<錠250μg>
通常、成人は1日6錠(メコバラミンとして1日1,500μg)を3回に分けて経口投与する。
ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
<錠500μg>
通常、成人は1日3錠(メコバラミンとして1日1,500μg)を3回に分けて経口投与する。
ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
<細粒0.1%>
通常、成人は1日3包(メコバラミンとして1日1,500μg)を3回に分けて経口投与する。
ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
本剤投与で効果が認められない場合、月余にわたって漫然と使用すべきでない。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
水銀及びその化合物を取り扱う職業従事者に長期にわたって大量に投与することは避けることが望ましい。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験(用量比較試験)
末梢性神経障害に対して、メコバラミンとして1日1,500μg及び1日120μg(低用量群)を3回に分けて4週間反復経口投与し、二重盲検比較試験を行った。慢性期及び固定期の症例に対して、本剤の改善率は改善以上で1,500μgが17.6%(6/34)、120μgが9.7%(3/31)、やや改善以上で1,500μgが64.7%(22/34)、120μgが41.9%(13/31)であり、1,500μg/日投与の有用性が認められた
3)。
17.1.2 国内臨床試験(コバマミド及びプラセボ対照比較試験)
末梢神経障害に対して本剤1日1,500μg、コバマミド1日1,500μg及びプラセボを4週間反復経口投与し、二重盲検比較試験を行った。全般改善度は中等度改善以上で、本剤投与群38.6%(17/44)、コバマミド投与群22.2%(10/45)、プラセボ投与群26.7%(12/45)であり、本剤の有用性が認められた
4)。
18.1 作用機序
メコバラミンは生体内補酵素型ビタミンB12の1種であり、ホモシステインからメチオニンを合成するメチオニン合成酵素の補酵素として働き、メチル基転位反応に重要な役割を果たす。
18.2 神経細胞内小器官へよく移行し、核酸・蛋白合成を促進
シアノコバラミンに比し、神経細胞内の小器官への移行がよい(ラット)。また、脳由来細胞・脊髄神経細胞の実験系で、デオキシウリジンからチミジンへの合成系に関与し、貯蔵型葉酸の利用促進とともに核酸代謝にも関与し、コバマミドに比して核酸・蛋白の合成を促進する(ラット)
5)6)7)。
18.3 軸索内輸送、軸索再生の促進
ストレプトゾトシン投与による実験的糖尿病ラットの坐骨神経細胞で、軸索の骨格蛋白の輸送を正常化する。アドリアマイシン、アクリルアミド、ビンクリスチンによる薬物性神経障害(ラット、ウサギ)及び軸索変性モデルマウス、自然発症糖尿病ラットの神経障害に対して、神経病理学的、電気生理学的に変性神経の出現を抑制する
8)9)10)11)12)13)。
18.4 髄鞘形成(リン脂質合成)の促進
髄鞘の構成成分であるレシチンの合成を促進し、培養神経組織でコバマミドに比して神経線維の髄鞘形成率を高める(ラット)
14)15)。
18.5 シナプス伝達の遅延、神経伝達物質の減少を回復
挫滅した坐骨神経で、神経線維の興奮性を高めることにより終板電位の誘発を早期に回復する(ラット)。また、コリン欠乏食ラットで低下した脳内アセチルコリン量を正常化する
16)17)。
<錠>
20.1 錠PTPシートは、光を遮り湿気を避けて保存すること(光により含量が低下し、湿気により錠剤は赤味をおびることがある)。
20.2 錠バラ包装は、ボトル開栓後又はアルミ袋開封後、光を遮り湿気を避けて保存すること(光により含量が低下し、湿気により錠剤は赤味をおびることがある)。
<細粒>
20.3 細粒は分包から取り出して調剤しないこと(光により含量が低下する)。