医療用医薬品 : パスタロン

List   Top

医薬品情報


総称名 パスタロン
一般名 尿素
欧文一般名 Urea
製剤名 尿素製剤
薬効分類名 角化性・乾燥性皮膚疾患治療剤
薬効分類番号 2669
ATCコード D02AE01
KEGG DRUG
D00023 尿素
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2025年4月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
パスタロンクリーム20% PASTARON CREAM 20% 佐藤製薬 2669701N2040 4.2円/g
パスタロンソフト軟膏20% PASTARON SOFT OINTMENT 20% 佐藤製薬 2669701M2100 4.2円/g

4. 効能または効果

老人性乾皮症、アトピー皮膚、進行性指掌角皮症(主婦湿疹の乾燥型)、足蹠部皸裂性皮膚炎、掌蹠角化症、毛孔性苔癬、魚鱗癬

6. 用法及び用量

1日1〜数回、患部に塗擦する。

8. 重要な基本的注意

8.1 皮膚への適用以外(眼粘膜等の粘膜)には使用しないこと。
8.2 潰瘍、びらん、傷面への直接塗擦を避けること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 炎症、亀裂を伴う患者
一過性の刺激症状を生じることがある。
9.1.2 皮膚刺激に対する感受性が亢進している患者
一過性の刺激症状を生じることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
皮膚ぴりぴり感、疼痛、紅斑、そう痒感、灼熱感、丘疹、落屑

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
<10%尿素クリーム(販売中止)>
14C-尿素を含有する10%尿素クリーム150mg/kgをラット背部に塗布したとき、血中放射能濃度は投与後3時間で最大値を示し、以後すみやかに、18時間以後はゆっくりと血中より消失した1)14C-尿素を含有する0.5%尿素溶液1mLをラット背部に皮下投与したとき、血中放射能濃度は投与後1時間で最大値を示し、以後すみやかに、9時間以降はゆっくりと血中より消失した。
16.3 分布
14C-尿素を含有する0.5%尿素溶液1mLをラット背部に皮下投与したとき、脂肪を除いたすべての臓器に14C-尿素が認められ、臓器分布は腎髄質、腎皮質の順に多かった1)
16.5 排泄
14C-尿素を含有する0.5%尿素溶液1mLをラット背部に皮下投与したとき、14C-尿素は投与後24時間までに尿中へ78.37%、呼気中へ13.83%、糞中へ0.14%排泄された1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<ソフト軟膏>
17.1.1 生物学的同等性試験
国内8施設において、乾皮症30例、アトピー皮膚21例、毛孔性苔癬19例の合計70例を対象として、ソフト軟膏及びクリームを1日3回、21日間塗擦したハーフサイド二重盲検試験において、有用率注)はソフト軟膏群72.9%(51/70例)、クリーム群67.2%(47/70例)と同等な有用性を示した2)
ソフト軟膏群の副作用発現頻度は、9.9%(7/71例)で、その内訳は、皮膚刺激感、潮紅であった。一方、クリーム群の副作用発現頻度は、9.9%(7/71例)で、その内訳は、皮膚刺激感、潮紅、そう痒であった。
注)極めて有用、有用、やや有用、どちらともいえない、無用の5段階にて評価し、有用以上を有用率として算出した。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
<10%尿素クリーム(販売中止)>
角質水分保有力増強作用を示す。
18.2 角質水分保有力増強作用
<10%尿素クリーム(販売中止)>
ヒト足蹠正常角質切片に10%尿素クリームを塗布したのち、冬期を想定した50%相対湿度下に放置した場合、基剤のみのものに比べ10%尿素クリームの方が水分保有力増強作用が大きかった3)。また、走査型電子顕微鏡での観察によれば、10%尿素クリーム塗布患部はなめらかとなり、角質細胞間隔は狭小となる4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 尿素

一般的名称 尿素
一般的名称(欧名) Urea
化学名 Carbonyldiamide
分子式 CH4N2O
分子量 60.06
融点 132.5〜134.5℃
物理化学的性状 本品は無色〜白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、冷涼な塩味がある。
本品は水に極めて溶けやすく、沸騰エタノール(95)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
本品の水溶液(1→100)は中性である。
KEGG DRUG D00023

20. 取扱い上の注意

本剤は金属と接触させた場合、着色することがある。ステンレスヘラを長時間、本剤と接触させたままで放置しないこと。

22. 包装

<パスタロンクリーム20%>
25g×10(プラスチックチューブ)
500g(プラスチック容器)
<パスタロンソフト軟膏20%>
25g×10、50g×10(プラスチックチューブ)
500g(プラスチック容器)

23. 主要文献

  1. 相川一男 ほか, 応用薬理, 13, 743-747, (1977)
  2. 社内資料:パスタロンソフト軟膏の比較臨床試験
  3. 社内資料:尿素の皮膚角質層における水分保有力増強作用について
  4. 堀嘉昭 ほか, 臨床皮膚科, 30, 821-826, (1976)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
佐藤製薬株式会社 医薬事業部
〒107-0051 東京都港区元赤坂1丁目5番27号
電話:フリーダイヤル 0120-310-656
製品情報問い合わせ先
佐藤製薬株式会社 医薬事業部
〒107-0051 東京都港区元赤坂1丁目5番27号
電話:フリーダイヤル 0120-310-656

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
佐藤製薬株式会社
東京都港区元赤坂1丁目5番27号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版