医療用医薬品 : メチコバール |
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総称名 | メチコバール |
一般名 | メコバラミン |
欧文一般名 | Mecobalamin |
製剤名 | メコバラミン製剤 |
薬効分類名 | 末梢性神経障害治療剤 |
薬効分類番号 | 3136 |
ATCコード | B03BA05 |
KEGG DRUG |
D03246
メコバラミン
商品一覧 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
メチコバール錠250μg (後発品) | Methycobal | エーザイ | 3136004F1050 | 10.1円/錠 | |
メチコバール錠500μg (後発品) | Methycobal | エーザイ | 3136004F2138 | 12.2円/錠 | |
メチコバール細粒0.1% (後発品) | Methycobal | エーザイ | 3136004C1038 | 18.1円/包 |
末梢性神経障害
本剤投与で効果が認められない場合、月余にわたって漫然と使用すべきでない。
錠250μg
通常、成人は1日6錠(メコバラミンとして1日1,500μg)を3回に分けて経口投与する。
ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
錠500μg
通常、成人は1日3錠(メコバラミンとして1日1,500μg)を3回に分けて経口投与する。
ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
細粒0.1%
通常、成人は1日3包(メコバラミンとして1日1,500μg)を3回に分けて経口投与する。
ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
副作用
副作用発現状況の概要
総症例15,180例中、146例(0.96%)の副作用が報告されている。(副作用発現頻度調査終了時)1)
その他の副作用
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
消化器 | 食欲不振、悪心・嘔吐、下痢 | |
過敏症注) | 発疹 |
適用上の注意
薬剤交付時(錠)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
水銀及びその化合物を取り扱う職業従事者に長期にわたって大量に投与することは避けることが望ましい。
単回投与
健康成人男子に本剤120μg、1500μg注)を、絶食下単回経口投与した場合いずれの投与量においても投与後約3時間で最高血中濃度に達し、濃度依存による吸収が観察された。半減期、血清中総ビタミンB12(以下B12)濃度の投与12時間までの増加分及びΔAUC012を下表に示し、血清中総B12濃度の推移を下図に示した。
尿中総B12排泄量は投与後8時間までに投与後24時間排泄量の40〜90%が排泄された。2)
注)1500μg単回投与は承認外用量である。
血清中総B12濃度の増加分
投与量 | tmax (hour) | Cmax (pg/mL) | ΔCmax (pg/mL) | ΔCmax% (%) | ΔAUC012※1 (pg・hr/mL) | t1/2※2 (hour) |
120μg | 2.8±0.2 | 743±47 | 37±15 | 5.1±2.1 | 168±58 | 算出不能 |
1500μg | 3.6±0.5 | 972±55 | 255±51 | 36.0±7.9 | 2033±510 | 12.5 |
反復投与
健康成人男子に1,500μgを12週間反復経口投与し、投与中止後4週間の血清中総B12量の変動率を検討した。投与4週間で投与前値の約2倍に達し、以後も漸増し、12週後には約2.8倍を示した。投与中止4週後でも投与前値の約1.8倍を示した。3)
臨床効果
末梢性神経障害に対して、メコバラミンとして1日1,500μg及び1日120μg(低用量群)を3回に分けて4週間反復経口投与し、二重盲検比較試験を行った。慢性期及び固定期の症例に対して、本剤の改善率は改善以上で1,500μgが17.6%(6/34)、120μgが9.7%(3/31)、やや改善以上で1,500μgが64.7%(22/34)、120μgが41.9%(13/31)であり、1,500μg/日投与の有用性が認められた。4)
末梢性神経障害に対して本剤1日1,500μg、コバマミド1日1,500μg及びプラセボを4週間反復経口投与し、二重盲検比較試験を行った。全般改善度は中等度改善以上で、本剤投与群38.6%(17/44)、コバマミド投与群22.2%(10/45)、プラセボ投与群26.7%(12/45)であり、本剤の有用性が認められた。5)
メコバラミンは、生体内補酵素型ビタミンB12の1種
メコバラミンは、ホモシステインからメチオニンを合成するメチオニン合成酵素の補酵素として働き、メチル基転位反応に重要な役割を果たす。
神経細胞内小器官へよく移行し、核酸・蛋白合成を促進
シアノコバラミンに比し、神経細胞内の小器官への移行がよい(ラット)。また、脳由来細胞・脊髄神経細胞の実験系で、デオキシウリジンからチミジンへの合成系に関与し、貯蔵型葉酸の利用促進とともに核酸代謝にも関与し、コバマミドに比して核酸・蛋白の合成を促進する(ラット)。6)7)8)
軸索内輸送、軸索再生の促進
ストレプトゾトシン投与による実験的糖尿病ラットの坐骨神経細胞で、軸索の骨格蛋白の輸送を正常化する。アドリアマイシン、アクリルアミド、ビンクリスチンによる薬物性神経障害(ラット、ウサギ)及び軸索変性モデルマウス、自然発症糖尿病ラットの神経障害に対して、神経病理学的、電気生理学的に変性神経の出現を抑制する。9)10)11)12)13)14)
髄鞘形成(リン脂質合成)の促進
シナプス伝達の遅延、神経伝達物質の減少を回復
日本薬局方 メコバラミン錠
メチコバール錠250μg
100錠(PTP)・500錠(バラ)
1,000錠(PTP)
メチコバール錠500μg
100錠(PTP)・210錠(PTP21T×10)
500錠(バラ)・1,000錠(PTP)・1,050錠(PTP21T×50)
3,000錠(PTP・バラ)
メチコバール細粒0.1%
60g(分包0.5g×3×40)
1. | 小川正城ら, 新薬と臨牀, 34, 2275, (1985) |
2. | 田中信夫ら, 新薬と臨牀, 35, 67, (1986) |
3. | 田中信夫ら, ビタミン, 55, 155, (1981) |
4. | 亀山正邦ら, 臨床評価, 1, 71, (1972) |
5. | 亀山正邦ら, 臨牀と研究, 49, 1963, (1972) |
6. | 稲田雅美ら, 神経系とメチルB12, 23, (1981) 協和企画通信 |
7. | 中澤恒幸ら, ビタミン, 42, 193, (1970) »DOI |
8. | 中澤恒幸ら, ビタミン, 42, 275, (1970) »DOI |
9. | 竹中敏文ら, Prog.Med., 2, 1759, (1982) |
10. | 大西晃生ら, 臨床薬理, 18, 387, (1987) »DOI |
11. | Watanabe,T.et al., J.Neurol.Sci., 122, 140, (1994) »PubMed »DOI |
12. | 斉藤豊和ら, 神経系とメチルB12, 75, (1981) 協和企画通信 |
13. | Yamazaki,K.et al., Neurosci.Lett., 170, 195, (1994) »PubMed »DOI |
14. | 八木橋操六ら, 臨床薬理, 19, 437, (1988) »DOI |
15. | 中澤恒幸ら, 神経系とメチルB12, 54, (1981) 協和企画通信 |
16. | 米沢 猛ら, 神経系とメチルB12, 49, (1981) 協和企画通信 |
17. | 渋谷統寿, 神経系とメチルB12, 134, (1981) 協和企画通信 |
18. | Sasaki H.et al., Pharmacol.Biochem.Behav., 43, 635, (1992) »PubMed »DOI |
改訂履歴 |
2012年10月 改訂 |
文献請求先 |
エーザイ株式会社 |
お問い合わせ先 |
エーザイ株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2023/03/22 版 |