下記疾患に伴う鎮咳
上気道炎、肺炎、急性気管支炎、肺結核、珪肺及び珪肺結核、肺癌、慢性気管支炎
通常、成人(15才以上)には1回0.1〜0.2g(ジメモルファンリン酸塩として10〜20mg)を1日3回経口投与する。
小児(8〜14才)には1回0.1g(ジメモルファンリン酸塩として10mg)を1日3回経口投与する。
但し、年齢・症状により適宜増減する。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性2名にジメモルファンリン酸塩90mg
注)を単回経口投与したとき、速やかに吸収されて1〜2時間で血中濃度は最高に達し、その濃度は0.007〜0.008μg/mLであった
1)。
16.4 代謝
いずれの代謝物もほとんど鎮咳作用を有しないものであった
2)。
16.5 排泄
健康成人男性2名に12時間絶食させた後、ジメモルファンリン酸塩30mg
注)を経口投与したとき、尿中排泄率は、24時間後に約60%であった。尿中に検出同定し得た代謝物は3種でいずれも酸化的脱アルキル化反応による生成物で、未変化体は2%以下であった
2)。
注)本剤の承認された用量は、ジメモルファンリン酸塩として1回10〜20mgを1日3回経口投与するである。
18.1 作用機序
延髄の咳中枢に作用して感受性閾値を高めて、その働きを抑制する。
18.2 鎮咳作用
ジメモルファンリン酸塩は、イヌ、ネコ及びモルモットを用いた薬理実験では、コデインリン酸塩水和物やデキストロメトルファンよりも優れた鎮咳効果を発揮する
4)5)。
18.3 非麻薬性
ジメモルファンリン酸塩をサルに1カ月投与して検討した薬物依存性試験の結果、身体依存性及び精神依存性は認められず、非麻薬性であることが証明されている
6)。
18.4 腸管輸送能の抑制作用
ジメモルファンリン酸塩はマウスを用いた動物試験で、コデインリン酸塩水和物投与時にみられるような腸管輸送能の抑制作用(便秘作用)を示さない
4)。