医療用医薬品 : アボネックス

List   Top

医薬品情報


総称名 アボネックス
一般名 インターフェロン ベータ-1a(遺伝子組換え)
欧文一般名 Interferon Beta-1a(Genetical Recombination)
製剤名 インターフェロン ベータ-1a(遺伝子組換え)筋注用液状製剤
薬効分類名 遺伝子組換え型インターフェロンβ-1a製剤
薬効分類番号 6399
ATCコード L03AB07
KEGG DRUG D04554 インターフェロンベータ-1a
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
KEGG DGROUP DG01751 インターフェロンベータ
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 承認条件 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アボネックス筋注用シリンジ30μg AVONEX IM Injection Syringe バイオジェン・ジャパン 6399422G1027 40078円/筒 生物由来製品 , 劇薬 , 処方箋医薬品

警告

本剤又は他のインターフェロン製剤の投与によりうつ病や自殺企図が報告されているので、投与にあたっては、うつ病、自殺企図の症状又は他の精神神経症状があらわれた場合には直ちに医師に連絡するように注意を与えること[「禁忌」、「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照]。

間質性肺炎があらわれることがあるので、投与にあたっては、患者の状態を十分に観察し、呼吸困難等があらわれた場合には、直ちに医師に連絡するように注意を与えること[「重大な副作用」の項参照]。

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分又は他のインターフェロン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

重度のうつ病又は自殺念慮のある患者又はその既往歴のある患者[「警告」、「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照]

非代償性肝疾患の患者[症状が悪化するおそれがある]

自己免疫性肝炎の患者[肝炎が悪化するおそれがある]

治療による管理が十分なされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれがある]

小柴胡湯を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

ワクチン等生物学的製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

多発性硬化症の再発予防

効能効果に関連する使用上の注意

進行型多発性硬化症に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。

用法用量

通常、成人にはインターフェロン ベータ-1a(遺伝子組換え)として1回30μgを週一回筋肉内投与する。

用法用量に関連する使用上の注意

注射部位反応(発赤、発疹等)が報告されているので、投与ごとに注射部位を変えること。

使用上の注意

慎重投与

うつ病又は他の精神神経症状のある患者又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある(「警告」、「禁忌」及び「重大な副作用」の項参照)]

てんかん等のけいれん性疾患又はこれらの既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある(「禁忌」及び「重大な副作用」の項参照)]

心疾患(狭心症、うっ血性心不全及び不整脈等)のある患者又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある(「重大な副作用」の項参照)]

骨髄抑制、貧血又は血小板減少症のある患者[症状が悪化するおそれがある(「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)]

重篤な肝障害のある患者又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある(「禁忌」、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)]

重篤な腎障害のある患者[症状が悪化するおそれがある]

アレルギー素因のある患者[症状が悪化するおそれがある(「禁忌」、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)]

高血圧症を有する患者[脳出血等があらわれるおそれがある]

糖尿病患者又はその既往歴、家族歴、耐糖能障害のある患者[症状が悪化するおそれがある]

多発性硬化症以外の自己免疫疾患のある患者又はその素因のある患者[症状が悪化するおそれがある(「重大な副作用」の項参照)]

薬物過敏症の既往歴のある患者[ショック等の過敏症があらわれることがある(「禁忌」、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)]

投与を一時中止し、再投与する場合[ショック等の過敏症があらわれることがある(「禁忌」、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)]

重要な基本的注意

本剤の投与初期においてインフルエンザ様症状(発熱、悪寒、頭痛、筋痛、無力症、疲労、悪心及び嘔吐等)があらわれるので、その旨を患者にあらかじめ説明しておくこと。投与数時間〜数日後にあらわれることもあるので、投与後数日間は慎重に観察するとともに、異常が認められた場合には、解熱消炎鎮痛薬の併用等適切な処置を行うこと。

過敏症等の反応を予測するため、使用に際しては十分な問診を行うとともに、あらかじめ本剤によるプリック試験を行うことが望ましい[「禁忌」、「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照]。

劇症肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがある。投与開始前及び投与中は肝機能検査〔AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP等〕を定期的に(1〜3ヵ月に1回)行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。肝機能障害の既往のある患者では、投与開始1〜2週間後にも検査をすることが望ましい。また、肝機能障害が報告されている薬剤やアルコールなどと本剤の併用により肝障害が発現する可能性があるので、それらと併用する際には十分注意すること。また、本剤投与後に悪心・嘔吐、倦怠感、食欲不振、尿濃染、眼球結膜黄染等の症状があらわれた場合には、医師等に連絡するよう患者に指導すること[「禁忌」、「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照]。

汎血球減少症、白血球減少又は血小板減少等の血球数減少を起こすことがあるので、白血球分画及び血小板数を含む血液検査を定期的に行い、患者の状態を十分に観察すること[「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照]。

本剤投与中は尿検査(尿蛋白)を定期的に行い、血清総蛋白減少、血清アルブミン減少を伴う重篤な蛋白尿が認められた場合には、減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。

自己投与の適用については、医師がその妥当性を検討し、患者に対し十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法を理解させ、患者自らが筋肉内に確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。また、適用後、感染等本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。
使用済みの注射針あるいは注射器を再使用しないように患者に注意を促し、安全な廃棄方法について指導を徹底すること。すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの針及び注射器を廃棄する容器を提供すること[「取扱い上の注意」の項参照]。

本剤投与により中和抗体が出現することがある。In vitroの試験において、中和抗体が本剤の生物活性を減弱させることが知られている。また、中和抗体が、本剤の臨床効果を減弱させる可能性がある[「その他の注意」の項参照]。

抑うつ、自殺企図があらわれることがある。また、躁状態、攻撃的行動があらわれ、他害行為に至ることがある。患者の精神状態に十分注意し、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するなど、投与継続の可否について慎重に検討すること。また、これらの症状が認められた場合には、投与終了後も観察を継続することが望ましい。

本剤の投与にあたっては、抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。

相互作用

併用禁忌

小柴胡湯間質性肺炎があらわれるおそれがある。なお、類薬(インターフェロンα製剤)と小柴胡湯との併用で間質性肺炎があらわれたとの報告がある。機序は不明である。

併用注意

抗てんかん剤
(フェニトイン等)
抗てんかん剤の作用を増強するおそれがある。インターフェロン類は、動物において肝チトクロームP450分子種2C9及び2C19の活性を低下させるとの報告がある。
アンチピリン本剤の投与量増加に伴い血漿中アンチピリンの消失が遅延することが報告されている。インターフェロン類は、ヒトにおいて肝チトクロームP450分子種1A2の量及び活性を低下させるとの報告がある。
ワルファリンワルファリンの作用を増強するおそれがあるので用量を調節するなど注意すること。インターフェロン類は、ヒトにおいて肝チトクロームP450分子種1A2の量及び活性を低下させるとの報告がある。
テオフィリンテオフィリンの血中濃度を高めるおそれがある。インターフェロン類は、ヒトにおいて肝チトクロームP450分子種1A2の量及び活性を低下させるとの報告がある。

副作用

副作用発現状況の概要

<国内臨床試験成績>

国内臨床試験において25例中25例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、インフルエンザ様症状20例(80%)、発熱11例(44%)及び頭痛7例(28%)であった(承認時)。

<海外臨床試験成績における有害事象注3)

海外臨床試験2試験において安全性評価対象351例中347例(99%)に有害事象が認められた。主な有害事象は頭痛204例(58%)、インフルエンザ様症状172例(49%)、筋痛103例(29%)、無力症84例(24%)、疼痛80例(23%)、悪心82例(23%)及び発熱69例(20%)であった(承認時)。

注3)プラセボ群より2%以上高い頻度で発生した有害事象

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

うつ病、自殺企図、躁状態、攻撃的行動(頻度不明)

観察を十分に行い、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと[「重要な基本的注意」の項参照]。

アナフィラキシー様症状(頻度不明)

アナフィラキシー様症状(呼吸困難、気管支けいれん、舌浮腫、発疹及び蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと[「禁忌」、「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照]。

白血球減少、血小板減少、汎血球減少(頻度不明)

白血球減少、血小板減少(10,000個/μL未満)及び汎血球減少等があらわれることがあるので、白血球分画及び血小板数を含む血液検査を定期的に行い、患者の状態を十分に観察するとともに、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと[「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照]。

てんかん等のけいれん性疾患(てんかん発作又はけいれん発作)(頻度不明)

発作の既往のない患者でも本剤投与に伴い発作(てんかん発作又はけいれん発作)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、投与継続の可否について慎重に検討すること[「禁忌」及び「慎重投与」の項参照]。

心疾患(頻度不明)

うっ血性心不全、心筋症又はうっ血性心不全を伴う心筋症が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと[「慎重投与」の項参照]。

自己免疫障害(頻度不明)

特発性血小板減少症、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症及び自己免疫性肝炎が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと[「慎重投与」の項参照]。

劇症肝炎、肝炎、肝機能障害(頻度不明)

劇症肝炎、肝炎及び肝機能障害等の重篤な肝障害があらわれることがあるので、肝機能検査を含む血液生化学的検査を定期的に行い、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと[「禁忌」、「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照]。

間質性肺炎(頻度不明)

間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じてX線等の検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽又は呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。なお、類薬(インターフェロンα製剤)と小柴胡湯との併用例で間質性肺炎が報告されているため、小柴胡湯は併用しないこと[「警告」及び「相互作用」の項参照]。

敗血症(頻度不明)

易感染性となり、敗血症があらわれることがあるので、患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

甲状腺機能異常(甲状腺機能亢進症又は甲状腺機能低下症)(頻度不明)

甲状腺機能異常(甲状腺機能亢進症又は甲状腺機能低下症)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

注射部位壊死(頻度不明)

注射部位壊死が報告されており、瘢痕が形成されることがある。重度の場合、壊死組織の切除及び皮膚移植が必要になる場合がある。患者に複数の病変があれば、本剤投与は治癒が見られるまで中止すること。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用 (類薬)

糖尿病(1型及び2型)

糖尿病を増悪又は発症することがあり、昏睡に至ることがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

自己免疫現象によると思われる症状・徴候(溶血性貧血、1型糖尿病の増悪又は発症等)

観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

ショック

観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

急性腎不全

観察を十分に行い、定期的に腎機能検査を行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

溶血性尿毒症症候群(HUS)

溶血性尿毒症症候群(血小板減少、溶血性貧血又は腎不全を主徴とする)があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査及び血液学的検査(血小板、赤血球等)を行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

脳出血、消化管出血、球後出血

観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

認知症(特に高齢者)、麻痺、心不全、狭心症

観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

ネフローゼ症候群

総蛋白減少又は血清アルブミン減少を伴う重篤な蛋白尿が認められることがあるので、定期的に尿検査(尿蛋白)を行うこと。異常が認められた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 5%以上5%未満頻度不明
全身障害および投与局所様態インフルエンザ様症状、発熱注4)、倦怠感、嚢胞、注射部位紅斑悪寒、疲労、注射部位疼痛、注射部位内出血無力症、注射部位硬結、注射部位反応
神経系障害頭痛知覚過敏、感覚鈍麻、筋緊張亢進浮動性めまい
感染症および寄生虫症咽頭炎中耳炎 
胃腸障害悪心嘔吐、下痢、腹痛 
代謝および栄養障害食欲減退  
筋骨格系および結合組織障害関節痛、筋力低下、背部痛筋肉痛 
皮膚および皮下組織障害 そう痒症、皮膚炎脱毛症、薬疹
耳および迷路障害 聴覚障害、耳痛 
血液およびリンパ系障害 低色素性貧血 
生殖系および乳房障害 月経困難症 
臨床検査 体重減少、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、C-反応性蛋白増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加
注4)発熱(発現頻度:44%)に対しては解熱剤の投与等、適切な処置を行うこと

その他の副作用(海外)

 5%以上5%未満頻度不明注6)
全身障害および投与局所様態インフルエンザ様症状、発熱、悪寒、無力症、疼痛、胸痛、注射部位炎症、注射部位疼痛、注射部位斑状出血注射部位反応注射部位紅斑、注射部位内出血
神経系障害浮動性めまい、頭痛、片頭痛 筋緊張亢進、筋痙直、錯感覚
精神障害睡眠困難 不安、錯乱状態、感情不安定、不眠症、知覚障害
感染症および寄生虫症感染、上気道感染、副鼻腔炎、気管支炎、尿路感染 注射部位膿瘍、注射部位蜂巣炎
呼吸器、胸郭および縦隔障害  鼻漏
血管障害 血管拡張 
心臓障害  動悸、失神、頻脈、不整脈
胃腸障害腹痛、悪心歯痛下痢
筋骨格系および結合組織障害筋肉痛、関節痛 関節炎、筋力低下、筋骨格硬直、四肢痛
皮膚および皮下組織障害 脱毛症寝汗、多汗症
眼障害 眼の障害 
血液およびリンパ系障害 貧血 
生殖系および乳房障害  不正子宮出血、月経過多
臨床検査 尿検査異常肝機能検査異常
注5)海外臨床試験においてプラセボ群より2%以上高い頻度で発生した有害事象注6)海外自発報告等

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと[動物試験(サル)において本剤の高用量の投与で流産が認められたとの報告がある]。

授乳中の婦人に投与することを避けるか、やむを得ず投与する際は授乳を中止すること[ヒト母乳中への移行については不明である]。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない[使用経験がない]。

適用上の注意

投与経路

筋肉内にのみ投与すること。

投与部位

投与部位は太腿あるいは上腕とし、神経への影響を避けるため、神経走行部位を避けること。

同一部位への反復投与を避けること。

注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液が逆流した場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。

その他の注意

1年以上本剤を投与した多発性硬化症患者の5%で中和抗体が産生したとの報告がある。中和抗体は潜在的に臨床効果の減弱につながる可能性がある。本剤を1年以上投与し、臨床効果が不十分である場合には、血中の中和抗体価を測定し、その後の治療継続について検討することが推奨される。

動物試験(サル)において、33μg/kg(体表面積で臨床用量の100倍)の投与で、月経不順、無排卵及び血清プロゲステロン濃度の減少が認められたとの報告がある。

がん原性試験は行われていない。

海外で行われた外国人多発性硬化症患者を対象とした本剤とnatalizumab(α4インテグリン拮抗薬)との併用試験において、2例の進行性多病巣性白質脳症(PML)が認められた。この2例は、いずれもnatalizumabと本剤(30μg)の併用開始後2年以上経過した後にPMLを発症した[1]。このうち1例は死亡し[2]、他の1例は重度障害を残した[3]

海外で行われた外国人健康成人を対象とした試験において、本剤の投与を開始する際に、承認用量の1/4量から開始し、毎週1/4量ずつ漸増して承認用量(30μg/週)まで到達する漸増投与を行った場合、漸増投与を行わなかった場合に比べて、インフルエンザ様症状の程度及び頻度が軽減したとの報告がある[4]。なお、本剤の漸増投与時における有効性評価は実施されていない。

薬物動態

<外国人データ>

外国人健康成人に本剤(60μg)を単回筋肉内投与した際の薬物動態パラメータ及び薬力学的パラメータは以下のとおりであった[5]

〔薬物動態パラメータ:血清中IFNβ-1a濃度〕

投与量
(μg)
n
(例)
Tmax
(hr)
Cmax
(IU/mL)
AUC(0-168)
(IU・hr/mL)
608713.071.42,006.9

〔薬力学的パラメータ:血清中β2-MG濃度〕

投与量
(μg)
n
(例)
Tmax
(hr)
Emax
(μg/L)
EAUC(0-168)
(μg・hr/L)
609247.6186072,230

臨床成績

国内において、日本人再発型多発性硬化症患者(25例)を対象とし、非盲検非対照試験を実施した。本剤30μgを週1回24週間筋肉内投与し、投与前(−12、−8、−4及び0週)と投与後(12、16、20及び24週)それぞれ4回の脳MRI検査の平均ガドリニウム(Gd)増強病巣数を比較した結果、有効性解析対象症例(23例)において5.9個から2.8個へ有意に減少した。また、本剤の投与により、血清中のネオプテリンが誘導された[6]

〔MRI検査1回あたりのGd増強病巣数の変化〕

 投与前投与後
n(例)2323
平均値±標準偏差(個)5.9±7.02.8±7.2
中央値〔範囲〕(個)2.5〔0.5-27.8〕0.3〔0.0-32.3〕

海外において、外国人再発型多発性硬化症患者を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。本剤30μg(158例)又はプラセボ(143例)を週1回筋肉内投与したところ、身体機能障害の持続的進行注)開始までの期間は、Kaplan-Meier生存曲線から、プラセボ群と比較し本剤群で有意に長く、投与開始後2年以内に身体機能障害の持続的進行が開始する割合は、プラセボ群34.9%、本剤群21.9%と推定された。また、年間再発率はプラセボ群(0.90回/例)に比較し、本剤群(0.61回/例)で有意に低かった。さらに、脳MRI検査におけるガドリニウム(Gd)増強病巣数及びGd増強病巣容積は、プラセボ群と比較し本剤群で有意に低かった[7][8][9]

注)拡張身体機能障害評価スケールの1.0以上の悪化が6ヵ月以上持続した場合。

〔Gd増強病巣数の変化〕

 投与開始前投与開始1年後投与開始2年後
投与群プラセボ本剤プラセボ本剤プラセボ本剤
n(例)1321411231348283
平均値±標準誤差(個)2.32±0.373.17±0.621.59±0.311.04±0.281.65±0.480.80±0.22
中央値
〔範囲〕(個)
1
〔0-23〕
1
〔0-56〕
0
〔0-22〕
0
〔0-28〕
0
〔0-34〕
0
〔0-13〕

海外において、外国人早期多発性硬化症患者注)を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。本剤30μg(193例)又はプラセボ(190例)を週1回筋肉内投与したところ、臨床的に診断確実な多発性硬化症発症までの期間は、Kaplan-Meier生存曲線からプラセボ群と比較し本剤群で有意に長く(ハザード比0.56)、投与開始後2年以内に臨床的に診断確実な多発性硬化症が発症する割合は、プラセボ群で38.6%、本剤群で21.1%と推定された。また、脳MRI検査におけるガドリニウム(Gd)病巣数及びGd増強病巣容積は、プラセボ群と比較し本剤群で有意に低かった。さらに、新規又は拡大T2病巣数及びT2病巣容積については、プラセボ群と比較し本剤群で有意に少なかった[10][11]

注)初発の脱髄症状を呈し脳MRIで脱髄性の病巣を認めた患者

〔Gd増強病巣数の変化〕

 投与開始前投与開始6ヵ月後投与開始12ヵ月後投与開始18ヵ月後
投与群プラセボ本剤プラセボ本剤プラセボ本剤プラセボ本剤
n(例)179183152165124147114134
平均値±標準誤差(個)0.6±1.39注7) 0.7±1.29注7) 1.49±0.250.87±0.181.63±0.340.73±0.171.36±0.340.45±0.13
中央値
〔範囲〕(個)
0
〔0-12〕
0
〔0-7〕
0
〔0-23〕
0
〔0-16〕
0
〔0-27〕
0
〔0-20〕
0
〔0-33〕
0
〔0-13〕
注7)平均値±標準偏差(個)

薬効薬理

免疫調節作用

A549細胞(ヒト肺がん細胞株)にインターフェロンβ-1aを加えて培養した後、間接的FACS解析を行った結果、A549細胞表面にクラスI主要組織適合性抗原を誘発した[12]

抗ウイルス作用

A549細胞(ヒト肺がん細胞株)にインターフェロンβ-1aを加えて培養した後、脳心筋炎ウイルスを接種し、細胞変性効果(CPE)測定法を用いて細胞生存率を測定した結果、抗ウイルス作用が認められた[12]

細胞増殖抑制作用

Daudi細胞(ヒトBリンパ腫細胞株)にインターフェロンβ-1aを加えて培養した後、3H-チミジン1μCiを加えて標識し、液体シンチレーション計数法によりチミジンの量を測定した結果、細胞増殖抑制作用が認められた[12]

作用機序

インターフェロンβが多発性硬化症に対して臨床効果を発揮する正確な機序は不明であるが、上記のような作用が多発性硬化症の再発予防に関与するものと考えられる。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称インターフェロン ベータ-1a(遺伝子組換え)
一般名(欧名)Interferon Beta-1a(Genetical Recombination)
略名IFNβ-1a
分子式C908H1408N246O252S7
分子量約25,300(糖鎖を含めた実測値)
KEGG DRUGD04554

取扱い上の注意

本剤は2〜8℃の冷蔵庫に保存し、凍結しないこと。

包装トレイには遮光性があるが、包装トレイから取り出した後は、光を避けること。

使用時には、包装トレイに入れたまま室温に戻し、7日間以内に使用すること。注射器は使用時に包装トレイから取り出すこと。

本剤に破損等が認められるときは使用しないこと。

本剤の注射器先端のキャップを外した後は速やかに使用し、注射器は再滅菌・再使用しないこと。

承認条件

国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係わるデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

多発性硬化症の再発率等を指標とし、長期投与時の有効性及び安全性について検討するための臨床試験を実施し、その結果を報告すること。

包装

アボネックス筋注用シリンジ30μg

1シリンジ

主要文献


1. Rudick R.A.et al.,  N Engl J Med.,  354,  911-923,  (2006) »PubMed
2. Kleinschmidt-DeMasters B.K.et al.,  N Engl J Med.,  353,  369-374,  (2005) »PubMed
3. Langer-Gould A.et al.,  N Engl J Med.,  353,  375-381,  (2005) »PubMed
4. Matson M.A.et al.,  Curr Med Res Opin.,  27,  2271-2278,  (2011) »PubMed
5. 社内資料:海外第I相臨床試験(試験C-852)
6. 社内資料:国内第II相臨床試験(試験9-99)
7. Jacobs L.D.et al.,  Ann Neurol.,  39,  285-294,  (1996)
8. Rudick R.A.et al.,  Neurology,  49,  358-363,  (1997)
9. 社内資料:海外第III相臨床試験(試験NS26321)
10. Jacobs L.D.et al.,  N Engl J Med.,  343,  898-904,  (2000)
11. 社内資料:海外第III相臨床試験(試験C95-812)
12. 社内資料:薬理試験(試験IC-15)

作業情報


改訂履歴

2015年7月 改訂
2016年2月 第10版 改訂

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
バイオジェン・ジャパン株式会社
103-0027
東京都中央区日本橋一丁目4番1号
(フリーダイヤル)0120-560-086 受付時間 9:00〜17:00(祝祭日、会社休日を除く月曜日から金曜日まで)

業態及び業者名等

製造販売元
バイオジェン・ジャパン株式会社
103-0027
東京都中央区日本橋一丁目4番1号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2018/10/24 版