医療用医薬品 : ラミシール

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医薬品情報


総称名 ラミシール
一般名 テルビナフィン塩酸塩
欧文一般名 Terbinafine Hydrochloride
薬効分類名 アリルアミン系抗真菌剤
薬効分類番号 2659
ATCコード D01AE15
KEGG DRUG D02219 テルビナフィン塩酸塩
商品一覧 米国の商品
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2021年10月 改訂 (第14版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ラミシールクリーム1% Lamisil Cream 1% サンファーマ 2659710N1152 25.9円/g

禁忌

次の患者には使用しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

下記の皮膚真菌症の治療

白癬

白癬、体部白癬、股部白癬

皮膚カンジダ症

指間びらん症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)

癜風

用法用量

1日1回患部に塗布する。

使用上の注意

副作用

副作用発現状況の概要

総症例8,910例中何らかの副作用が報告されたのは、161例(1.81%)であった。主な副作用は接触皮膚炎82件(0.92%)、そう痒感36件(0.40%)、発赤35件(0.39%)、刺激感31件(0.35%)等であった。(ラミシールクリーム1%・外用液1%の承認時まで及び再審査終了時までの集計)

その他の副作用

 頻度不明0.1%〜5%未満0.1%未満
過敏症発疹、蕁麻疹、血管浮腫そう痒症、紅斑
適用部位湿疹、皮膚乾燥、疼痛、色素沈着、皮膚灼熱感接触皮膚炎、発赤、刺激感鱗屑、落屑、皮膚亀裂

妊婦、産婦、授乳婦等への使用

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。〔妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。〕

小児等への使用

低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

適用上の注意

眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。誤って眼に入った場合は、刺激症状があらわれることがあるので、流水で十分に目をすすぐこと。

その他の注意

動物実験(モルモット)において、本剤に弱い光毒性が認められている。

薬物動態

吸収・血中濃度

健康成人背部にテルビナフィン塩酸塩1%クリームを塗布し、24時間にわたって血漿中濃度を測定したところ、いずれの測定時点においても検出限界(1ng/mL)以下であった。また、薬剤の回収率から推定される吸収率は約5%であった。

ケラチンへの吸着性1)

角質層の主要構成成分であるヒトケラチンへのテルビナフィン塩酸塩の吸着性を検討したところ、73〜98%の吸着率が得られた。一方、一旦ケラチンに吸着された本剤は、緩衝液で洗浄することにより遊離され、ほぼ100%の薬剤活性が回収されたことから、ケラチンが本剤の貯蔵器として活性型薬剤の濃度維持に役立っていると考えられる(in vitro)。

臨床成績

臨床試験成績2)3)4)5)6)7)

比較試験を含む645例について行われた1日1回塗布による本剤の臨床試験成績は次のとおりである。

疾患・病型有効率
白癬足白癬74.3%(142/191)
体部白癬85.6%(83/97)
股部白癬91.5%(75/82)
皮膚カンジダ症指間びらん症85.2%(23/27)
間擦疹91.3%(84/92)
癜風87.0%(67/77)

その他

健康成人の無傷背部皮膚表面にテルビナフィン塩酸塩1%クリーム及び基剤を用いたパッチテスト並びに光パッチテストの結果では、皮膚刺激性は認められていない。8)9)

薬効薬理

テルビナフィン塩酸塩は真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害し、スクアレンの蓄積並びにエルゴステロール含量の低下をもたらし抗真菌作用を示す。10)11)皮膚糸状菌に対しては低濃度で細胞膜構造を破壊し、殺真菌的に作用する。11)12)また、C.albicansに対しては低濃度から部分的発育阻止効果を示し、高濃度では直接的細胞膜障害作用により抗真菌活性をあらわす。13)

抗真菌作用(in vitro)

テルビナフィン塩酸塩は広い抗真菌スペクトルをもち、皮膚糸状菌(トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属)、カンジダ属及び癜風菌(Malassezia furfur)に対して優れた抗真菌活性が認められている。14)15)16)

テルビナフィン塩酸塩は皮膚糸状菌(T.rubrum、T.mentagrophytes)に対して0.001〜0.01μg/mLの最小発育阻止濃度(MIC)を示す。17)また、T.mentagrophytes発芽分生子に対し低濃度で明らかな殺真菌作用を示す。15)

テルビナフィン塩酸塩はC.albicansに対して0.098μg/mL以上の濃度で酵母形から菌糸形への変換を阻止し18)、1μg/mL以上の濃度では酵母形増殖に対し静真菌作用を示す。13)

実験的白癬に対する作用

モルモットのT.mentagrophytes感染に対しテルビナフィン塩酸塩1%外用剤1日1回塗布により、治療開始4日目には明らかな症状の改善がみられ、2週間後には優れた真菌学的治療効果が認められている。19)また、テルビナフィン塩酸塩1%外用剤をT.mentagrophytes接種1〜3日前に局所に単回塗布した場合、感染後14日間経過する期間を通して発症は全くみられなかったことから、薬効の持続性が示された。これはテルビナフィン塩酸塩の良好な皮膚貯留性に基づくものと考えられる。20)

有効成分に関する理化学的知見

一般名テルビナフィン塩酸塩
一般名(欧名)Terbinafine Hydrochloride
化学名(2E)-N,6,6-Trimethyl-N-(naphthalen-1-ylmethyl)hept-2-en-4-yn-1-amine monohydrochloride
分子式C21H25N・HCl
分子量327.89
融点約205℃(分解)
性状白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。
メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすく、水に溶けにくい。
1.0gを水1000mLに溶かした液のpHは3.5〜4.5である。
分配係数7.4(1-オクタノール/水)
KEGG DRUGD02219

包装

ラミシールクリーム1%

10g×10(チューブ)

10g×50(チューブ)

主要文献


1. 内田勝久ほか,  日本医真菌学会雑誌,  34 (2),  207,  (1993) »DOI
2. 香川三郎ほか,  西日本皮膚科,  53 (5),  1033,  (1991) »DOI
3. 福代良一ほか,  西日本皮膚科,  53 (4),  785,  (1991) »DOI
4. 黒沢伝枝ほか,  新薬と臨床,  40 (5),  954,  (1991)
5. 富澤尊儀,  新薬と臨床,  40 (4),  740,  (1991)
6. 岡部省吾ほか,  新薬と臨床,  40 (4),  733,  (1991)
7. 山田裕道ほか,  皮膚科紀要,  86 (2),  235,  (1991)
8. 中山秀夫ほか,  西日本皮膚科,  53 (5),  1043,  (1991) »DOI
9. 大畑恵之ほか,  西日本皮膚科,  53 (5),  1038,  (1991) »DOI
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11. Ryder,N.S.,  Clin.Exp.Dermatol.,  14 (2),  98,  (1989) »PubMed »DOI
12. 西山彌生ほか,  日本医真菌学会雑誌,  32 (2),  165,  (1991) »DOI
13. 平谷民雄ほか,  日本医真菌学会雑誌,  33 (1),  9,  (1992) »DOI
14. Petranyi,G.et al.,  Antimicrob.Agents Chemother.,  31 (9),  1365,  (1987) »PubMed »DOI
15. 平谷民雄ほか,  日本医真菌学会雑誌,  32 (4),  323,  (1991) »DOI
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19. 内田勝久ほか,  日本医真菌学会雑誌,  32 (4),  333,  (1991) »DOI
20. 内田勝久ほか,  日本医真菌学会雑誌,  34 (2),  199,  (1993) »DOI

作業情報


改訂履歴

2016年10月 改訂
2021年10月 改訂 (第14版)

文献請求先

サンファーマ株式会社
0120-22-6880 受付時間:9時〜17時30分(土、日、祝日、その他当社の休業日を除く)

業態及び業者名等

製造販売元
サンファーマ株式会社
東京都港区芝公園1-7-6


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2023/02/22 版