2.1 鉄欠乏状態にない患者[鉄過剰症をきたすおそれがある。]
2.3 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤は経口鉄剤の投与が困難又は不適当な場合に限り使用すること。
必要鉄量を算出して投与するが、鉄として、通常成人1日40〜120mgを2分以上かけて徐々に静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の投与に際しては、あらかじめ必要鉄量を算出し、投与中も定期的に血液検査を行い、フェリチン値等を確認するなど、過量投与にならないよう注意すること。
<参考:必要鉄量の算出法>
あらかじめ総投与鉄量を算定して治療を行うことにより、鉄の過剰投与による障害が避けられるとともに、不足鉄量を補うことができる。なお、とくに鉄欠乏性貧血では利用可能な貯蔵鉄が零に近いので、鉄必要量の他に貯蔵鉄をも加算する必要がある。
・総投与鉄量(貯蔵鉄を加えた鉄量)
患者のヘモグロビン値Xg/dLと体重Wkgより算定する。(中尾式
1)による。ただし、Hb値:16g/dLを100%とする)
総投与鉄量(mg)=〔2.72(16−X)+17〕W
総投与鉄量[mg]一覧
| 体重kg\治療前Hb量g/dL | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 20 | 940 | 880 | 830 | 780 | 720 | 670 | 610 | 560 | 500 |
| 30 | 1,410 | 1,330 | 1,240 | 1,160 | 1,080 | 1,000 | 920 | 840 | 750 |
| 40 | 1,880 | 1,770 | 1,660 | 1,550 | 1,440 | 1,330 | 1,220 | 1,120 | 1,010 |
| 50 | 2,350 | 2,210 | 2,070 | 1,940 | 1,800 | 1,670 | 1,530 | 1,390 | 1,260 |
| 60 | 2,820 | 2,650 | 2,490 | 2,330 | 2,160 | 2,000 | 1,840 | 1,670 | 1,510 |
| 70 | 3,280 | 3,090 | 2,900 | 2,710 | 2,520 | 2,330 | 2,140 | 1,950 | 1,760 |
8.1 本剤は経口鉄剤の投与が困難又は不適当な場合に限り使用すること。
8.2 効果が得られない場合には投与を中止し、合併症などについて検索すること。
8.3 本剤の投与により、低リン血症があらわれ、骨軟化症に至ることがあるので、投与開始前はやむを得ない場合を除き血清リン値を測定すること。また、投与中も定期的に血清リン値を測定し、必要に応じてリンの補充を行うことを検討すること。関節痛、骨痛など骨軟化症を疑う症状があらわれた場合は、処方医に相談するよう、患者に指導すること。[
11.1.2参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.2 腎機能障害患者
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。肝障害を増悪させるおそれがある。[
2.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
用量に留意すること。一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
脈拍異常、血圧低下、呼吸困難等のショック様症状、不快感、胸内苦悶感、悪心・嘔吐等があらわれることがある。
11.1.2 低リン血症、骨軟化症(頻度不明)
低リン血症があらわれ、骨軟化症に至ることがある。[
8.3参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 0.1〜5%未満 | 頻度不明 |
| 過敏症 | | 発疹 |
| 肝臓 | | AST、ALTの上昇 |
| 消化器 | 悪心、嘔気 | |
| 精神神経系 | 頭痛、頭重、めまい、倦怠感 | |
| その他 | 発熱、熱感、悪寒、心悸亢進、顔面潮紅 | 四肢のしびれ感、疼痛(四肢痛、関節痛、背部痛、胸痛等)、着色尿注) |
13.1 症状
鉄過剰症があらわれることがある。また、長期的な低リン血症により骨軟化症に至ることがある
2)。
13.2 処置
鉄排泄剤の投与等、症状に応じて適切な処置を行うこと。
14.1 薬剤調製時の注意
pH等の変化により配合変化が起こりやすいので、他の薬剤との配合に際しては注意すること。なお、本剤を希釈する必要がある場合には、通常、用時10〜20%のブドウ糖注射液で5〜10倍にすること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 注射速度に留意すること。
14.2.2 注射に際しては血管外に漏出しないよう十分注意すること。血管外に漏出した場合には、漏出部位周辺に色素沈着を、また、疼痛、知覚異常、腫脹等の局所刺激を起こすことがある。このような場合には、温湿布を施し(疼痛、腫脹等の急性炎症症状が強い場合には冷湿布により急性症状がおさまった後)、マッサージ等をして吸収を促進させる等適切な処置を行うこと。