医療用医薬品 : フロリード

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医薬品情報


総称名 フロリード
一般名 ミコナゾール硝酸塩
欧文一般名 Miconazole Nitrate
製剤名 ミコナゾール硝酸塩
薬効分類名 抗真菌剤
薬効分類番号 2529
ATCコード G01AF04
KEGG DRUG
D00882 ミコナゾール硝酸塩
KEGG DGROUP
DG00004 ミコナゾール
DG01883 イミダゾール系抗真菌薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2021年6月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
フロリード腟坐剤100mg FLORID Vaginal Suppositories 100mg 持田製薬 2529704J1045 39.8円/個

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

カンジダに起因する腟炎および外陰腟炎

6. 用法及び用量

1日1回1個を腟深部に挿入する。一般に6日間投与で真菌学的効果(一次効果)および自他覚症状の改善が得られるが、菌の再出現防止のためには14日間投与することが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

10. 相互作用

10.2 併用注意
ワルファリンカリウムワルファリンの作用を増強することがある(腟からの吸収はほとんど認められていないが、外国において、ワルファリンとの併用により出血を来した症例が報告されている)。ミコナゾール硝酸塩がCYP3A及びCYP2C9を阻害することによると考えられる。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症注)蕁麻疹、そう痒感等
そう痒感、発赤、疼痛、灼熱感、刺激感等

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤は腟内に投与させること。
14.1.2 本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。

16. 薬物動態

16.2 吸収
健康な女性5例に本剤1個を単回経腟投与しても、腟からの吸収はほとんど認められていない。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相臨床試験、第III相臨床試験及び一般臨床試験
腟・外陰腟真菌症患者を対象とし、本剤1日1個を6〜14日間経腟投与する臨床試験(32施設、407例)を実施した。臨床成績の概要は次のとおりである1)2)3)4)5)6)7)8)9)
(1)真菌学的効果
真菌の消失率は94.1%(382/406例)であった。
(2)臨床効果
自・他覚症状等、臨床症状に対する改善率は96.8%(394/407例)であった。
(3)総合効果
腟炎及び外陰腟炎に対する有効率は92.1%(375/407例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ミコナゾール硝酸塩の抗菌作用10)11)12)、生化学的作用13)14)及び超微形態学的作用15)を検討した結果、ミコナゾール硝酸塩は低濃度では主として膜系(細胞膜並びに細胞壁)に作用して、細胞の膜透過性を変化させることにより抗菌作用を示す。また、高濃度では細胞の壊死性変化をもたらし、殺菌的に作用する13)14)15)16)17)
18.2 真菌に対する作用
ミコナゾール硝酸塩は外陰・腟真菌症の起因菌であるカンジダ属やトルロプシス属をはじめ、白癬の起因菌(白癬菌属、小胞子菌属、表皮菌属)やアスペルギルス属、クリプトコックス属に対し、強い抗菌作用を有する10)11)12)。また、グラム陽性菌にも強い抗菌作用を有するが、グラム陰性菌には作用しない10)11)
カンジダ属、トルロプシス属に対する最小発育阻止濃度(MIC)は下表のとおりであった1)in vitro)。
菌種MIC(μg/mL)
Candidaalbicans0.63
tropicalis2.50
pseudotropicalis0.32
krusei1.25
parakrusei1.25
stellatoidea0.63
guiliermondii2.50
Torulopsis glabrata5.00
18.3 デーデルライン腟桿菌に対する作用
ミコナゾール硝酸塩はデーデルライン腟桿菌に対してほとんど作用しない18)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ミコナゾール硝酸塩

一般的名称 ミコナゾール硝酸塩
一般的名称(欧名) Miconazole Nitrate
化学名 1-[(2RS)-2-(2,4-Dichlorobenzyloxy)-2-(2,4-dichlorophenyl)ethyl]-1H-imidazole mononitrate
分子式 C18H14Cl4N2O・HNO3
分子量 479.14
融点 約180℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)、アセトン又は酢酸(100)に溶けにくく、水又はジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
KEGG DRUG D00882

22. 包装

コンテナ
50個、200個

23. 主要文献

  1. 高田道夫 他, 産婦人科の世界, 28 (2), 85-87, (1976)
  2. 高見沢裕吉 他, 薬理と治療, 4 (9), 255-262, (1976)
  3. 蜷川映已 他, 薬理と治療, 4 (9), 263-268, (1976)
  4. 斉藤 幹 他, 薬理と治療, 4 (9), 269-275, (1976)
  5. 後藤忠雄, 基礎と臨床, 10 (12), 311-317, (1976)
  6. 中谷剛彬 他, 診療と新薬, 14 (1), 199-204, (1977)
  7. 桑原惣隆 他, 薬理と治療, 5 (1), 175-185, (1977)
  8. 水野重光 他, 産婦人科の世界, 29 (2), 119-125, (1977)
  9. 水野重光 他, 臨床評価, 11 (2), 511-522, (1983)
  10. 江川朝生 他, 真菌と真菌症, 18 (1), 65-72, (1977) »DOI
  11. Van Cutsem,J.M.et al., Chemotherapy., 17 (6), 392-404, (1972) »PubMed
  12. 青河寛次 他, 産婦人科の世界, 29 (2), 67-71, (1977)
  13. Van den Bossche,H., Biochem.Pharmacol., 23 (4), 887-899, (1974) »PubMed
  14. Sreedhara Swamy,K.H.et al., Antimicrob.Agents Chemother., 5 (4), 420-425, (1974) »PubMed
  15. De Nollin,S.et al., Sabouraudia., 12 (3), 341-351, (1974) »PubMed
  16. De Nollin,S.et al., Antimicrob.Agents Chemother., 7 (5), 704-711, (1975) »PubMed
  17. Van den Bossche,H.et al., Sabouraudia., 13 (1), 63-73, (1975)
  18. 江川朝生 他, 真菌と真菌症, 22 (3), 258-264, (1981) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
持田製薬株式会社 くすり相談窓口
〒160-8515 東京都新宿区四谷1丁目7番地
電話:03-5229-3906
0120-189-522
FAX:03-5229-3955
製品情報問い合わせ先
持田製薬株式会社 くすり相談窓口
〒160-8515 東京都新宿区四谷1丁目7番地
電話:03-5229-3906
0120-189-522
FAX:03-5229-3955

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
持田製薬株式会社
東京都新宿区四谷1丁目7番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/09/18 版