医療用医薬品 : ニトロール

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医薬品情報


総称名 ニトロール
一般名 硝酸イソソルビド
欧文一般名 Isosorbide Dinitrate
薬効分類名 0.05%硝酸イソソルビドシリンジ製剤
薬効分類番号 2171
ATCコード C01DA08
KEGG DRUG D00516 硝酸イソソルビド
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
KEGG DGROUP DG01270 硝酸イソソルビド
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2019年3月 改訂 (第6版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 <製品仕様(各部の名称)> 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ニトロール持続静注25mgシリンジ Nitorol エーザイ 2171404G2025 869円/筒 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者〔血管拡張作用によりさらに血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。〕

Eisenmenger症候群又は原発性肺高血圧症の患者〔血圧低下によりショックを起こすことがある。〕

右室梗塞の患者〔血圧低下によりショックを起こすことがある。〕

脱水症状のある患者〔血圧低下によりショックを起こすことがある。〕

神経循環無力症の患者〔本剤の効果がなく、本剤投与により血圧低下等があらわれることがある。〕

閉塞隅角緑内障の患者〔眼圧を上昇させるおそれがある。〕

硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

頭部外傷又は脳出血のある患者〔頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。〕

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者〔併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。「相互作用」の項参照〕

効能・効果及び用法・用量

効能効果

急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)

不安定狭心症

用法用量

急性心不全

通常、成人には、硝酸イソソルビドとして1時間あたり1.5〜8mgを持続静注する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減するが、増量は1時間あたり10mgまでとする。

不安定狭心症

通常、成人には、硝酸イソソルビドとして1時間あたり2〜5mgを持続静注する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

低血圧の患者〔さらに血圧を低下させるおそれがある。〕

左室充満圧の低い患者〔血圧低下及び心拍出量低下のおそれがある。〕

遺伝性果糖不耐症の患者〔本剤の添加剤D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。〕

重要な基本的注意

本剤投与中は、頻回の血圧測定と血行動態のモニターを行うこと。また、投与量の調節は患者の血行動態、症状をみて徐々に行うこと。

投与中に血圧低下などの異常が観察された場合には、減量又は投与を中止すること。また、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。

血圧低下の可能性のある患者や心拍出量が低下している患者に投与する場合には、カテコールアミン系薬剤などと併用することが望ましい。

投与中に左心不全状態が改善した場合は、患者の様子をみて投与を中止すること。

本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。

相互作用

併用禁忌

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ、レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
タダラフィル
(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト
(アデムパス)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

併用注意

利尿剤血圧低下等が増強されるおそれがある。
過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。
血圧低下作用を増強させる。
血管拡張剤
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
血圧低下等が増強されるおそれがある。
過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。
血管拡張作用が増強される。

副作用

副作用発現状況の概要

ニトロール注5mgでは、総症例1,806例中、71例(3.93%)の副作用が報告されている。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

ショック

ショック(0.1〜5%未満)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。

心室細動、心室頻拍

冠動脈造影時の冠攣縮寛解に際し、reperfusion injuryによると考えられる心室細動などの危険な不整脈(0.1%未満)があらわれることが報告されている。このような場合には、電気的除細動などの適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
循環器血圧低下、めまい、動悸、四肢浮腫、心拍出量低下徐脈、期外収縮、心房細動 
精神神経系頭痛全身倦怠感、興奮、陽気 
消化器嘔気、嘔吐食欲低下 
血液動脈血酸素分圧の低下 メトヘモグロビン血症
肝臓AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇  
過敏症  発疹

高齢者への投与

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕

授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。〕

小児等への投与

小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

適用上の注意

輸液セットへの吸着

硝酸イソソルビドは、一般に使用されているポリ塩化ビニル製の輸液容器及び輸液セットに吸着するが、ガラス製、ポリエチレン製の容器、器具には吸着しない。硝酸イソソルビドのポリ塩化ビニル製輸液セットに対する吸着率は、図に示す通りで点滴速度に影響され、ポリ塩化ビニル管100cmでは点滴速度60mL/時間(1mL/分)以上であれば、投与量の80%以上が静脈内に注入される。また、硝酸イソソルビドの吸着率は配合濃度に影響されないが、輸液セットが長い程高くなるので注意すること。

点滴速度による影響

投与方法

本剤はシリンジポンプを用いて投与すること(針をつけて直接投与しないこと)。

本剤をシリンジポンプにセットする際には、本シリンジが使用可能な設定であることを必ず確認すること。

薬物動態

健康成人男子に硝酸イソソルビドを5mg/時で静脈内持続注入した際、硝酸イソソルビドの血漿中濃度は緩やかに上昇し、注入開始後1.5時間でほぼ定常濃度に達した。その後、注入停止とともに半減期6.3±1.0分(分布相)及び109.1±35.7分(排泄相)の2相性を示し、速やかに低下した。

硝酸イソソルビド注(静脈内持続注入)による薬物動態パラメータ

t1/2α(min)t1/2β(min)AUC(ng・min/mL)CL(L/hr)
6.3±1.0109.1±35.72,694±54.0144±28.2
(Mean±S.E.,n=2、健康成人男子)

心不全患者に硝酸イソソルビド5mgを静脈内単回投与注)したとき、血漿中硝酸イソソルビド濃度は2相性を示し、半減期3.9±1.2分(分布相)及び78.0±24.0分(排泄相)であった。また、AUC及びクリアランスはそれぞれ2,328±478ng・min/mL及び134.0±22.2L/hrであった。1)

硝酸イソソルビド注(静脈内単回投与)による薬物動態パラメータ

t1/2α(min)t1/2β(min)Vss(L)AUC(ng・min/mL)CL(L/hr)
3.9±1.278.0±24.0124.0±51.22,328±478134.0±22.2
(Mean±S.E.,n=4、心不全患者)

硝酸イソソルビド血漿中濃度

注)静脈内単回投与は承認外用法です。

臨床成績

臨床効果

ニトロール注5mgでは、急性心不全に対し二重盲検試験を含む臨床試験での有効率は、57.5%(157/273)であり、不安定狭心症の臨床試験の有効率は、83.0%(39/47)であった。2)3)4)5)6)7)8)9)

薬効薬理

病態モデル動物における作用

心臓の前負荷、後負荷を軽減

急性うっ血性心不全イヌによる実験で、本薬は静脈系容量血管を拡張することにより、静脈還流を減少させ、左室拡張終期圧の低下(前負荷の軽減)をもたらし、同時に末梢動脈を拡張して、総末梢血管抵抗を減少(後負荷の軽減)させる。これらの作用により、うっ血性心不全の血行動態を改善する。10)

心筋の局所血流量を増加

デキストラン容量負荷イヌによる実験で本薬は、虚血域の心内膜側の心筋局所血流量を増加させる。また、臨床的にも運動負荷201Tl心筋シンチグラフィーにより虚血心の心筋灌流を増大、改善させることが認められている。11)12)

虚血部心筋組織内ノルアドレナリンの増加

梗塞イヌによる実験で虚血部心筋からのノルアドレナリンの放出が抑制され、虚血部心筋組織内ノルアドレナリンを増加させ、血行動態的には心係数、左室収縮力の改善を認める。13)

血管拡張作用

静脈系容量血管の拡張

摘出したウサギ腸間膜動脈と静脈の10−5mol/Lノルアドレナリン収縮に対し、硝酸イソソルビド10−7mol/L以上の濃度で静脈は弛緩し、動脈は10−5mol/L以上の濃度で弛緩することが認められている。14)

cGMP産生作用

KClであらかじめ収縮させた子ウシの摘出冠動脈に本薬を添加すると、冠動脈の弛緩作用に比例してcGMPの産生が増加する。15)

有効成分に関する理化学的知見

一般名硝酸イソソルビド
一般名(欧名)Isosorbide Dinitrate
化学名1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol dinitrate
分子式C6H8N2O8
分子量236.14
物理化学的性状硝酸イソソルビドは白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに硝酸ようのにおいがある。
本品は、N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに極めて溶けやすく、クロロホルム又はトルエンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
本品は急速に熱するか又は衝撃を与えると爆発する。
KEGG DRUGD00516

取扱い上の注意

<使用前の注意>

本シリンジの使用にあたっては、適合するシリンジポンプを使用すること。

バレル内壁に気泡が付着することがあるため、また、シリンジが破損するおそれがあるため、強い衝撃を避けること。

ピロー包装は使用直前まで開封しないこと。

薬液が漏れている場合や、薬液に着色や混濁等の異常が認められた場合には使用しないこと。

シリンジに破損等の異常が認められるときは使用しないこと。

シリンジ先端のトップキャップを外した後、シリンジ先端部に触れないこと。

<投与時の注意>

バレルを強く握らないこと。[液漏れする可能性がある。]

プランジャーは、しっかりと接続すること。[使用中にプランジャーが外れた場合、サイフォニング(自然落下による急速注入)や逆流が起こるおそれがある。]

シリンジポンプにセットする前に、十分注意してバレル内のエアーを抜き取った後、シリンジ先端に、注入ラインの接合部をしっかりと装着・ロックすること。[不十分な場合、接合部位のはずれ、接合部位からの液漏れや注入ライン内へのエアー混入が起こることがある。]

シリンジポンプの送り機構(スライダー)のフックに確実にセットすること。[正しくセットされていない場合、サイフォニング(自然落下による急速注入)や逆流が起こるおそれがある。]

シリンジポンプにセットした後、患者に静脈針を穿刺する前には、使用するシリンジポンプの指定する方法に従い、必ずプライミング(注入経路のエアー抜き等)を行うこと。

シリンジポンプと注入ライン先端(投与部位)の落差はできるだけ小さくすること。[高低差によるサイフォニング現象により、薬液の急速注入が起こることがある。また、落差と接合部の装着・ロックが不十分であることが重なると注入ライン内へのエアー混入が助長される可能性がある。]

投与中は注入ラインの破損、接合部の緩み及び薬液漏れ等について定期的に確認すること。

開封後の使用は一回限りとし、使用後の残液は容器とともに速やかに廃棄すること。

シリンジの再滅菌・再使用はしないこと。

包装

ニトロール持続静注25mgシリンジ(50mL)

5筒

<製品仕様(各部の名称)>

<操作方法>

外袋を開封し、バレル及びプランジャーを取り出す。

バレルにプランジャーを装着する。

注意

プランジャーを回転させてガスケットにしっかり装着する。

シリンジ先端のトップキャップを外す。

注意

薬液が飛び散る可能性があるので、注意する。

トップキャップを外した後、シリンジ先端部に触れないこと。

シリンジポンプにセットする前に、十分注意してバレル内のエアーを抜き取った後、シリンジ先端に、注入ラインの接合部をしっかりと装着・ロックする。

シリンジポンプの取扱い説明書に従って投与する。

主要文献


1. 長村好章ら,  臨牀と研究,  62,  2672,  (1985)
2. 広沢弘七郎ら,  呼吸と循環,  33,  903,  (1985)
3. 牧野克俊ら,  臨牀と研究,  61,  2744,  (1984)
4. Kodama,K.et al.,  Jpn.Circ.J.,  48,  380,  (1984) »PubMed
5. 広沢弘七郎ら,  医学のあゆみ,  134,  310,  (1985)
6. Saito,T.et al.,  Jpn.Circ.J.,  50,  30,  (1986) »PubMed
7. 伊藤正明ら,  呼吸と循環,  33,  679,  (1985)
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11. 高山幸男ら,  脈管学,  21,  351,  (1981)
12. Tonooka,I.et al.,  Am.Heart J.,  111,  525,  (1986)
13. 李 詔,  日大医学雑誌,  41,  637,  (1982)
14. Ishikawa,S.et al.,  Br.J.Pharmacol.,  79,  737,  (1983) »PubMed
15. Matlib,M.A.et al.,  Am.Heart J.,  110,  204,  (1985) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2014年7月 改訂
2019年3月 改訂 (第6版)

文献請求先

エーザイ株式会社
フリーダイヤル 0120-419-497

お問い合わせ先

エーザイ株式会社
フリーダイヤル 0120-419-497

業態及び業者名等

製造販売元
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/7/22 版