医療用医薬品 : テラプチク

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医薬品情報


総称名 テラプチク
一般名 ジモルホラミン
欧文一般名 Dimorpholamine
薬効分類名 呼吸・循環賦活剤
薬効分類番号 2213
KEGG DRUG
D01607 ジモルホラミン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
テラプチク静注45mg Theraptique for Intravenous Injection エーザイ 2213400A2034 143円/管 処方箋医薬品注)

4. 効能または効果

下記の場合の呼吸障害及び循環機能低下
新生児仮死、ショック、催眠剤中毒、溺水、肺炎、熱性疾患、麻酔剤使用時

6. 用法及び用量

ジモルホラミンとして、通常成人1回30〜45mg(1回2mL〜3mL)を静脈内注射する。
新生児には1回7.5〜15mg(1回0.5mL〜1mL)を臍帯静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減し、必要に応じ反復投与するが、1日量250mgまでとする。

8. 重要な基本的注意

8.1 ジモルホラミンの痙攣誘発作用量は呼吸興奮量よりはるかに大きいが、本剤を過量あるいは急速に静注すると、下記のような症状があらわれることがある。本剤の投与にあたっては患者の呼吸、血圧、脈拍、覚醒状態、角膜反射などの全身状態を観察しながら、緩徐に静脈内に投与するか、又はブドウ糖注射液、生理食塩液等に希釈して過量投与にならないよう注意すること。
胸内苦悶、痙攣、心房性期外収縮、血圧低下

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させる可能性がある。
9.5 妊婦
9.5.1 妊娠後期の女性
投与しないことが望ましい。胎児に異常運動等の影響を及ぼし、分娩時羊水の混濁をおこしたとの報告がある。
9.5.2 妊婦(妊娠後期の妊婦は除く)又は妊娠している可能性のある女性
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
新生児に投与する場合には、あらかじめ十分に気道内の羊水、粘液等を吸引除去した後、臍帯静脈から緩徐に投与すること。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満
呼吸器咳嗽
精神神経系めまい、耳鳴
その他口内熱感・しびれ感、全身しびれ感

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 局所刺激作用として静注時血管外へ漏出した場合極めて激しい疼痛を訴えることがある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床成績(麻酔剤による呼吸衰弱及び循環機能低下)
本剤は、静脈、脊椎、及び吸入麻酔剤によって起こる呼吸抑制、停止及び血圧低下などに対して、自発呼吸の回復、分時呼吸量・1回換気量の増加、血圧上昇及びチアノーゼの消失など、呼吸機能の賦活効果に対する有用性が認められている1)2)
17.1.2 国内臨床成績(新生児仮死)
本剤は、新生児仮死に対して、呼吸中枢の刺激と血行障害の除去など循環機能改善効果の有用性が認められている。通常、臍帯静脈内投与により、軽度の仮死例では1分以内に呼吸開始がみられ、強度の仮死例においても2分程度で第一呼吸が始まるとの報告がある3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
延髄の呼吸中枢及び血管運動中枢に直接作用し、呼吸興奮、血圧上昇作用を発現する。
18.2 呼吸興奮作用
本薬は、延髄の呼吸中枢に作用して、呼吸興奮を起こし、抑制された呼吸を回復する。臨床試験、ウサギなどを用いた実験により、呼吸数の増加は軽度であるが、吸気の深度を増大して1回換気量を増加することが証明されている4)5)6)7)
18.3 循環賦活作用
本薬は、交感神経系の興奮により、血圧上昇作用を示す。さらに、心筋収縮力の増強作用もあり、減弱した循環機能を賦活することが、イヌ、ネコなどを用いた実験により確認されている6)7)8)9)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ジモルホラミン

一般的名称 ジモルホラミン
一般的名称(欧名) Dimorpholamine
化学名 N,N'-(Ethane-1,2-diyl)bis(N-butylmorpholine-4-carboxamide)
分子式 C20H38N4O4
分子量 398.54
物理化学的性状 ジモルホラミンは白色〜淡黄色の結晶性の粉末、塊又は粘性の液である。本品はエタノール(99.5)又は無水酢酸に極めて溶けやすく、水にやや溶けやすい。
本品1.0gを水10mLに溶かした液のpHは6.0〜7.0である。
本品は吸湿性である。
KEGG DRUG D01607

22. 包装

30管(ガラスアンプル)

23. 主要文献

  1. 山下九三夫ら, 新薬と臨床, 7 (2), 149-150, (1958)
  2. 米沢利英ら, 臨床外科, 11 (2), 97-102, (1956)
  3. 谷山清司ら, 臨床婦人科産科, 10 (4), 261-264, (1956)
  4. 臼井亮平ら, 麻酔, 6 (1), 121-123, (1957)
  5. 横山哲朗, 呼吸と循環, 5 (10), 717-724, (1957)
  6. 福嶋文雄, 福岡医学誌, 47, 2014-2031, (1956)
  7. Asakawa S., Med.J.Shinshu.Univ., 10 (1), 29-43, (1965)
  8. Sakuma A.et al., Jpn.J.Pharmacol., 15 (4), 386-394, (1965) »DOI
  9. Imai S.et al., Jpn.J.Pharmacol., 16 (1), 110-116, (1966) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
電話:フリーダイヤル 0120-419-497
製品情報問い合わせ先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
電話:フリーダイヤル 0120-419-497

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版