16.1.1 健康成人男子にエルカトニン40単位を単回筋肉内注射したとき、血漿中濃度(ELISA法)は23.3分後にピークに達し、消失半減期は36.6分であった。健康成人男子にエルカトニン10、20、40単位
注1)をそれぞれ単回筋肉内注射したときの薬物濃度パラメータは、以下のとおりであった
5)。
投与量注2) | Tmax(min) | Cmax(pg/mL) | T1/2(min) | AUC0-∞(pg・min/mL) |
10単位 | 23.3±5.2 | 7.6±2.2 | 41.7±8.7 | 632±199 |
20単位 | 21.7±4.1 | 24.8±7.8 | 35.4±9.8 | 1841±422 |
40単位 | 23.3±5.2 | 57.8±11.7 | 36.6±4.1 | 4640±991 |
16.1.2 エルカトニン40単位を90分間かけて点滴静注したとき、点滴中は筋肉内注射時よりやや高い血清中濃度を維持し、点滴終了後の血中からのエルカトニンの消失は速やかであった
6)。
注1)本剤の承認用法・用量は「高カルシウム血症:通常、成人には1回エルカトニンとして40エルカトニン単位を1日2回朝晩に筋肉内注射または点滴静注する。点滴静注においては希釈後速やかに使用し、1〜2時間かけて注入する。なお、年齢および血中カルシウムの変動により適宜増減する。骨ページェット病:通常、成人には1回エルカトニンとして40エルカトニン単位を原則として1日1回筋肉内注射する。」である。
注2)本剤の活性は、日局標準品を基準にして生物学的測定法により測定し、約6,000エルカトニン単位/mgである。
3H-エルカトニンをラットに筋肉内投与した場合、腎、膵、骨、胃に多く分布する
7)。
エルカトニンをラット臓器抽出物と反応させた場合、主に腎臓のミクロゾーム画分で代謝される
8)。
3H-エルカトニンをラットに筋肉内投与した場合、120時間までに尿、糞及び呼気中に44.0%の放射能が排泄される。また、ゲルろ過による尿中排泄物の分析では、尿中にエルカトニン未変化体は認められない
7)。