医療用医薬品 : 補中益気湯

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医薬品情報


総称名 補中益気湯
一般名 補中益気湯
薬効分類名 漢方製剤
薬効分類番号 5200
KEGG DRUG
D06789 補中益気湯エキス
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年10月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
クラシエ補中益気湯エキス細粒 クラシエ 5200131C1078 20.4円/g

4. 効能または効果

元気がなく胃腸のはたらきが衰えて疲れやすいものの次の諸症
虚弱体質、疲労倦怠、病後の衰弱、食欲不振、ねあせ

6. 用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
8.2 本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意すること。[10.211.1.211.1.3参照]
8.3 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
カンゾウ含有製剤
芍薬甘草湯
抑肝散
六君子湯 等
グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤
グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン
グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠 等
8.211.1.211.1.3参照]
偽アルドステロン症があらわれやすくなる。また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる。グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 間質性肺炎(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難、発熱等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
11.1.2 偽アルドステロン症(頻度不明)
低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.210.2参照]
11.1.3 ミオパチー(頻度不明)
低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.210.2参照]
11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹、蕁麻疹等
消化器食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
湿疹、皮膚炎等が悪化することがある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
作用機序は明確でない。
18.2 白血球数の減少抑制と回復促進作用
本エキス粉末(経口投与)は、シクロホスファミド(CY)投与又は放射線(γ線)照射マウスの末梢血白血球数の減少を抑制し、正常レベルまでの回復も促進した1)
CY投与マウスを用いた実験結果から、本エキス粉末がIL-3、GM-CSFなどの造血系サイトカインの産生増強を介し、骨髄細胞中の多能性幹細胞の増殖及び顆粒球・単球系への分化を促進することにより、白血球減少状態からの回復を促進するものと考えられた2)
18.3 好中球の活性酸素産生
本エキス粉末(経口投与)は、正常又はCY投与マウスの好中球の活性酸素産生量を増加させた1)
18.4 感染防御作用
本エキス粉末(経口1)又は腹腔内投与3))は、CY投与マウスの緑膿菌による全身1)3)及び呼吸器感染3)に対して抵抗性を増強した。
本エキス粉末(経口投与)は、マウスのリステリア菌経口感染モデルにおいてパイエル板及び腸間膜リンパ節での菌の初期増殖ならびに肝での増殖を抑制した。このとき、パイエル板及び肝臓中マクロファージの細胞内殺菌活性の増強がみられ、腸管上皮間リンパ球のIFN-γ産生細胞数が著明に増加していた。一方、IFN-γ遺伝子欠損マウスでは本エキス粉末の感染防御作用が消失した。これらのことから、本エキス粉末は腸管でのIFN-γ産生増強作用を介してマクロファージを活性化することにより、リステリア菌感染防御効果を示すことが示唆された4)
18.5 免疫系に対する作用
本エキス粉末(経口投与)は、Th2優位マウスのIgE抗体産生を抑制し、同マウス脾細胞を抗原で再刺激したときに上清中に産生されるIgE抗体、IL-2及びIL-4を抑制した5)。さらに、同一抗原で二次免疫したマウスの抗原特異的IgE産生を著明に抑制し、IL-4及びIL-5産生CD4細胞数を減少させるとともに好酸球浸潤を抑制した6)。本エキス粉末は感染防御に必要なTh1反応に抑制的に働くTh2系に対する抑制作用を有すると考えられた7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 補中益気湯

一般的名称 補中益気湯
KEGG DRUG D06789

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。
20.2 開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。
20.3 本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。

22. 包装

<KB-41>
3.75g×28包[分包]
3.75g×168包[分包]
<EK-41>
2.5g×42包[分包]
2.5g×294包[分包]
500g[ボトル]

23. 主要文献

  1. 池田了ほか, 薬学雑誌, 110, 682-687, (1990) »DOI
  2. Kaneko M,et al., Immunopharmacol., 44, 223-231, (1999) »PubMed
  3. 池田善明ほか, 和漢医薬学会誌, 3, 372-373, (1986)
  4. Yamaoka Y,et al., Immunopharmacol., 39, 215-223, (1998) »PubMed
  5. Kaneko M,et al., Immunopharmacol., 36, 79-85, (1997) »PubMed
  6. Kaneko M,et al., Immunopharmacol.Immunotoxicol., 21, 125-140, (1999) »PubMed
  7. 川喜多卓也ほか, Progress in Medicine., 18, 801-807, (1998)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
クラシエ薬品株式会社 医薬学術統括部
〒108-8080 東京都港区海岸3-20-20
電話:03-5446-3352
FAX:03-5446-3371
<文献請求先>
製品情報問い合わせ先
クラシエ薬品株式会社 お客様相談センター <受付時間>10:00〜17:00(土、日、祝日、弊社休業日を除く)
〒108-8080 東京都港区海岸3-20-20
電話:03-5446-3334
FAX:03-5446-3374
<製品情報お問合せ先>

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
クラシエ株式会社
〒108-8080 東京都港区海岸3-20-20
26.2 発売元
クラシエ薬品株式会社
〒108-8080 東京都港区海岸3-20-20

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版