医療用医薬品 : アストミン

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医薬品情報


総称名 アストミン
一般名 ジメモルファンリン酸塩
欧文一般名 Dimemorfan Phosphate
製剤名 ジメモルファンリン酸塩シロップ
薬効分類名 鎮咳剤<非麻薬>
薬効分類番号 2229
ATCコード R05DA11
KEGG DRUG
D01506 ジメモルファンリン酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アストミンシロップ0.25% Astomin Syrup 0.25% オーファンパシフィック 2229001Q1054 6.9円/mL

4. 効能または効果

下記疾患に伴う鎮咳
上気道炎、急性気管支炎、肺炎

6. 用法及び用量

通常下記1日量を3回に分けて経口投与する。
2才未満3.0〜4.5mL(ジメモルファンリン酸塩として7.5〜11.25mg)
2〜3才5.0〜8.0mL(ジメモルファンリン酸塩として12.5〜20.0mg)
4〜6才8.0〜11.0mL(ジメモルファンリン酸塩として20.0〜27.5mg)
7〜14才12.0〜14.0mL(ジメモルファンリン酸塩として30.0〜35.0mg)
但し年齢症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 糖尿病又はその疑いのある患者
耐糖能に軽度の変化を来たすことがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症  発疹
精神神経系めまい、眠気、頭痛・頭重脱力感、倦怠感 
消化器口渇、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢  
循環器 頻脈、動悸、顔面潮紅 

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性2名にジメモルファンリン酸塩90mg注)を単回経口投与したとき、速やかに吸収されて1〜2時間で血中濃度は最高に達し、その濃度は0.007〜0.008μg/mLであった1)
16.4 代謝
いずれの代謝物もほとんど鎮咳作用を有しないものであった2)
16.5 排泄
健康成人男性2名に12時間絶食させた後、ジメモルファンリン酸塩30mg注)を経口投与したとき、尿中排泄率は、24時間後に約60%であった。尿中に検出同定し得た代謝物は3種でいずれも酸化的脱アルキル化反応による生成物で、未変化体は2%以下であった2)
注)本剤の承認された用量は、14才以下の小児に対して1日最大14.0mL(ジメモルファンリン酸塩として35.0mg)である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内一般臨床試験
小児等の急性呼吸器疾患に伴う咳嗽に対する一般臨床試験では、有効率81.0%(260/321)の成績であった。また、Cough Recorderにより咳の頻度を薬物投与前後に記録して、その解析結果にもとづく客観的効果判定基準を設定した上での、本剤の頓用効果に関する比較対照試験により、有用性が認められた3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
延髄の咳中枢に作用して感受性閾値を高めて、その働きを抑制する。
18.2 鎮咳作用
ジメモルファンリン酸塩は、イヌ、ネコ及びモルモットを用いた薬理実験では、コデインリン酸塩水和物やデキストロメトルファンよりも優れた鎮咳効果を発揮する4)5)
18.3 非麻薬性
ジメモルファンリン酸塩をサルに1カ月投与して検討した薬物依存性試験の結果、身体依存性及び精神依存性は認められず、非麻薬性であることが証明されている6)
18.4 腸管輸送能の抑制作用
ジメモルファンリン酸塩はマウスを用いた動物試験で、コデインリン酸塩水和物投与時にみられるような腸管輸送能の抑制作用(便秘作用)を示さない4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ジメモルファンリン酸塩

一般的名称 ジメモルファンリン酸塩
一般的名称(欧名) Dimemorfan Phosphate
化学名 (9S,13S,14S)-3,17-Dimethylmorphinan monophosphate
分子式 C18H25N・H3PO4
分子量 353.39
融点 約265℃(分解)
物理化学的性状 ジメモルファンリン酸塩は白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01506

20. 取扱い上の注意

小分け後は遮光して保存すること。

22. 包装

500mL[瓶]

23. 主要文献

  1. 関隆 ほか, 臨床薬理, 3, 302-304, (1972) »DOI
  2. 社内資料:AT-17をヒトに経口投与したときの代謝と排泄(1974年5月24日承認、アストミン散0.25%及びアストミン錠10mg申請資料概要IX5(6))
  3. 鈴木栄 ほか, 医学のあゆみ, 101, 564-572, (1977)
  4. 井田昶 ほか, 応用薬理, 6, 1207-1231, (1972)
  5. Kase,Y.et al., Arzneimittel-Forschung., 26, 361-366, (1976) »PubMed
  6. 柳田知司 ほか, 実中研・前臨床研究報, 1, 35-41, (1975)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
株式会社オーファンパシフィック DIセンター
〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1
電話:0120-889-009 受付時間 9:00〜17:30(土・日・祝日・社休日を除く)
製品情報問い合わせ先
株式会社オーファンパシフィック DIセンター
〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1
電話:0120-889-009 受付時間 9:00〜17:30(土・日・祝日・社休日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
株式会社オーファンパシフィック
〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版