医療用医薬品 : ミケラン

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医薬品情報


総称名 ミケラン
一般名 カルテオロール塩酸塩
欧文一般名 Carteolol Hydrochloride
製剤名 カルテオロール塩酸塩持続性点眼液
薬効分類名 緑内障・高眼圧症治療剤
薬効分類番号 1319
ATCコード S01ED05
KEGG DRUG D00599 カルテオロール塩酸塩
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2018年3月 改訂 (第11版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ミケランLA点眼液1% Mikelan LA ophthalmic solution 1% 大塚製薬 1319701Q3024 340.4円/mL
ミケランLA点眼液2% Mikelan LA ophthalmic solution 2% 大塚製薬 1319701Q4020 459.7円/mL

禁忌

次の患者には投与しないこと

コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(II・III度)、心原性ショックのある患者[β-受容体遮断による刺激伝導系抑制作用・心拍出量抑制作用により、これらの症状が増悪するおそれがある。]

気管支喘息、気管支痙攣又はそれらの既往歴のある患者、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[β-受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、これらの症状が増悪するおそれがある。]

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

緑内障、高眼圧症

用法用量

通常、1%製剤を1回1滴、1日1回点眼する。なお、十分な効果が得られない場合は、2%製剤を用いて1回1滴、1日1回点眼する。

用法用量に関連する使用上の注意

他の点眼剤を併用する場合には、本剤投与前に少なくとも10分間の間隔をあけて、本剤を最後に点眼すること。(「2.重要な基本的注意(1)」の項参照)

使用上の注意

慎重投与

肺高血圧による右心不全の患者[心機能を抑制し症状が増悪するおそれがある。]

うっ血性心不全の患者[心機能を抑制し症状が増悪するおそれがある。]

コントロール不十分な糖尿病の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつ症状をマスクしやすいので血糖値に注意すること。]

糖尿病性ケトアシドーシス及び代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。]

重要な基本的注意

本剤は眼表面での滞留性向上及び持続性発揮のためアルギン酸を添加している。そのため、他の点眼剤との併用時には、本剤が他の点眼剤の吸収性に、あるいは他剤が本剤の持続性に影響を及ぼす可能性がある。したがって、他の点眼剤との併用にあたっては、本剤投与前に少なくとも10分間の間隔をあけて、本剤を最後に点眼するよう指導すること。なお、やむを得ず本剤点眼後に他の点眼剤を使用する場合には、点眼後に十分な間隔をあけて他の点眼剤を使用するよう指導すること。

全身的に吸収され、β遮断剤全身投与時と同様の副作用があらわれることがあるので、留意すること。

相互作用

併用注意

β遮断剤
(全身投与)
全身的なβ遮断作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。相加的にβ遮断作用を増強させる。
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
レセルピン等
過剰の交感神経抑制を来すおそれがあるので、減量するなど注意すること。相加的に交感神経抑制作用を増強させる。
カルシウム拮抗剤
ベラパミル塩酸塩
ジルチアゼム塩酸塩
徐脈、房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全等があらわれることがある。併用する場合には用量に注意すること。相互に作用が増強される。
アドレナリン類薬(チモロールマレイン酸塩点眼液)でアドレナリンの散瞳作用が助長されたとの報告がある。アドレナリンのβ作用のみが遮断され、α作用が優位になる。

副作用

副作用発現状況の概要

(国内臨床試験)

本剤1%を用いた国内の臨床試験において74例中9例(12.2%)に副作用が認められている。眼科的には霧視、そう痒感、乾燥感、結膜充血、結膜浮腫、眼脂が各1件(1.4%)、全身的にはめまい2件(2.7%)、頭痛、嘔気、皮膚炎が各1件(1.4%)であった。(承認時)

(海外臨床試験)

海外の臨床試験において218例中12例(5.5%)に副作用が認められている。眼科的には点状角膜炎3件(1.4%)、眼刺激1件(0.5%)、全身的には苦味4件(1.8%)、めまい2件(0.9%)、徐脈、息切れが各1件(0.5%)であった。(承認時)

(製造販売後調査・試験)

国内の製造販売後調査・試験において515例中16例(3.1%)に副作用が認められている。主な副作用は、眼科的には眼瞼炎、角膜障害(角膜炎、角膜びまん性混濁、角膜びらん等)が各4件(0.8%)、眼刺激症状(しみる感じ、疼痛、灼熱感、かゆみ、乾燥感等)3件(0.6%)、全身的には頭痛2件(0.4%)であった。(再審査終了時)

(参考)ミケラン点眼液1%・2%の臨床試験及び使用成績調査より

調査症例3,440例中148例(4.30%)に副作用が認められている(承認時及び再審査終了時)。

本剤及びミケラン点眼液1%・2%で報告されている副作用は次のとおりである。
以下の副作用には別途市販後に報告された頻度の算出できない副作用を含む。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

喘息発作(頻度不明*)

喘息発作を誘発することがあるので、咳・呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

失神(頻度不明*)

高度な徐脈に伴う失神があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

房室ブロック、洞不全症候群、洞停止等の徐脈性不整脈、うっ血性心不全、冠攣縮性狭心症(頻度不明*)

房室ブロック、洞不全症候群、洞停止等の徐脈性不整脈、うっ血性心不全、冠攣縮性狭心症があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

類薬で、眼類天疱瘡、脳虚血、脳血管障害、全身性エリテマトーデス(頻度不明*)の報告がある。

*:自発報告、海外又は類薬において認められた副作用のため頻度不明。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
眼刺激症状(しみる感じ、疼痛、灼熱感、かゆみ、乾燥感等)、霧視、異物感、眼脂、結膜炎、眼瞼炎、眼瞼腫脹、羞明感、角膜障害(角膜炎、角膜びまん性混濁、角膜びらん等)、視力異常眼瞼発赤等眼底黄斑部の浮腫・混濁注1)
循環器徐脈、不整脈、動悸胸痛等低血圧
呼吸器呼吸困難、咳咽喉頭症状(違和感等)鼻症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)
その他頭痛、不快感、倦怠感、めまい、悪心、味覚異常(苦味等)、皮膚炎、発疹 血糖値の低下、筋肉痛、こわばり(四肢等)、脱力感、抑うつ、重症筋無力症の増悪注2)
注1)無水晶体眼又は眼底に病変のある患者等に長期連用してあらわれることがあるので、定期的に視力測定、眼底検査を行うなど観察を十分に行うこと。注2)類薬で発現したとの報告がある。注)副作用の項に記載の頻度は、原則として本剤とミケラン点眼液1%・2%のうち、発現頻度の高い方の値に基づく。*:自発報告、海外又は類薬において認められた副作用のため頻度不明。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、投与する場合は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。(ミケラン点眼液1%・2%を食事摂取不良等体調不良の状態の患児に投与した症例で低血糖が報告されている。低血糖症状があらわれた場合には、経口摂取可能な状態では角砂糖、あめ等の糖分の摂取、意識障害、痙攣を伴う場合には、ブドウ糖の静注等を行い、十分に経過観察すること。)

適用上の注意

投与経路

点眼用にのみ使用すること。

投与時

点眼に際して、患者は原則として仰向けの状態になり、患眼を開瞼し結膜のう内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙のう部を圧迫した後開瞼すること。

点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。

薬物動態

血漿中濃度

原発開放隅角緑内障又は高眼圧症の患者(14例)に本剤2%(7例)又はミケラン点眼液2%(7例)を両眼に1滴単回点眼後の最高血漿中カルテオロール濃度(平均値±標準誤差)はそれぞれ1.727±0.651ng/mL(点眼2時間後)及び1.180±0.384ng/mL(点眼30分後)であった1)
原発開放隅角緑内障又は高眼圧症の患者(24例)に本剤2%(両眼に1日1回、12例)又はミケラン点眼液2%(両眼に1日2回、12例)を8週間点眼後の血漿中カルテオロール濃度(平均値±標準偏差)は、それぞれ1.669±0.726ng/mL及び3.198±1.500ng/mL(点眼2時間後)であった2)
外国人のデータにおいて、原発開放隅角緑内障又は高眼圧症の患者(22例)に本剤2%(1日1回)又はミケラン点眼液2%(1日2回)をクロスオーバー法により9週間反復点眼後の最高血漿中カルテオロール濃度(平均値±標準偏差)はそれぞれ1.76±0.86ng/mL及び2.94±1.48ng/mLであった3)

薬物の肝酸化型代謝に関与するチトクロームP450分子種

主としてCYP2D64)

臨床成績

眼圧下降作用

国内での成績

本剤1%

国内27施設で高眼圧患者(原発開放隅角緑内障、高眼圧症)146例を対象として実施した第III相試験において、本剤1%(1回1滴、1日1回、8週間点眼)の眼圧下降効果は、ミケラン点眼液1%(1回1滴、1日2回、8週間点眼)と同等であった(図1、表1)5)

図1 本剤1%の眼圧推移 午前9時〜午前11時(点眼前);平均値±標準誤差

表1 点眼8週後の眼圧下降度 午前9時〜午前11時(点眼前);有効性解析対象症例

製剤症例数眼圧下降度
(mmHg)
95%信頼区間
本剤1%70−4.6±0.30.09[−0.67、0.85]
ミケラン点眼液1%65−4.6±0.2
眼圧下降度:平均値±標準誤差、差:平均値(症例数は点眼8週後の症例数を示す。)

本剤2%

国内7施設で高眼圧患者(原発開放隅角緑内障、高眼圧症)120例を対象として実施した第IV相試験において、本剤2%(1回1滴、1日1回、8週間点眼)の眼圧下降効果は、ミケラン点眼液2%(1回1滴、1日2回、8週間点眼)と同程度であった(図2、表2)2)

図2 本剤2%の眼圧推移 午前9時〜午前11時(点眼前);平均値±標準偏差

表2 点眼8週後の眼圧下降度 午前9時〜午前11時(点眼前);試験実施計画書適合対象集団

製剤症例数眼圧下降度
(mmHg)
95%信頼区間
本剤2%58−4.7±1.90.5[−0.2、1.1]
ミケラン点眼液2%60−5.2±1.8
眼圧下降度:平均値±標準偏差、差:平均値(症例数は点眼8週後の症例数を示す。)

外国での成績(参考)

本剤1%

高眼圧患者(原発開放隅角緑内障、高眼圧症)151例を対象として実施した多施設共同二重盲検比較試験において、本剤1%(1回1滴、1日1回、60日間点眼)の眼圧下降効果はミケラン点眼液1%(1回1滴、1日2回、60日間点眼)と同等であった(図3、表3)。

図3 本剤1%の眼圧推移 午前9時(点眼前);平均値±標準偏差

表3 点眼60日後の眼圧下降度 午前9時(点眼前);ITT解析対象症例

製剤症例数眼圧下降度
(mmHg)
95%信頼区間
本剤1%74−6.32±2.87−0.65[−1.66、0.34]
ミケラン点眼液1%75−5.67±3.30
眼圧下降度:平均値±標準偏差、差:平均値(症例数は点眼60日後の症例数を示す。)ITT:Intent-to-treat

本剤2%

高眼圧患者(原発開放隅角緑内障、高眼圧症)236例を対象として実施した多施設共同二重盲検比較試験において、本剤2%(1回1滴、1日1回、60日間点眼)の眼圧下降効果はミケラン点眼液2%(1回1滴、1日2回、60日間点眼)と同等であった。また、120日間にわたって安定した眼圧下降作用が認められた(図4、表4)6)

図4 本剤2%の眼圧推移 午前9時(点眼前);平均値±標準偏差

表4 点眼60日後の眼圧下降度 午前9時(点眼前);ITT解析対象症例

製剤症例数眼圧下降度
(mmHg)
95%信頼区間
本剤2%117−6.09±3.180.004[−0.80、0.81]
ミケラン点眼液2%111−6.09±2.97
眼圧下降度:平均値±標準偏差、差:平均値(症例数は点眼60日後の症例数を示す。)ITT:Intent-to-treat

薬効薬理

眼圧下降作用

白色及び有色ウサギの水負荷高眼圧モデルを用いた検討において、本剤の眼圧上昇抑制の持続性が認められた7)

ウサギにカルテオロール塩酸塩0.25〜2%液を点眼した場合、用量依存的で持続的な眼圧下降が認められている8)

ウサギの水負荷眼圧上昇試験において、カルテオロール塩酸塩0.1〜2%液点眼により眼圧上昇の有意な抑制が認められている8)

ビーグル犬にカルテオロール塩酸塩1〜4%液を1回0.1mL、1日2回、連続8週間点眼しても眼圧下降作用の減弱は認められていない8)

アドレナリン性β受容体遮断作用

カルテオロール塩酸塩は内因性交感神経刺激様作用を有するβ受容体遮断薬である9)

眼圧下降作用の機序10)11)

健康成人におけるフルオロフォトメトリー試験の結果、並びに緑内障及び高眼圧症患者におけるトノグラフィー試験の結果から、カルテオロール塩酸塩は房水産生の抑制により眼圧を下降させるものと推察されている。

眼底血流増加作用

健康成人にカルテオロール塩酸塩持続性点眼液2%を1回点眼し、レーザースペックル法により視神経乳頭での組織血流量を測定したところ、視神経乳頭近傍上耳側網脈絡膜において組織血流の指標となるMean blur rate(MBR)値の有意な増加が認められている12)

有効成分に関する理化学的知見

一般名カルテオロール塩酸塩
一般名(欧名)Carteolol Hydrochloride
化学名5-[(2RS)-3-(1,1-Dimethylethyl)amino-2-hydroxypropyloxy]-3,4-dihydroquinolin-2(1H)-one monohydrochloride
分子式C16H24N2O3・HCl
分子量328.83
融点約277℃(分解)
性状白色の結晶又は結晶性の粉末である。水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)又は酢酸(100)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは5.0〜6.0である。水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
KEGG DRUGD00599

包装

ミケランLA点眼液1%

2.5mL×10

ミケランLA点眼液2%

2.5mL×10

主要文献


1. 社内資料(臨床薬理試験)
2. 川瀬和秀ほか,  日本眼科学会雑誌,  114 (11),  976-982,  (2010) »PubMed
3. 社内資料(血漿中カルテオロール濃度の比較)
4. Kudo,S.et al.,  Eur.J.Clin.Pharmacol.,  52 (6),  479-485,  (1997) »PubMed »DOI
5. 山本哲也,  日本眼科学会雑誌,  111 (6),  463-472,  (2007) »PubMed
6. Demailly,P.et al.,  Br.J.Ophthalmol.,  85 (8),  921-924,  (2001) »PubMed »DOI
7. 社内資料(ウサギにおける眼圧上昇抑制作用)
8. 渡辺耕三ほか,  応用薬理,  26 (1),  1-8,  (1983)
9. Yabuuchi,Y.et al.,  Jpn.J.Pharmacol.,  24 (6),  853-861,  (1974) »DOI
10. 新家 真ほか,  日本眼科学会雑誌,  84 (12),  2085-2091,  (1980) »PubMed
11. 松生俊和ほか,  眼科臨床医報,  77 (10),  1654-1657,  (1983)
12. 梅田和志ほか,  あたらしい眼科,  30 (3),  405-408,  (2013)

作業情報


改訂履歴

2017年4月 改訂 (第10版)
2018年3月 改訂 (第11版)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
大塚製薬株式会社
108-8242
東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー
0120-189-840

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
千寿製薬株式会社
541-0048
大阪市中央区瓦町三丁目1番9号
0120-069-618

業態及び業者名等

製造販売元
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

提携
千寿製薬株式会社
大阪市中央区瓦町三丁目1番9号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/12/16 版