May 8〜12,1979 Proceedings, Volume I, 489 |
20. | Bunag R D et al, Circulation Res, 15, 83, (1964) »PubMed »DOI |
21. | Roos H et al, Molec Pharmacol, 8, 417, (1972) »PubMed |
22. | Gresele P et al, Thromb Haemostas, 50, 852, (1983) »PubMed |
23. | Best L C et al, Thromb Res, 16, 367, (1979) »PubMed »DOI |
24. | Harker L A et al, N Engl J Med, 283, 1302, (1970) »PubMed »DOI |
25. | Rajah S M et al, Br J Clin Pharmacol, 4, 129, (1977) »PubMed »DOI |
改訂履歴 |
2022年5月 作成 (第1版) |
文献請求先 |
株式会社Medical Parkland |
業態及び業者名等 |
製造販売 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2024/02/21 版 |