HMG-CoA還元酵素及びコレステロール7α-ヒドロキシラーゼを抑制し、コール酸合成、デオキシコール酸生成の減少、ケノデオキシコール酸の腸肝循環増加により、胆汁中胆汁酸の大部分がケノデオキシコール酸に置換される。胆汁酸プールの増大、外因性のコレステロールの吸収の阻害により、コレステロール過飽和の胆汁組成を変化させ、コレステロール溶存能の増加により胆石を溶解するものと推定されている。
18.2.1 In vitroにおいてケノデオキシコール酸は、ヒトコレステロール胆石溶解作用が認められ、その効果は他の胆汁酸(ウルソデオキシコール酸等)に比し溶解作用が強い。また、タウリン及びグリシン抱合体にも胆石溶解作用が認められる
3)。
18.2.2 In vivoにおける胆石溶解作用については、ハムスターでの実験的コレステロール胆石に対し、胆石溶解効果が認められ、その用量は5〜10mg/kgが良好であった
4)。
また、ウサギの胆のう内に植込んだヒトコレステロール胆石に対し、ケノデオキシコール酸投与(1mg/kg、10mg/kg)で軽度の溶解作用を認める。
18.2.3 ハムスターの胆汁組成に対しケノデオキシコール酸投与は、総胆汁酸の増加、レシチンは増加傾向を示し、コレステロール溶存能を高める
4)。
また、ラットの胆汁中胆汁酸の組成はコール酸、デオキシコール酸が減少し、ケノデオキシコール酸がこれにおきかわる
5)。