医療用医薬品 : ウレパール

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医薬品情報


総称名 ウレパール
一般名 尿素
欧文一般名 Urea
薬効分類名 角化症治療剤(10%尿素クリーム)
薬効分類番号 2669
ATCコード D02AE01
KEGG DRUG
D00023 尿素
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年1月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ウレパールクリーム10% Urepearl Cream 10% 大塚製薬工場 2669701N1044 3.9円/g

4. 効能または効果

○魚鱗癬
○老人性乾皮症
アトピー皮膚
○進行性指掌角皮症(主婦湿疹の乾燥型)
○足蹠部皸裂性皮膚炎
掌蹠角化症
○毛孔性苔癬

6. 用法及び用量

1日2〜3回、患部を清浄にしたのち塗布し、よくすり込む。
なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 皮膚への適用以外(眼粘膜等の粘膜)には使用しないこと。
8.2 潰瘍、びらん、傷面への直接塗擦を避けること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 炎症、亀裂を伴う患者
一過性の刺激症状を生じることがある。
9.1.2 皮膚刺激に対する感受性が亢進している患者
一過性の刺激症状を生じることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上又は頻度不明0.1〜5%未満0.1%未満
一過性又は投与初期にあらわれる刺激症状疼痛、熱感潮紅、そう痒感 
過敏症過敏症状  
皮膚 湿疹化、亀裂腫脹、乾燥化、丘疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
本剤にステンレスヘラを長時間接触させたままで放置すると、錆びることがあるので注意すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
14C標識した尿素を含む10%尿素クリームをラット背部皮膚に塗布し、密封した結果、血中放射能濃度は投与後3時間で最大値を示し、以後速やかに消失した1)
16.3 分布
14C標識した尿素をラットの皮下に投与した結果、脂肪を除く全ての組織に放射能が認められ、投与後1時間で最大値を示した。放射能濃度は腎髄質>腎皮質>肺、肝臓、脾臓、睾丸、心臓>副腎、脳の順であった。5時間後には腎髄質を除いた全ての組織から速やかな放射能の消失が認められた1)
16.5 排泄
14C標識した尿素をラットの皮下に投与した結果、投与終了24時間までの累積放射能排泄率は尿中78.4%、呼気中13.8%、糞中0.14%であった1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
延べ45施設、総症例数944例について実施した比較試験を含む複数の臨床試験を統合した結果、疾患別の有効率は次のとおりであった2)3)4)5)6)7)8)9)10)11)12)
疾患別有効率
疾患名有効率
アトピー皮膚76.7%(204/266)
進行性指掌角皮症66.7%(116/174)
老人性乾皮症89.3%(183/205)
掌蹠角化症41.2%(7/17)
足蹠部皸裂性皮膚炎83.3%(10/12)
毛孔性苔癬42.9%(6/14)
魚鱗癬87.1%(223/256)
総合計79.3%(749/944)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤は尿素の持つ角層水分保持作用13)14)により、角層水分含有量を増加させ、皮膚の乾燥粗ぞう化を改善する。
18.2 角質水分保持作用
老人性乾皮症患者の皮疹部に本剤を塗布したところ、外用60分後、120分後において角層水分量の増加が認められた15)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 尿素

一般的名称 尿素
一般的名称(欧名) Urea
分子式 CH4N2O
分子量 60.06
物理化学的性状 無色〜白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、冷涼な塩味がある。
水に極めて溶けやすく、沸騰エタノール(95)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
水溶液(1→100)は中性である。
KEGG DRUG D00023

22. 包装

チューブ
20g×10本、50g×10本
500g

23. 主要文献

  1. 相川一男,他, 応用薬理, 13 (5), 743-747, (1977)
  2. 安田利顕,他, 臨床評価, 5 (1), 103-125, (1977)
  3. 安田利顕,他, 臨床皮膚科, 29 (1), 55-63, (1975)
  4. 永島敬士,他, 新薬と臨床, 24 (2), 257-263, (1975)
  5. 松中成浩,他, 皮膚, 18 (4), 414-434, (1976) »DOI
  6. 長島正治,他, 薬物療法, 7 (11), 1739-1742, (1974)
  7. 本田光芳,他, 新薬と臨床, 24 (1), 113-115, (1975)
  8. 神田行雄,他, 診療と新薬, 12 (4), 215-218, (1975)
  9. 堀 嘉昭, 西日本皮膚科, 37 (5), 860-864, (1975) »DOI
  10. 星 健二, 新薬と臨床, 24 (12), 1974-1976, (1975)
  11. 島崎 匡, 新薬と臨床, 24 (12), 1977-1980, (1975)
  12. 社内資料:臨床成績
  13. Swanbeck, G., Acta Derm Venereol(Stockh), 48, 123-127, (1968) »PubMed
  14. Grice, K., et al., Acta Derm Venereol(Stockh), 53, 114-118, (1973) »PubMed
  15. 熊坂久美子,他, 皮膚科紀要, 88 (1), 75-79, (1993)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
大塚製薬株式会社 医薬情報センター
〒108-8242 東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー
電話:0120-189-840
FAX:03-6717-1414
製品情報問い合わせ先
大塚製薬株式会社 医薬情報センター
〒108-8242 東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー
電話:0120-189-840
FAX:03-6717-1414

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115
26.2 販売
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版