医療用医薬品 : ブロムヘキシン塩酸塩

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医薬品情報


総称名 ブロムヘキシン塩酸塩
一般名 ブロムヘキシン塩酸塩
欧文一般名 Bromhexine Hydrochloride
製剤名 ブロムヘキシン塩酸塩注射液
薬効分類名 気道粘液溶解剤
薬効分類番号 2234
ATCコード R05CB02
KEGG DRUG
D01778 ブロムヘキシン塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年9月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ブロムヘキシン塩酸塩注射液4mg「タイヨー」 (後発品) Bromhexine Hydrochloride Injection"TAIYO" T’sファーマ 2234400A1054 59円/管 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

○経口投与困難な場合における下記疾患ならびに状態の去痰
肺結核、塵肺症、手術後
○気管支造影後の造影剤の排泄の促進

6. 用法及び用量

通常成人には1回1〜2管(ブロムヘキシン塩酸塩として4〜8mg)を1日1〜2回筋肉内又は静脈内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)
発疹、血管浮腫、気管支痙攣、呼吸困難、そう痒感等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症  発疹、そう痒感、蕁麻疹
消化器悪心嘔吐下痢、嘔気
循環器胸内苦悶、心悸亢進  
精神神経系頭痛  

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
<筋肉内投与>
14.1.1 ときに注射部位に疼痛を訴えることがある。このような場合には、静脈内注射にきりかえ、なるべくゆっくり静注すること。
14.1.2
動物実験で充血、出血、変性等の局所障害が認められるので筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に留意すること。
・神経走行部位を避けるよう注意して注射すること。
・繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えて行うこと。
なお、乳幼小児には連用しないことが望ましい。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
喀痰量の一時的増加を来し神経質な患者では不安感を訴えることがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
動物実験で大量を長期間にわたり連続投与した場合に血清トランスアミナーゼ値の上昇することが報告されている。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
ブロムヘキシン塩酸塩注射液4mg「タイヨー」とビソルボン注4mgをクロスオーバー法により、健康成人男子にそれぞれ2アンプル(4mL)(ブロムヘキシン塩酸塩として8mg)を絶食単回筋肉内投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)
 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24(ng・h/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(h)T1/2(h)
ブロムヘキシン塩酸塩注射液4mg「タイヨー」34.5±10.15.3±1.30.3±0.17.7±3.1
ビソルボン注4mg33.2±10.05.0±1.00.3±0.17.8±4.5
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
静脈内投与した場合、5分で肺、肝、眼窩内涙腺、腎、脂肪組織、脳下垂体、松果体に高濃度に認められた2)(ラット)。
16.5 排泄
健康成人(21例)に静脈内投与した場合、120時間で77%が尿中に、5%が糞中に排泄される3)(外国人データ)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
気管支粘膜及び粘膜下気管腺の分泌を活性化し、漿液分泌を増加させる。また、気管分泌細胞リソソーム顆粒から遊離されたリソソーム酵素の関与で酸性糖蛋白の繊維網を溶解低分子化する。肺表面活性物質の分泌促進作用や線毛運動亢進作用を有する4)
18.2 薬理作用
18.2.1 漿液性分泌増加作用
Perry及びBoydの方法により、漿液性分泌増加作用が認められている(ウサギ)。また、走査電子顕微鏡により形態学的に観察した試験で、気管支粘膜及び粘膜下気管腺の分泌が活性化し、漿液性分泌の増加が認められている5)6)(イヌ)。
18.2.2 酸性糖蛋白溶解・低分子化作用
健康成人において、酸性糖蛋白の線維網が溶解低分子化することが顕微鏡下に認められている。この作用は、気管分泌細胞内で発現し、その機序は、リゾゾーム顆粒から遊離されたリゾゾーム酵素が関与すると考えられている7)8)(イヌ)。
18.2.3 肺表面活性物質の分泌促進作用
肺胞II型細胞内層状封入体(ラット)及び肺のリン脂質含量(ウサギ)の増加が認められている9)10)
18.2.4 線毛運動亢進作用
In vitroの試験で、気管線毛のビート回数及び振幅を増大させることが認められている11)(イヌ)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ブロムヘキシン塩酸塩

一般的名称 ブロムヘキシン塩酸塩
一般的名称(欧名) Bromhexine Hydrochloride
化学名 2-Amino-3,5-dibromo-N-cyclohexyl-N-methylbenzylamine monohydrochloride
分子式 C14H20Br2N2・HCl
分子量 412.59
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。ギ酸に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に溶けにくい。飽和水溶液のpHは3.0〜5.0である。
KEGG DRUG D01778

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

2mL×50アンプル

23. 主要文献

  1. 社内資料:生物学的同等性試験
  2. Kopitar Z. et al., Arzneimittelforschung., 21, 914-918, (1971)
  3. Jauch R. et al., Arzneimittelforschung., 25, 1954-1958, (1975)
  4. 第十八改正日本薬局方解説書, C-5118-C-5122, (2021), (廣川書店)
  5. Engelhorn R. et al., Arzneimittelforschung., 13, 474-480, (1963)
  6. 原田康夫 他, 耳鼻臨床, 69, 553-562, (1976) »DOI
  7. Bruce R.A. et al., Br J Clin Pract., 22, 289-292, (1968)
  8. Takade H. et al., Jpn J Pharmacol., 33, 455-461, (1983) »DOI
  9. Gil J. et al., Respiration., 28, 438-456, (1971)
  10. Wichert P.V. et al., Pneumonologie., 144, 323-327, (1971)
  11. Yanaura S. et al., Jpn J Pharmacol., 31, 957-965, (1981) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
T'sファーマ株式会社 ティーズDIセンター
〒451-0045 名古屋市西区名駅二丁目27番8号
電話:0120-923-093 受付時間 9:00〜17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)
製品情報問い合わせ先
T'sファーマ株式会社 ティーズDIセンター
〒451-0045 名古屋市西区名駅二丁目27番8号
電話:0120-923-093 受付時間 9:00〜17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
T'sファーマ株式会社
名古屋市西区名駅二丁目27番8号
26.2 販売
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版