医療用医薬品 : ベサコリン

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医薬品情報


総称名 ベサコリン
一般名 ベタネコール塩化物
欧文一般名 Bethanechol Chloride
製剤名 ベタネコール塩化物散剤
薬効分類名 副交感神経亢進剤
薬効分類番号 1231
ATCコード N07AB02
KEGG DRUG
D01000 ベタネコール塩化物
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年4月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ベサコリン散5% Besacolin Powder アルフレッサファーマ 1231004B1067 8.8円/g 劇薬

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 甲状腺機能亢進症の患者[心房細動の危険性を増加させるおそれがある。]
2.2 気管支喘息の患者[気管支喘息の症状を悪化させるおそれがある。]
2.3 消化管及び膀胱頸部に閉塞のある患者[消化管の通過障害、排尿障害を起こすおそれがある。]
2.4 消化性潰瘍の患者[消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。]
2.5 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
2.6 冠動脈閉塞のある患者[冠血流量を減少させ、心疾患の症状を悪化させるおそれがある。]
2.7 強度の徐脈のある患者[徐脈を悪化させるおそれがある。]
2.8 てんかんのある患者[てんかん発作を起こすおそれがある。]
2.9 パーキンソニズムのある患者[パーキンソニズムの症状を悪化させるおそれがある。]

4. 効能または効果

○消化管機能低下のみられる下記疾患
慢性胃炎
迷走神経切断後
手術後及び分娩後の腸管麻痺
麻痺性イレウス
○手術後、分娩後及び神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難(尿閉)

6. 用法及び用量

ベタネコール塩化物として、通常成人1日30〜50mgを3〜4回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.5参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
コリン作動性作用により発汗、潮紅、下痢、悪心、嘔吐等の副作用があらわれやすい。

10. 相互作用

10.2 併用注意
コリン作動薬
ピロカルピン塩酸塩、
セビメリン塩酸塩水和物等
コリンエステラーゼ阻害薬
ジスチグミン臭化物等
本剤のコリン作動性作用に基づく副作用(発汗、顔面潮紅等)を増強させるおそれがある。本剤のコリン作動性作用を増強させるおそれがある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 コリン作動性クリーゼ(頻度不明)
悪心、嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、発汗、徐脈、血圧低下、縮瞳等の症状が認められた場合には投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5〜1mg(患者の症状に合わせて適宜増減)を投与すること。また、呼吸不全に至ることもあるので、その場合は気道を確保し、人工換気を考慮すること。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
循環器心悸亢進胸内苦悶
消化器胸やけ、悪心、嘔吐、唾液分泌過多、腹痛、下痢胃部不快感
精神神経系頭痛 
過敏症発熱、発汗、顔面潮紅 

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 臨床効果
消化管機能低下のみられる疾患500症例ならびに術後尿閉、ガス膨満及び低緊張性膀胱のみられる疾患202症例においては、本剤の有用性が認められている1)2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 消化管運動亢進作用
本薬は、節後副交感神経刺激によるムスカリン様作用により、胃腸の運動と緊張を高め、胃液の分泌を促進することが、ヒト、イヌにより確認されている3)4)
18.1.2 尿管平滑筋収縮作用
本薬は、ヒト、イヌで膀胱の排尿筋を収縮させ、膀胱内圧を高めると同時に、膀胱頸部を緩解することによって、排尿効果を促進することが確認されている5)6)7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ベタネコール塩化物

一般的名称 ベタネコール塩化物
一般的名称(欧名) Bethanechol Chloride
化学名 (2RS)-2-Carbamoyloxy-N,N,N-trimethylpropylaminium chloride
分子式 C7H17ClN2O2
分子量 196.68
融点 217〜221℃(乾燥後)
物理化学的性状 ベタネコール塩化物は無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品は水に極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。
本品は吸湿性である。
本品の水溶液(1→10)は旋光性を示さない。
KEGG DRUG D01000

20. 取扱い上の注意

開栓後は湿気を避けて保存すること。

22. 包装

100g(ボトル)

23. 主要文献

  1. 松原弘昌ら, 内科の領域, 9, 573-584, (1961)
  2. 池尻泰二ら, 臨床外科, 16, 69-76, (1961)
  3. Machella T.E.et al., Gastroenterology, 8, 36-51, (1947)
  4. Brooks A.M.et al., Clin.Res., 18, 173, (1970)
  5. Kleeman F.J., J.Urol., 104, 549-554, (1970) »PubMed
  6. Stein I.F.et al., JAMA, 140, 522-525, (1949)
  7. Matsumura S.et al., Tohoku J.Exp.Med., 96, 247-258, (1968) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
電話:フリーダイヤル 0120-419-497
製品情報問い合わせ先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
電話:フリーダイヤル 0120-419-497

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アルフレッサファーマ株式会社
大阪市中央区石町二丁目2番9号
26.2 販売元
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版