医療用医薬品 : エラスチーム

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医薬品情報


総称名 エラスチーム
一般名 エラスターゼES
欧文一般名 Elastase ES
製剤名 エラスターゼ製剤
薬効分類名 脂質代謝異常改善剤
薬効分類番号 2189
KEGG DRUG
D04268 エラスターゼES
KEGG DGROUP
DG01946 脂質低下薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2022年12月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
エラスチーム錠1800 Elaszym tablets エーザイ 2189001F1200 9.3円/錠

4. 効能または効果

高脂血症

6. 用法及び用量

通常、成人には1日量3錠を3回に分けて食前に経口投与する。効果不十分の場合は、6錠まで増量できる。
ただし、年齢、症状により適宜増減する。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満
過敏症発疹、そう痒感 
消化器悪心、食欲不振、胃障害、下痢胃部不快感、腹部膨満感、便秘

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子12名に本剤6錠注)を空腹時単回投与し、酵素免疫測定法により血清中濃度を測定した。平均血清中濃度は投与12時間後に最高値(0.88ng/mL)に達し、血清中からの消失半減期は19.4時間であった1)
本剤6錠注)単回経口投与時の血清中濃度
本剤6錠注)単回経口投与時の薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)tmax(hr)t1/2(hr)
0.88±0.4110〜1419±6
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人には1日量3錠を3回に分けて食前に経口投与する。効果不十分の場合は、6錠まで増量できる。ただし、年齢、症状により適宜増減する。」である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床成績(血清脂質異常の改善)
動脈硬化症、高血圧症、糖尿病及び高脂血症に伴う血清脂質異常に対する改善効果を3種の二重盲検試験及び一般臨床試験により検討した結果、本剤の有用性が認められた2)3)
17.1.2 国内臨床成績(血清リポ蛋白代謝異常の正常化)
高脂血症患者並びに低HDL血症患者114名を対象として、本剤1日5,400EL.U.を12週間投与した結果、HDL-C、アポA蛋白、燐脂質は有意な増加あるいは増加傾向を示し、β-リポ蛋白、過酸化脂質、遊離脂肪酸、VLDL-LDLC、及びVLDL-LDLC/HDLC比は有意な減少あるいは減少傾向を示した4)
17.1.3 国内臨床成績(糖尿病を伴う血清脂質異常の改善)
レントゲン上、下肢動脈石灰化が確認されている症例もしくは高血圧症、糖尿病など基礎疾患を有する高脂血症患者666例に本剤を約1年間投与した結果、血清脂質異常は投与3ヵ月後より有意に改善し、自覚症状にも高い改善を示した5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本薬はコレステロールの肝における異化排泄の促進、リポ蛋白リパーゼ(LPL)の亢進など、脂質成分の移行を生理的に調節することにより、血清脂質異常を改善する。また、本剤は、粥状動脈硬化病変において、動脈壁への脂肪の沈着抑制、並びにコラーゲンの異常増生を抑制する。
18.2 脂質代謝改善作用
本薬は、広範な脂質代謝改善作用を有し、コレステロール負荷ウサギ及びラットにおいて、肝におけるコレステロールの異化と排泄を促進する。さらに、リポ蛋白リパーゼ(LPL)及びレシチン−コレステロール アシルトランスフェラーゼ(LCAT)活性を高め、リポ蛋白代謝、すなわち超低比重リポ蛋白(VLDL)、低比重リポ蛋白(LDL)、高比重リポ蛋白(HDL)の代謝を改善する6)7)8)9)10)
18.3 動脈硬化抑制作用
本薬はコレステロール負荷ウサギにおいて高脂血症状態を改善し、動脈壁へのコレステロールの沈着を抑制するとともに除去を促進し、動脈壁弾性線維エラスチンの変性を抑制してエラスチン生成を正常化する。また、動脈壁内膜における細胞増殖と泡沫細胞の出現を阻止することが認められており、さらに動脈壁物性に対する検討では、動脈の弾力性、伸展性に好影響を与える11)12)13)14)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. エラスターゼES

一般的名称 エラスターゼES
一般的名称(欧名) Elastase ES
物理化学的性状 エラスターゼESは灰色〜淡褐色の粉末で、特異なにおいがある。
理化学知見その他 エラスターゼESは、ブタのすい臓から製したもので、エラスチンを分解し、カゼイン、フィブリン及び変性コラーゲンなども分解する。通例、デキストランを加えたものである。
KEGG DRUG D04268

20. 取扱い上の注意

20.1 PTP包装はアルミ袋開封後、湿気を避けて保存すること。湿気により含量が低下することがある。

22. 包装

<エラスチーム錠1800>
100錠[10錠(PTP)×10](乾燥剤入り)
1,000錠[10錠(PTP)×100](乾燥剤入り)

23. 主要文献

  1. Kohno T.et al., Clin.Chem.Enzym.Commun., 4, 123-133, (1991)
  2. 岸本道太ら, 臨牀と研究, 50 (2), 500-510, (1973)
  3. 内藤周幸ら, 医学のあゆみ, 82 (13), 848-859, (1972)
  4. 吉田良一ら, 動脈硬化, 10 (5), 905-911, (1982) »DOI
  5. 後藤由夫ら, 臨牀と研究, 62 (9), 2954-2966, (1985)
  6. 亀谷富夫, 動脈硬化, 6 (1), 101-113, (1978) »DOI
  7. 高橋 因ら, 動脈硬化, 11 (2), 351-356, (1983) »DOI
  8. 小出 醇ら, 動脈硬化, 12 (6), 1529-1533, (1985) »DOI
  9. 中村治雄, 医学と生物学, 92 (6), 527-529, (1976)
  10. 勝沼英宇ら, 動脈硬化, 9 (5), 861-873, (1981) »DOI
  11. 村野俊一ら, 動脈硬化, 14 (3), 565-571, (1986) »DOI
  12. 長谷川元治ら, 動脈硬化, 12 (1), 207-218, (1984) »DOI
  13. 小山忠喜ら, 動脈硬化, 12 (4), 1021-1031, (1984) »DOI
  14. Hayashi K.et al., Atherosclerosis, 66, 259-267, (1987)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
電話:フリーダイヤル 0120-419-497
製品情報問い合わせ先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
電話:フリーダイヤル 0120-419-497

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/04/17 版