14.1.1 本剤は溶解時の濃度により、結晶が析出することがあるので予め100mgあたり250mL以上の生理食塩液等の輸液に溶解して投与すること。溶解後はできるだけ速やかに使用すること。
14.1.2 本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に薬液が付着した場合には、直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。
14.2.1 投与経路
14.2.2 投与時
(1)静脈内投与により血管痛、静脈炎を起こすおそれがあるので、注射部位、注射法に十分注意すること。
(2)静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死等を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。
14.2.3 投与速度
急速静脈内投与により一過性血圧低下、不整脈等が報告されている。これを防ぐため30〜60分かけてゆっくり点滴静注すること。血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、輸液の投与又は他の支持療法等の適切な治療を行うこと。
14.3.1 本剤を希釈せずに用いると、ポリウレタン製のカテーテルでは、亀裂を生じ漏出するとの報告があるので、1.0mg/mL以上の高濃度でのポリウレタン製のカテーテルの使用を避けること
11)。
14.3.2 可塑剤としてDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate:フタル酸ジ−(2-エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の点滴セット、カテーテル等を使用した場合、DEHPが溶出するので、DEHPを含むポリ塩化ビニル製の点滴セット、カテーテル等の使用を避けること
12)。
14.3.3 本剤を希釈せずに用いると、セルロース系のフィルターを溶解するとの報告があるので、1.0mg/mL以上の高濃度でのセルロース系のフィルターの使用を避けること。
14.3.4 本剤を希釈せずに用いると、アクリル又はABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの重合体)製のプラスチック器具に、ひび割れが発生し漏出するので、アクリル又はABS樹脂製のプラスチック器具の使用を避けること。
14.3.5 ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、そのコネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるので注意すること。