医療用医薬品 : フルオレサイト

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医薬品情報


総称名 フルオレサイト
一般名 フルオレセイン
欧文一般名 Fluorescein
製剤名 フルオレセイン注射液
薬効分類名 蛍光眼底造影剤
薬効分類番号 7290
ATCコード S01JA01
KEGG DRUG
D01261 フルオレセイン
KEGG DGROUP
DG01146 フルオレセイン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年10月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
フルオレサイト静注500mg (後発品) FLUORESCITE Intravenous Injection 500mg ノバルティスファーマ 7290402A2035 872円/瓶 処方箋医薬品注)

1. 警告

1.1 ショック等の重篤な副作用があらわれることがある。[8.111.1.1参照]

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 全身衰弱の患者[全身状態がさらに悪化し、重篤な副作用が発現するおそれがある。]
2.3 重篤な糖尿病の患者[重篤な副作用が発現するおそれがある。]
2.4 重篤な心疾患のある患者[重篤な副作用が発現するおそれがある。]
2.5 重篤な脳血流障害のある患者[重篤な副作用が発現するおそれがある。]
2.6 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
2.7 肝硬変の患者[9.3.1参照]

4. 効能または効果

ぶどう膜・網膜・視神経等の疾患の診断

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 慎重に適応を決定すること。また、他の方法による診断の可能性を検討すること。

6. 用法及び用量

フルオレセインとして、通常200〜500mgを肘静脈に注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は静脈内にのみ使用し、髄腔内への使用は重篤な副作用が発現する可能性があるので使用しないこと。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の投与により、まれにショック、アナフィラキシー等の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、投与に際しては以下の点に留意すること1)。[1.111.1.1参照]
・十分に問診を行うこと。
・患者の全身状態の観察を十分に行い、投与時または撮影時に異常が生じた場合、直ちに中止し、適切な処置を行うこと。なお検査終了後にも副作用の発現の可能性があることを患者に説明した上で、異常が認められた場合には、担当医師に連絡するよう指示するなど適切な対応をとること。
・投与量はできるだけ必要最少量にとどめること。
・検査中は血管確保をしておく等、常時直ちに救急処置のとれる準備をしておくことが望ましい。
8.2 皮内反応を実施した場合、その結果が陽性の患者においては、過敏症状があらわれるおそれがあるので、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。なお、陰性の場合であっても過敏症状があらわれることがある。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 褐色細胞腫又はパラガングリオーマ若しくは心疾患の疑いのある患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。血圧の急激な変動を起こし、重篤な副作用が発現するおそれがある。
9.1.2 重症喘息、肺気腫、呼吸器感染症の患者
症状を増悪させるおそれがある。
9.1.3 アレルギー素因のある患者
9.1.4 重篤な高血圧症の患者
血圧の変動を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
主たる排泄経路は腎臓であるので、排泄遅延から血中濃度が上昇するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝硬変のある患者
投与しないこと。重篤な副作用が発現するおそれがある。[2.7参照]
9.3.2 肝障害のある患者
一部肝臓から胆汁中に排泄され、症状を増悪させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.6参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中への移行が報告されている2)
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。特に必要とする場合には、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)
発赤、そう痒感、胸内苦悶、血圧低下、顔面蒼白、脈拍異常、呼吸困難、意識消失等の症状があらわれることがある。[1.18.1参照]
11.1.2 心停止(頻度不明)
患者の全身状態の観察を十分に行い、異常が生じた場合は、直ちに心マッサージ、アドレナリン等のカテコールアミン投与等の蘇生処置を行うこと。
注)発現頻度は文献、自発報告等を参考に集計した。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上又は頻度不明0.1〜5%未満0.1%未満
消化器悪心、腹痛嘔吐 
過敏症そう痒症、潮紅、紅斑蕁麻疹、発疹光線過敏症等
精神神経系意識消失、めまい 頭痛
その他尿の黄褐色着色、皮膚の一過性の黄変、血圧低下、血圧上昇、咳嗽、咽喉刺激感、熱感 注射部位の血栓性静脈炎

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意
バイアルは使用前にゴム栓部をエタノール綿等で清拭して使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 他剤との混合注射は、避けること。
14.2.2 本剤が血管外に漏れると疼痛を起こすので、なるべく太い静脈を選び、注意して投与すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人に10%フルオレセインナトリウム14mg/kgを静注投与したところ、血漿中濃度は下図のように推移し、フルオレセインの消失半減期(T1/2)はα相で6.46分、β相で47.4分、γ相で301分であった3)(外国人データ)。
フルオレセインナトリウムの血中濃度
注)承認を受けた用法及び用量は200〜500mgである。
16.3 分布
血漿タンパク結合率は約85%であった4)(外国人データ)。
16.4 代謝
フルオレセインは静注投与後、肝臓でグルクロン酸抱合を受け、フルオレセインモノグルクロニドに代謝される3)5)6)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人にフルオレセインナトリウム0.5mmol/Lを静注投与した場合、大部分が尿中に、一部は胆汁中に排泄された7)(外国人データ)。なお、雄ラットに3mg/kgを静注投与したところ、2時間で、尿中への排泄量は19.5〜40.3%、胆汁中への排泄量は9.1〜19.4%であった8)in vivo)。

18. 薬効薬理

18.1 測定法
本品は蛍光を発する色素で、肘静脈内に注入後、網膜及び脈絡膜の血管に蛍光が出現する。蛍光眼底造影により、網膜血管の形態的病変を鮮明に捉えるとともに、連続撮影により、眼底の血行状態変化、微小血管系の壁透過性の変化及び眼底病巣と血管系の関連性等を捉える9)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. フルオレセイン

一般的名称 フルオレセイン
一般的名称(欧名) Fluorescein
化学名 3',6'-dihydroxyspiro[isobenzofuran-1(3H),9'-[9H]xanthen]-3-one
分子式 C20H12O5
分子量 332.31
物理化学的性状 フルオレセインはだいだい色の粉末で、においはない。エタノール(95)又は水酸化ナトリウム試液に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01261

22. 包装

5mL[12バイアル]

23. 主要文献

  1. 宇山昌延 他, 日本眼科学会雑誌, 87 (4), 300-305, (1983) »PubMed
  2. Maguire,A.M.et al., Arch.Ophthalmol., 106 (6), 718-719, (1988)
  3. Blair,N.P.et al., Invest.Ophthalmol.Vis.Sci., 27 (7), 1107-1114, (1986) »PubMed
  4. Brubaker,R.F.et al., Arch.Ophthalmol., 100 (4), 625-630, (1982) »PubMed
  5. Chahal,P.S.et al., Invest.Ophthalmol.Vis.Sci., 26 (5), 764-768, (1985) »PubMed
  6. Chen,S.C.et al., Chem.Pharm.Bull., 28 (5), 1403-1407, (1980) »PubMed
  7. Barry,R.E.et al., Drug Res., 35 (3), 644-648, (1985)
  8. Webb,J.M.et al., J.Pharmacol.Exp.Ther., 137, 141-147, (1962) »PubMed
  9. 第十七改正日本薬局方解説書, C-4611, (2016), (廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ノバルティスファーマ株式会社 ノバルティスダイレクト
〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1
電話:0120-003-293 受付時間:月〜金9:00〜17:30(祝日及び当社休日を除く)
URL:http://www.novartis.co.jp
製品情報問い合わせ先
ノバルティスファーマ株式会社 ノバルティスダイレクト
〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1
電話:0120-003-293 受付時間:月〜金9:00〜17:30(祝日及び当社休日を除く)
URL:http://www.novartis.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売(輸入)
ノバルティスファーマ株式会社
東京都港区虎ノ門1-23-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版